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特効薬

2008/11/17執筆

 彼と別れてもう半年。未だ私は振り切れず、彼の替わりを求め夜の街を漂っていた。どんなに肌を重ねてみても彼の様なぬくもりを得られなかった。

 そんな私を見兼ねたのか、ある日あの子に怒鳴られた。アルコールと失恋に溺れる私の手首を掴み、行きずりの男から私を引き剥がした。

「いい加減にしろ!」

 その声は震えていて。掴まれた手首は、彼と比較するのも忘れる程熱く。

 失恋の特効薬は新しい恋。ふとそんな言葉が脳裏に過ぎった。

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