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14歳

bud(高校)に進級する為、最後のテストを受ける。

思えばseed(中学校)ではほとんど講義を受けずに、カフェテリアで仕事ばかりしていた。

学院の出席日数が必要なので毎日海と教室に入りホームルーム後は図書室とカフェテリアの往復で図書室の本を制覇してしまった。

テストの回答が終わったので教室を退出し、海を待つのでカフェテリアに行き、世界の紅茶108の物語を頼む。いつ飲んでもここの紅茶は香りがよく美味しい。

ホームルームが終わり次第、会社に行ってもいいけど、一族にはまだ海と婚約している事にしているので、なるべく海と行動を共にしている。

一族以外で私に婚姻を申し込める人ならず者はいないので、海には申し訳ないが私が成人するまではこのまま婚約者としていてもらう。成人後は海に狐野家を継いでもらい正式に私の側近として活躍してもらうつもりで父様と話をし了承を貰った。

ほどなくして紅茶を飲み終わり仕事もキリがいいので学院を散策しようと購買で学院の全体図を買う。

天花学院の全体図を見ると円状になっており、半分がflower(大学)半円の半分がbud(高校)

その半分をseed(中学校)topsoil(小学校)で分けられている。

seedから敷地が広くなっていて学生寮やコンビニなども兼ね備えてある。

左周りから行くとflower、bud、topsoil、seedとなっていたので地図をしまい左周りで散策しようと歩きだした。

しばらく歩いていると敷地を区切るゲートがあり、守衛がいたので学院手帳を見せて通る

同じ学院なのに雰囲気が全く違うのでわくわくしてしまう。

並木道を通り過ぎると周りがざわついている事に気が付いた。

遠巻きに私を見ているので疑問に思っていると、通り向かいから飛鳥が走ってきた。

「玲様、いかがなされましたかっ」息もたえだえに聞いてくる。

「海を待つのに散策をしていたの。飛鳥はどうしたの?」

「玲様の気配を近くに感じたので走ってきました」

飛鳥は腰まで伸ばした金髪を巻いていて私服だと本家で見る時より大人っぽく見えた。

落ち着かせる様にゆっくりと話すと呼吸を整えてくれ、話しながら落ち着ける場所を探す

どうやら妖力を抑えていても妖狐は力の弱い人ならず者には

恐怖だったようでざわついており、見知った気配で私と気づき走ってきたそうだ。

近くにカフェを見つけたので入ると既にいた学生が席を空けてくれそれを当然のように享受し飛鳥が椅子を引いたのでお礼をいいそこに座る、別の学生に飲み物を頼むと

「玲様は紅茶でよろしいでしょうか?」と聞かれ頷く。

「飛鳥はいつも席を譲られるの?」

「玲様はされていないのでしょうか」不思議そうな顔をして答える。

私は講義がないので図書室とカフェテリアの往復をしていて気付いていないだけで4家の家系は自然と席や道を譲られるものだという。

周りがざわついていたのはゲートにそれぞれの境界線に結界があり、普段感じない大きな力を持った妖狐が来て騒然としてしまったようだ

「時間潰しの散策だったのだけど申し訳ないことをしたわね」

「いえ、玲様が悪いわけではないので」苦笑いしながコーヒーを飲む。

紅茶を飲み終わりカップを置き、お店の時計を見ると気付いた

「飛鳥、講義を抜けてきたでしょう、ごめんなさい。私ももう戻るから行っていいわよ」

「申し訳ありません、次に来るときは使役獣をいただければご案内いたします」

飛鳥は私の分までカップを片付け頭を下げ戻っていった。

まだ時間があるため散策したかったが飛鳥以外の分家が来ても仕方がないので、seedに戻る事にし歩き始める。flowerは並木道とカフェしか見れなかったので、今度は海と一緒に飛鳥に案内してもらおう。


ー----

やっと1日を使った進級テストが終わった。

開始早々、左狐様は退出していったけどいつも講義を受けていないのに主席なので勉強方法を教わりたい

「あー、やっと終わったー」

脱力したように僕の前の席の朝熊さん(あさくま)が伸びをしながら言うと近くの席の兎束さん(うづか)さんがクスクス笑いながら、近くにきて

牛山君(うしやま)はテストどうだった?」

「僕は今回はできた方かなbudで取りたい講義があるから必死に勉強したんだ」

将来は父の会社に何かしらで関わりたい。だから必須の講義を落としたくない

「牛山君はもう将来を考えてて凄いね!私はまだ漠然としてるよ」

朝熊さんが振り向いて褒めてくれる。

「ありがとう。でも僕もまだ理系に進む以外は漠然としてるんだ」

「それでも凄いよ!あ、この後こはるとテストお疲れ様会やるんだけど、牛山君もいこーよ!」

朝熊さんに誘われて、僕も息抜きをしたかったのでいく事にした。


「車だしてくれてありがとう。ここは?」

「ここは朝熊家が進めてる、息抜きをコンセプトにしているカラオケだよ」

室内を見てみると常夏の海の映像が流れていて音楽も海のさざ波の音が聞こえる

建物にはいろいろな施設が入っており1日でも遊びきれなさそうだ

「ちーちゃんが色々な事にチャレンジするのが好きでちーちゃんパパが作ってみよう!って進めてくれて夏にオープンするんだって」

朝熊さんをからかうように兎束さんが思い出し笑いのような笑みを浮かべて部屋に入ってきた

「こはるは一言多いの!今日はプレオープンだから好きに遊ぼうね!」

そう言って張り切ったようにマイクを握り、朝熊さんと兎束さんは曲を入れ始めた

「牛山君も遠慮なく入れてね!」

左狐様が演奏していたアニメソングを歌ったり、僕たちが生まれる前に流行した曲を歌ったり

僕も楽しくなり色々な曲を入れ朝熊さんや兎束さんにサポートしてもらい歌い切った。

ルームサービスのメニューも豊富でそれぞれコンセプト部屋に合った限定メニューもあり見ているだけでも夏を感じた。

時計を見るとそろそろ帰る時間になったので朝熊さんに声をかける

「そろそろ僕は帰るけど、今日はありがとう。楽しかった。」

「急に誘ったのにこちらこそありがとう~!また遊ぼうね!」

テスト終わりに行ったので時間が足りず、オープンしたらまた遊びに来る約束をして今日は解散した。

夏の長期休みが始まったら、目標に向かって勉強と訓練をするので息抜きにはピッタリだなと迎えの車で思い、渉と大智も巻き込んで遊ぼうと2人に連絡をした。


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