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序章
序章〈 I 掌の理〉
この世界には『印』が存在する。
一人ひとりが手のひらにひとつ、数多の中からただ一つ。
『印』の力はその者に超常の力を与える。
序章〈 Ⅱ 塔の最上での会議〉
「南に星と勇者、怠惰と勤勉の力が生まれた。」
「そうか。守りは必要か?」
「一つの木は自立し、二つの木は互いを支え合う。」
「ならばよし。見守るに留めておこうか。」
「力の先導となるもよし。」
「承知したぞ友よ。」
風の荒れ狂う音を窓の外に聞きながら、一人はカップを傾け、一人は姿を消した。