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6話目


6話



「待たせてすみません。場所が見つかったので今から移動しましょう。」


それはマネージャーの田中が、スタジオを取るために電話をし始めた時から40分たった頃だった。さっきは30分かかると言っていたので、それよりも10分程多くかかっているが、すぐに入れるスタジオを探すのに戸惑っていたからだろう。


それに今は0時を過ぎている。そんな時に入れてくれる、場所があるとは思わなかったが、がんばって探してくれたみたいだ。

流石、田中さん。


「本当に見付かったんですか!・・・こんな時間だと貸してくれる場所は無いと思うんですが。。。。」

「いや~一般の場所は全部ダメでしたので、探すのに苦労しましたよ。そのおかげで、前の伝手とか今の・・・・・聞かなかったことにしてください。」

「あ、ハイ。」


あ。聞いちゃダメ系の伝手を使ったんだね。この後、俺に何か合ったら嫌だな考えるが、今までこんな風にいろんな伝手を使って俺のスポーツをサポートしていたので、直ぐにその考えは消えた。


田中さんは危険な事はやらないからね。



「それじゃあ、行きましょう。近くにあるんで直ぐに着きますよ。」


そういい荷物を纏めて、公園を出るとそこには一台の車が止まっていた。

俺には車の良し悪しは分からないが、隣の剛毅さんは凄い驚いていた。


「乗ってください。」

「え、これって。。。。」


何も言わなかった。

触れちゃいけない事だと思ったのか、車種に関しては何も明言しないで緊張しながら、車に気を使いながら乗った。


俺はいつも通り乗るのは丁寧に乗った剛毅さんに悪いので丁寧に乗る。


「・・・あ、田中さん。これ渡し忘れていました。」

「ありがとうございます。また後で確認させて貰いますね。」


俺は鞄から出した紙束が入ったケースをを田中さんに手渡した。中身は原稿だ。

前までは、普通にネットで渡していたんだけど、ある日、急に田中さんが紙にしてくださいって言ってきて、それから紙にしているのだ。


何でも、紙で書くと後々価値が出てきて持っているだけで一つの作品になるんだとか。良く分からないが、紙でも不備なく書くことは出来るので今は紙になった。


反対にパソコンで書くことは出来なくなったけど。

それでも、紙になったとたん田中さんから作品の質がさらに上がったと言われたので、「紙でしか書けない」キャラになったのかなと思って納得している。


だって、物語の中にいるとしたら、紙でしか書けないキャラなんて最強キャラの一角でしょ。


ちなみにケースは田中さんが特注で作ったとか言っていたが、そこに関しても車と同じで特注だから何が変わるの?と思っている。


「・・・着きましたね。」


そこはこの都会で名前を知らない人は居ないと言われるくらい有名なマンションであった。そのまま、田中さんについてエレベーターに乗ると。・・・田中さんが押した階層は俺が知っている限りこのマンションの一番上。


最上階の階層であった。


剛毅さん緊張しているんだろうな~と思い、顔を見てみると。・・・驚きを通り越して、無表情になっていた。


チン!


軽快な音でエレベータが止まる。

田中さんの後ろをついて行くと、なぜか一番奥の部屋まで連れてかれた。


「ここです。」


へ~。こんなところにスタジオがあるんだ。そっち系の事はよく知らないけど、ここって家賃としては結構高いんだろうな。


ぴ~ンポーン


田中さんはいつも通り、とでも言いたげにインターフォンを鳴らした。よく見てみると、ここの扉は凄い高そうで、頑丈そうだ。


「はい。」

「田中です。」

「オー!よく来てくれた!開けるから待ってくれ!」


威圧感満載の声から「田中」という声が聞こえるだけで、軽快で陽気な慕っている声に変わっていった。

剛毅さんはさっきまで無表情だったのに、感情が戻ったのかすっげぇビビっている。


ガチャ。


扉が開くと、そこからはスーツを着て正装の強面な60?70?くらいのお爺さんが出てきた。・・・ヤクザ系の作品で見た事があるな。ここまで、似ているもんなのか。


「よく来てくれたよ田中ぁ。」


すっげぇニコニコで抱擁をかわしている。抱擁が終わりおじさんがこっちを見ると、俺に目線を合わせてくれた。


「・・・貴方が光ヶ丘さんですか?」

「はい。俺が天上院 光ヶ丘です。・・・そうだ、サインはいる?」


こういう人と話すのはあんまり慣れていないけど、おじさんが俺を尊敬している事だけは態度で、分かるので悪いようにしたくない。


挨拶は硬度が硬くなっちゃったけど、いつも通りに接してくれ!って目で語られているから、出来るだけユーモアに接する事にした。・・・人前に出る時はこんな口調だったから・・・こっちの方が良いよね?


「お願いしたい!さっき用意したばっかなんだが、色紙とこのシューズにサインをしてくれ!」

「いいよ。あんたと俺が会った出会いに感謝して、書いてあげる。」


渡されたそれは、普通の色紙。・・・いや、いつも書いている色紙よりも質が良いな。

それと、俺がバスケの時に特注で作ってもらったシューズと似た?・・・いや、触った感じ新しく同じ物を作ったのかな。


まあ、バスケの時に作ったシューズの類似品を渡された。バスケの時のファンなのかな?


色紙にはよく書いてるけど、シューズはかけるかな。そこまでシューズに書いた経験が少ないから、綺麗にかけるか分からない。


・・・・よし。


「今何時かな?」

「今は・・4月11日の0時30分です。」

「OK・・・これから4月11日に感謝をするといいよ。俺あんたとの出会いを忘れないからさ。」


たぶん偉いお方なのにこんな言葉遣いをして良いのかと思ってしまうが、そのお爺さんが頭を下げて感謝をしているから良いよな。


「ありがとう。私もこの時を忘れない。」

あ、サインを書いた物を持って奥に引いてしまった。

・・・どうしよう。って、田中さんそんな堂々と入っていくの!


「あ、入って大丈夫ですよ。」

「・・・・」


剛毅さんは言われるがままに入って行ってしまった。心臓が強いのか弱いのか分からない人だな。


まあ、田中さんがいいと言ったんだから、入ろうかな。こんな玄関前で維持張って待っても邪魔なだけだし。




少し後の田中さん。


光樹さんからもらった、ケースをとあるマフィアのボスと開ける。

このケースは光樹さんが書いた至宝の宝である、原稿を外に持ち出す為だけにつくられた特注品だ。


裏の伝手をふんだんに使い、たとえ落としても、燃えても、水没しても中の原稿に傷一つ着かないように作られている。もちろん、それ以外にも機能はあるが・・・。


「分かっていると思いまっすが、ここに書かれた内容は絶対に広めないでください。」

「あぁ、俺の背中に誓って。」


マフィアのボスにとっての背中は部下と意味を成す。つまりこの人は広めたりしたら、部課全員を殺すくらいの覚悟をしていると言う事だ。

マフィアにとって部下とは家族と同じだ。それを誓ったと言う事は見せても大丈夫だろう。


複数を手順を一つ一つ間違えないように解いていくと、ガチャ。と音が聞こえた。


「これが原稿です。・・・私が先に読みますが、直ぐに1枚ずつ渡します。」


そこに積んである、原稿の一番上を取る。・・・それからは夢の様な時間だった。私にとって光樹酸は小説の神様だ。


その小説は、私たちに新しい衝撃を与える。初めて、光樹さんの小説を呼んだときは、思わず、その時持っていた全てを捨てて編集者となったが、今はその事に対して後悔のかの字すらない。


なぜかって?光樹さんの小説は面白いからだよ。今までのどの小説と比べても。未来永劫、この人の小説を超える物は出ないと思っている。


その日は小説を10週した時点で終わった。



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