表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/59

シャラは愛するクローディアの事を祈りながら炎の業火に焼き尽くされました


「グォォォォォォォォ」

「グォォォォォォォォ」

ダレルの台地に北の蛮族ノルディン族の雄叫びが響いた。

凄まじい数の集団が峠を剣を抜いて下ってきた。


その蛮族の集団の駆ける先には一人の少女が立っていた。

金髪に青い目のほっそりした少女が蛮族共の向かう先にたった一人で立ちすくんでいるように見えた。



「コニー、クローディアのこと宜しくね」

独り言をシャラは呟いた。


夫のビリーもノルディンの奴らに殺されたと思われた。そして、今からシャラもその夫の元に行くのだ。唯一の心残りは愛娘のクローディアの事だったが、その娘の事はブリエント夫妻だけでなくて国王と皇太子夫妻も面倒見てくれると言ってくれた。王家に至っては王子との婚約まで整えてくれたのだ。



「クローディア。元気でね」

シャラは思いっきりクローディアを抱きしめた。

シャラの瞳から涙が次から次に流れた。


「シャラ、そろそろ時間よ」

コニーが横から二人の時間を切り上げさせた。


「コニー、クローディアをお願いね」

シャラはコニーにクローディアを渡した。


「神ゼウスよ。クローディアとコニーに祝福を。コニーの愛がクローディアに永遠に注がれますように」

シャラから光が溢れて二人を包んだ。


「シャラ」

「コニー。本当にあなたに我が愛しのクローディアを託すわ」

そう言うとシャラはクローディアにキスした。


そして、魔術師らに施術をされてシャラはノルディンの大軍の前に立たされたのだった。



シャラは最後に師のジャルカにクローディアの事を懇ろに託した遺書を人づてに託した。ジャルカが知れば絶対に許さなかっただろう。軽はずみなシャラの行動に対して怒り狂うのは目に見えていた。でも、ジャルカなら、シャラの遺言は守ってくれるはずだった。


「師匠。不肖の弟子をお許し下さい。そして、私の忘れ形見のクローディアのことをどうか宜しくお願い致します」

シャラは祈った。


ノルデインの大軍はシャラを見つけて剣を掲げて殺到してきた。


シャラの脳裏にはキャッキャッ笑っているクローディアの笑顔が映っていた。


「神ゼウスよ。この生命、ゼウスに捧げます。何卒、クローディアの永久の幸せを。それがもし破られし時はわれの地上への復活をお許し下さい」

シャラは必死に祈った。


「我がしもべよ。汝の願い確かに聞き入れよう」

どこからともなく、神の声が聞こえた。

気まぐれなゼウスは面白そうだとシャラの願いを聞き入れてくれたのだ。


シャラはそれを聞くと両手を上げた。


もう何も思い残すことはなかった。


自分は愛する娘のためにここで死ぬのだ。


「炎の雷よ大地を焼き尽くせ」

シャラは魔術の詠唱を唱えた。


シャラは瞬時に炎に包まれた。


そして、その炎は巨大な火の柱となり、それは一瞬で周りの全てのものを全て焼き尽くした。



ノルディンの大軍は成すすべもなく、一瞬で焼き尽くされていた。

皆さん、このお話ここまで読んで頂いてありがとうございます。

次からはシャラの娘クローディア編です。

クローディアには1年下に妹が出来て結構大変です。

でもその中優しい皇太子だけが頼りでしたが・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。


私の

新作はこちら!


『ブス眼鏡と呼ばれても王太子に恋してる~私が本物の聖女なのに魔王の仕返しが怖いので、目立たないようにしているつもりです』https://ncode.syosetu.com/n7402hm/

顔を隠すためにメガネを掛けてブス眼鏡と陰で呼ばれているエレは、真面目なメガネっ娘を演じているつもりが、やることなすこと目立ってしまって・・・・。そんな彼女だが、密かに心を寄せているのが、昔助けてくれた王太子殿下なのだ。その王太子が心を寄せているのもまた、昔魔王に襲われたところを助けてもらった女の子だった。
そんな所に魔王の影が見え隠れして、エレは果たして最後までニセ聖女の影に隠れられるのか? 魔王はどうなる? エレと王太子の恋の行方は?
ハッピーエンド目指すので是非ともお読みください!
― 新着の感想 ―
[一言] ゼウスはこの約束をしたせいで後に自分があんな目に合うとは思ってもいなかっただろうなぁw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ