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娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第三章 シャラは愛しの娘の危機に地獄から蘇ります

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聖女が伯爵家を訪問しました

本日3話目です

伯爵家ではコニー達が庭に出てクローディアの人間爆弾として生贄として爆死したという報を今か今かと待ちあぐねていた。


遠くで爆発音がした。


「お母様。穀潰しのクローディアがついに爆死したんじゃない」

アデラが喜んで言った。

「そうね、穀潰しのクローディアがやっと死んでくれたのかも知れないわ」

コニーもはしゃいで言った。


そこへ執事が慌てて駆けてきた。


「奥様。聖女様がいらっしゃいました」

「聖女、ミネルヴァ様が、どうしましょうこんな格好で」

「コニー構わないわ。急いでいるから」

そこへもう、待つこと無くミネルヴァが入ってきた。


「これは聖女様」

慌ててコニーが礼をする。


「この子がアデラね」

礼も返さずにミネルヴァが言った。


「はい。聖女ミネルヴァ様。伯爵家の長女アデラでございます」

アデラは拙いカテーシした。


「あら、長女はクローディアではなくて」

「クローディアは生贄になりましたので、養子縁組は無しにしました」

ミネルヴァの呆れた言葉にコニーが当たり前だという顔で答えた。


「本当に人間て馬鹿ね」

ボソリとミネルヴァは言った。


「はっ、聖女様何か言われましたか」

慌ててコニーが聞く。


「いえ、何でも無いわ。ただ、私が聞いたところだと、コニー、あなた、シャラに生贄を代わってもらう時に、命に代えてもクローディアは大切に育てると誓ってたんじゃ無くて」


「そ、そのようなこと。シャラが頼むから生贄を代わってくれ。その代わり娘の命を救ってくれとお願いされたから仕方無しに代わったのですわ」

慌ててコニーが言う。


「よく、それだけ嘘が言えるわね」

ミネルヴァは呆れて言った。


「な、何を仰るのです。事実ですわ」

必死になってコニーが言い訳する。


「まあ、良いわ。もう時間がないの」

改まってミネルヴァは姿勢を正した。


「コニー、最初私は生贄にあなたを指名しましたね」

「はい」

コニーは戸惑った。何故今聞かれるのだろうか。


「それはなぜだか判る」

「さあ、それは」

「約立たずの魔力持ちだから指名されたと思ったでしょう」

「いえ、そのような事は」

コニーは図星を刺されてムッとしたが、顔に出さないようにして否定する。


「神託はこうだった。生贄のあなたが殺されそうになった時に、大魔導戦士シャラが発現し、蛮族共を一掃するだろう」

「えっ」

コニーはしばし絶句した。


「私は何もあなたを生贄として殺すつもりなど全く無かったのよ。シャラが発現すればこのダレル王国は安泰。マーマ王国の躍進も招かなかった。あなたが余計なことをしたから、この今の危機があるのよ」

冷たくミネルヴァが言い放った。


「・・・・」


「あなた今思ったでしょ。シャラにでかい顔されるのはいやだって。その娘のクローディアも生贄として殺されてせいせいすると」

ミネルヴァは笑った。


「今回の生贄は私はあなたの娘アデラを指名したのよ。私としてはクローデイアを指名しても面白かったのだけど、この国のためを思ってあなたにしたの。あなた方また余計なことをしたわね」

「いえ、そんな、殺されのは穀潰しのクローディアであるべきです」

聖女の前にも関わらず、アデラが言った。


「あなたが生贄になっていたら、クローディアが助けてくれたわ。あなたと違ってね。あの子は本当に優しいのよ。でも神託の最良はクローデイアを生贄にすることだったのよ」

「何故そうされなかったのですか」

怒ってアデラが言った。


「この国が可愛そうだったからよ。ジャルカの耄碌爺が何故かこの国に執着していたから」

「何故この国が可愛そうなのですか」

コニーが聞く。


穀潰しのクローディアが死んだほうが娘が生贄にされるよりも余程ましだろう。


「本当にあなたも馬鹿ね」

「なんですって」

コニーが気色ばんで言った。


「そうすれば地獄から魔神が蘇るのよ。その魔神が全てを破壊し尽くすわ」

「魔神が」

「そう、そして新たな世界を魔神は作り上げるのよ。争いのない平和な世界をね」

神託の続きのとんでもない事を聖女はサラッと言った。



「そのまま生贄になっておけば幸せな生活を送れたのに、あなた達はとんでもない事をしでかしてくれたのよ」

「魔神なんて知りませんわ」

「何言っているのよ。あなたがあの子を魔神にしたのよ」

ミネルヴァは呆れて言った。


「ま、まさか」

コニーははっとして気づいた。顔が真っ青だ。


「やっと気付いたのね」

「ミネルヴァ様。何卒お助けを」

コニーは慌ててミネルヴァの前に跪くとミネルヴァにすがりついた。


「コニー、すがる対象が違うでしょう。もっとも絶対に許されないと思うけど」

すがりつくコニーの手をミネルヴァは振り払った。


コニーはガタガタ震えだした。


「お母様。何が来るの」

アデラが聞くがコニーは答えられなかった。


「では行くわね」


「み、ミネルヴァ様」

再度すがりつこうとしたコニーの腕をすり抜けてミネルヴァは転移していった。


跡には恐怖で真っ青になったコニーと何もわかっていないアデラが残された。

次回怒りのシャラが登場です

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