戦闘力5か、ゴミめ
「姉ちゃん、溜まってるなら俺らが相手してやるよ」
小汚い山賊がオレの体を舐めるように見回してる。
あーそうだった。忘れてた。コイツらいたんだ。まあ俺も元男だからわかるよ。若い女がそれも絶世の美女がセルフバーニングしてたらそりゃあ見ちゃうよな。フルガン見だよ。
「おい、この女見たことねえほどベッピンなんだけどよ!やべぇオレたまんねえよお!」
「そ、そうだ!とっとヤっちまおうぜ!そ、そんでアジトに連れ帰って、飼おうぜ!輪姦そうぜ!」
山賊どもが分かりやすくボルテージを上げていきり立っている。ちなみにあっちも分かりやすくズボンの上からいきり勃っていた。
ゲヘゲヘといやらしいスケベヅラ晒して俺を身やがるが別段俺は何も感じない。このまま犯すつもりだろう。
特に嫌悪感も感じないし、ましてや恐怖なんかも感じない。
今の俺は何も身につけていない。素っ裸だ。相手には痴女か頭のイカれた女に見えるんだろう。だけど恥ずかしいとも思わない。
別にこれがゲームの世界だからとか異世界だからとかじゃないんだ。
なんていうか自然に解るんだ。頭の中がクリアになっていく。
自分よりも矮小な下等で存在する価値の無いゴミ屑どもの存在。
座っていた俺はゆっくり立ち上がる。
コキコキと首を鳴らし手足と身体の動作を確認する。
その度に俺の双丘がプルンプルンと、臀部がプリンプリンと、美体が躍る。
ゆっくりと手前にいる山賊にまるでモデルのようにしなりを作り、歩く。
その一挙手一投足を血走った眼で、ヨダレを垂らしながらガン見してくる山賊ども。
雄の本能を脳髄まで刺激し誘惑してしまうのは仕方ない。だって俺が丹精込めて創ったアバターだからな。
俺はニコリと微笑し、山賊の真正面まで来ると目の前の山賊の首に優しく右手をそえる。
「ゴミどもが。タダ見の代金はテメエらの汚ねぇ魂な」
頭を首ごと引きちぎった。
数秒間をおいて首の無い体から噴水のように血が噴き出した。
右手に持った下卑た表情のままの引きちぎった首を握り潰す。
その瞬間俺に流れ込んで来る山賊だったものの魂。
これをダーネスセブンズソードでは『業魔』という。
業魔値は、たったの5か。マジゴミだな。
飛び散った肉片と返り血を魔力で浄化する。
コキコキと右手に違和感が無いことを確認する。
「ん。ゲームと同じナイススプラッタだ。新しく追加された肉の質感は素晴らしい出来だ。最高だよ神様」
初めて人を殺したけど感触はリアルで現実感があるが、全く忌避感も罪悪感も無い。
俺にとってはこの世界はあくまでもゲームの延長線上でしかない感覚だ。 それがこの世界の仕様かアバターの影響か知らんけど、今の俺は自分の力を試したくてワクワクしている。
「うわぁっ!?」
「なっ!?」
そして俺は未だに何が起きたのか理解出来てないで突っ立ったままの残り二人の山賊を視る。
「次はどうやってブチ殺そうかな。色々試したいから一人は生かしておくかな」
「な!なんだ!? なんだおまえは!! なんて事しやがる!!」
何が起きたか理解出来てない頭でも本能的に危機感を感じたのか一人が慌てて剣を抜いてこっちに切っ先を向ける。
「軽く魔法辺りを使うか。暗闇よ、刃と成し敵を刻め、シャドウサーヴァント」
俺は右手をかざし山賊の一人に魔法を発動する。
「うぎゃああ!!?げはぁあっ!!!」
魔力で作り出した無数の影の刃が山賊の足元から召喚される。影の刃は身体中を幾重にも滅多刺しにそのままバラバラに引き裂さいた。
「ひいいいっ!!」
最後に残った山賊は仲間の無残な死に我に返って、悲鳴をあげながら踵を返し脱兎の如く後ろに駆け出した。
山賊だか盗賊だか知らんが命の奪い合いぐらい多少はしてるんだろうけど情けない。まあ憐れみは一切感じないけど。
「チュートリアルイベントなんだから逃げられ訳ないだろ?」
俺は距離を詰めようと軽く踏み込んだだけだが、思った他このアバターの身体能力が高く一瞬で族の背後に追い付いた。
そのまま勢いで背中に蹴りを入れる。
「おぼぁあっ!?」
蹴りが貫通し山賊の腹から俺の長い御御足が生える。そのまま横薙ぎに蹴り抜いて半身を分断。山賊の上半身は内臓を撒き散らし森の何処に吹っ飛んだ。
よし。敵は倒した。チュートリアルは終了かな。
あ、あれま全部倒しちまったよ。