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美女と魔獣2

 




 アルケオン王国の街道からだいぶ離れた人気が無い鬱蒼とした北西にある森の開けた一角。東のモルズの森は陽が射す明るい感じだったが、この森は薄暗く闇の気配が濃い。


「ここいらなら場所も四方に開けてるから敵が来るのがすぐに分かるぞ」


 黒髪イケメン。マシュー・オーデルンが切り株が並ぶ森の広場で周りを見渡しながら話す。


「近場でゴブリン狩るならここが一番いいだろう。森の入り口も近いしすぐに逃げるのも楽だし、奴らは森の外までは追いかけて来ないしな」


 金髪イケメン。カイト・ヘリオックスが手近な切り株に腰掛ける。


 ふーん、手際がいいな。慣れた感じがさすが冒険者といった感じか。


「確かに森の奥から魔獣の匂いを感じるな。それがゴブリンとは限らないが」


 俺も近くの切り株に腰掛けて2人の男と会話する。


 今俺たち3人は、ゴブリン討伐のために北西にある『燻んだ昏どこの森』という場所に来ている。


 また俺の知らない場所であるからしてこの世界の地理はだいぶ変わってると思われる。


 ポータル、もしくは転移魔法があれば今も現存している俺が知っている場所に行き来は出来たかもしれないが無い物はしょうがない。


 しかしそれに似たものを発見した。この男たち王国の外に出てから使った小さな結晶が詰まった小瓶がポータルの転移機構な役割を果たして一瞬でここまで来たのだ。


「私はお前たちが使用した転移結晶体なるものが気になるのだが」


 俺はさっきから気になってたことを聞いてみた。


「ん?これか?まあ、うちの家に代々伝わる家宝みたいなもので拝借し、んんっ!ちょっと借りてるんだ。結構珍しい物ではあるけど。ゼレス嬢はマジックアイテムに興味があるみたいだね。見てみるかい?」


 カイトがポーチから取り出した小さな紫の結晶体が入った瓶を投げてよこした。


 俺はキャッチしたそれをしげしげと眺めて鑑定をかけてみる。




 *このアイテムはプログラムの仕様により鑑定機構が正常に発動できません。


 *このアイテムはプログラムの仕様により鑑定機構が正常に発動できません。


 *このアイテムは…………


 *このアイテムはプログラムが解除され鑑定機構が正常に発動されました。





 次元空域可変体(小)


 空間転移の力が込められた結晶体の破片。結晶体の密度と定められた所持者の固有魔力により行き先を変更できる高次神位の物質。一度決定した所持者の変更は不可能であり、その所持者にしか反応しない。


 *契約者 カールス・フォン・アルケオン






 ……なんだ?鑑定したらなんか変なメッセージが出て来たぞ?


 でもすぐに普通に鑑定出来たんだが……とりあえず鑑定内容見てみるか。


 なるほど、これは間違い無くポータルの元になってる素材だと推測する。


 そして使用者制限があることから譲渡不可アイテムだと分かる。これが破片であるならどこかにこれの大元があるはずだ。


 それと契約者の名前、これは……?


「それが何なのか色々な魔術士に鑑定させたんだが、まったく反応しなくてね。でも能力自体は大体解ったから使用してるんだよ。まあ、俺にしか使えないんだけど。ゼレス嬢も魔術士なんだろう?鑑定出来るかい?」


 そういう金髪のイケメンのカイト。


「……いや、私の鑑定魔法でも何も映さなかった。家宝と言ったが、これを一体何処でどうやって入手したか聞いても?」


 俺は今見えたことを伝えなかった。


 俺たち3人はお互いに自己紹介したが、俺はこの2人に人物鑑定はしていなかった。わざわざ鑑定する必要は無いと思ったからだが……もし俺の推測が当たれば……


「うーん、古くから伝わるモノらしいから詳しくは……」


 俺は彼らと会話している間にこっそり2人に鑑定魔法を行使する。




 *鑑定阻害魔法が発動されました。


 *ブロックされましたが看破しました。






 マシュー・オーデルン(マクスウェア・デルミット)


 レベル: 55

 ランク: A

 性別: 男

 年齢: 25

 クラス: ロイヤルガードパラディン

 称号: 一騎当千の猛者 忠臣の誉れ 絶対守護者

 スキル: 一騎当千 盾技の誇り 背水の陣 武道全般 聖技の証


 アルケオン神聖王家に使える守護騎士。代々が王国に仕えた騎士の家系。今世の第2皇子とは幼馴染であり、良き理解者であり、好敵手であり、悪友である。








 カイン・ヘリオックス(カールス・フォン・アルケオン)



 レベル: 54

 ランク: A

 性別: 男

 年齢: 24

 クラス: ロイヤルクラウン

 称号: アルケオン神聖王国第2皇子 放蕩息子 プレイボーイ 比類無き天才 隠れた才能 仮面皇子 世直し皇子

 スキル: 剣聖の血脈 質実剛剣 剣技特化 聖霊憑依化


 アルケオン神聖王国第2皇子。業務をすっぽかして遊び歩く放蕩皇子と揶揄されているが裏の顔は日々大陸間の情勢の情報収集をこなす食わせ者。時たま本当に遊び歩いてるので余計にたちが悪い。




 ……やっぱり思った通りだった。そしてやっちまった。思わず鑑定しちまったけど、この2人巧妙にステータス情報が偽装されてたんだ。でも俺の鑑定レベルが高かったから鑑定阻害魔法を打ち消したことで2人を鑑定したのが多分本人たちにバレた。


 だってすげーこっち見てるんだよ。


 ていうか皇子こんなところで何やってんだよ、ちゃんと仕事しろ。



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