魔女と聖女
これは驚き、シャッキリポンと!
目の前の聖女様も俺と同じ転生者でありプレイヤーだったとは。まあそうだろうと思ったよ。
まず見た目、そうとう手の込んだカスタマイズされたアバター。
俺のゼレスデウナに匹敵する美麗さだと認めよう。
こんな超絶美人は俺も含めて、この世界に他にはいないだろう多分。
次にステータス。
レベルや身体的数値は俺と同じ表示不明、カンストしているんだろうことは判る。そこはいいだろう。
気になるのは称号とスキルだ。称号は俺より多いしスキルは聖属性ゴリ押しであるからにして明らかに対闇属性を意識している。
称号もゲーム時代ならほぼコンプリートしていたのがこの世界に転生した際にアイテムや従魔と同じくリセットされてたがあれは神様、邪神らしいけどのミスらしいから仕方ない。
けどコイツ聖女様は俺の時とは違う神に転生されたらしい。その恩恵かいろいろ融通されてるっぽい。どうやら神は複数存在するみたいだ。しかも何やら中はよろしくない様子。
まあ神様同士のいざこざはどうでもいいけど、他にも気になることあるから聞くか。答えるかどうか知らんが。
「あー、もしかしたら他にも転生者っているの?ダークネスセブンズソードのプレイヤーが」
俺が聖女様に聴くと奴はスッと空中に指先を置いて操作する。
あれはステータスウィンドウか。メニュー画面は他のプレイヤーには見えない仕様だからな。
「…今のところ私と貴様の他に転生者はいないようだが、今後転生させるか、してくるかは解らないと神のメッセージにある」
「ん?ちょっと待て。アンタ神様と連絡の取り合いできるの?」
俺は本気で驚いた。
「ああ、出来るが。基本的に向こうからの一方的なものが多いがな。…貴様は自分の神との連絡手段はないのか?」
聖女アウライディスが少し意外そうに聞き返す。
「…無いな。しかしあの神様、邪神だったとは…どうりで妙に胡散臭いと思ったわ…」
あの神様俺にいろいろ聞かれるのマズイから連絡手段切ったのか?それともただ単に面倒だから?
「…それは良いことを聞いた、魔女よ。邪神との繋がりが薄い今なら貴様を滅することも容易いか」
急激に場の魔力が高まり神霊圧が上昇する。
聖女を取り巻く魔素の濃度が増していく。
…おうおう、どうやら奴さん俺とやる気のようだ。じゃなけりゃアリーナには連れてこないだろう。
「さあ、久しぶりに対人戦としゃれこむか。といってもこれかなりのハンデなく無い?アンタ完全対闇仕様じゃん?これは流石に俺の武が悪いわ〜」
俺はやれやれと溜め息を吐く。
「だからちょっくらハンデくれよ、な?従魔召喚!出でよ我が精鋭!!忠実なる闇の配下たちよっ!!!」
俺は魔方陣を展開して従魔たちを呼ぶ。
もちろん呼ぶのはアイツらだ。
ゲーム時代苦楽を共にした魔将たち。
まだコッチで活躍させてないから可哀想だからな。憂さ晴らしに暴れてもらおう。それに久しぶりにコイツらの闘いを観てみたいしね。
それにヤツもプレイヤーなら間違いなくーーーー
暗黒の魔方陣が構築され常闇から禍々しき波動を持つ者たちが出現する。
「ーーーー我ガ名ハ、暗黒魔神水晶龍エルドアザル!冥府深淵ノ番人ニシテ七罪業『怠惰』ヲ冠ル者!!主ヨッ!我ガ混沌ノ力、存分ニ振ルオウゾッ!!!」
漆黒の水晶体の巨躯が螺旋を巻き空中に躍り出る。
「ーーーー妾の名は…き、吸血幼女戦姫…アルモディアッ!誇り高きヴァンパイアの始祖にして神なる真祖!七罪業『嫉妬』を冠る者!!ご主人様っ!妾の勇姿しかとお魅せしますっ!!!」
濃紺のゴシックドレスを翻し、麗しい可憐な幼女が頰を赤らめ舞い現る。
「ーーーー我の名は閃光獅子王ジークレオヴァルトっ!幻魔の高みに座して幻獣を遍く統べる王!!七罪業『傲慢』を冠る者!!我が君っ!我の雄々しき勝鬨の咆哮を捧げましょうっ!!!」
白銀装の鎧を纏う巨大な白獅子が雄叫びを放ちながら駆け参じる。
三体の異形が主人を守護するように立ち塞がる。
「…さあてと、楽しい楽しいバトルを始めましょうかね。聖女様?」
俺はニヤリと笑う。




