表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/66

魔術士の少女

 






 …私の名前は、ジャスミィ・エスケレト。

 魔術士の勉強をしている見習い魔術士です。


 私には父や母は居ません。私は孤児(みなしご)だったようで物心つく前に捨てられたのを魔術士のお師匠様に拾われました。


 何故捨てられたのかはお師匠様は事情を知っていたようですが、私の両親が何処の誰でなど、私は知りたい訳でも無く興味も関心も特にありませんでした。捨てられる理由があったのでしょう。


 私には私を拾って育ててくれたお師匠様がいます。生かすも殺すも魔術の実験の触媒にするも奴隷として叩き売るも生殺与奪の権限は全てお師匠様にあるのです。その話をお師匠様にしたら微妙な顔をされてしまいました。


 …何故でしょうか。


 私の日常はお師匠様の身の周りの世話をしながら日々魔術の鍛錬をする事です。


 お師匠様曰く私の魔力は人並みよりも多いらしいですが、イメージが固定化されていて上手くコントロール出来ないようなのです。


 私のイメージはもちろんお師匠様の魔法です。以前実戦で間近で見た火球の魔法は凄まじい威力でゴブリンの大群を消し炭に変えましたし、氷礫の魔法はオークを氷漬けにしました。


 私もあんな風になれたらいいなと思いましたが、お師匠様みたいな凄いお方の魔法に敵うはずありませんし、私は私なりに頑張って拙い魔法を行使します。


 お師匠様には敵わなくても、それなりに魔法は形になってるはずなのですがお師匠様には、また微妙な顔をされてしまいました。


 …何故でしょうか。



 ある日私がいつものように庭の薬草園で栽培している抜くと奇妙な叫び声を上げて走って逃げまくる薬草をしばき倒しながら収穫しているとお師匠様が言いました。


「ジャスミィ、お前修行に行ってこい。Aランクの魔術士になるまで帰ってくるな」


 そしてまとまったお金と荷物と餞別に新しい杖を渡され転移魔法でアルケオン神聖王国の近くまで飛ばされました。


 どうやら破門されたようです。



 ……何故でしょうか。



 とりあえず王都の冒険者組合に登録しなければなりません。そして冒険者のランクを上げてお師匠様と同じAクラスまで上げなければなりません。





 ……詰みました。



 誰も私とパーティーを組んでくれません。


 時折男の人が私の近くまで来るのですが組合の人に何処かに連れていかれて姿を見せなくなります。


 たまに女性も見かけますがオーガのような筋肉をした強そうな人たちばかりです。私を見るとショックを受けたようにガックリして去っていきます。


 …何故でしょうか。





 私は理解しました。お師匠様と同じランクAの冒険者など私にはハナから無理なのです。多少人より魔法の素質があっても私がそこに至れるイメージが湧きません。


 これはていのいい厄介払いなのでしょう。いつまでも出来の悪い弟子は必要ない。仕方ありません、しばらくソロで当たり障りない比較的簡単な依頼をこなしましょう。


 そんな私に赤い髪をした剣士風の少女が声をかけてきました。



「君、アタシとパーティーを組まない?」



 それがシーラちゃんと私の最初の出会いでした。



 そして私たちはいくつかの依頼をこなしながら日数が経ち、DからCに冒険者のランクが上がったある日のことです。



 行商人の護衛の依頼です。モルズの森は最近盗賊の集団

 が出るらしいので森を直接横断するのは危険です。最近は凶暴な魔物は滅多に出ないのですが盗賊のことも考え、安全を確保するため遠回りですが迂回することにしました。


 しかし運が悪かったのか私たちは魔物に遭遇してしまいました。

 突然荷馬車が吹き飛び横転しました。荷物もシーラちゃんも私も行商人さんも放り出されました。


 それは黒くて大きな猪の魔物でした。


 以前お師匠様が倒したオークよりも大きい体をしていました。


 シーラちゃんと私は散らばった荷物がクッションになり大きな怪我はありませんでしたが、行商人さんは打ち所が悪く重傷を負ってしまいました。


 私はすぐに行商人さんに治癒魔法を唱えますが、なかなか治療が上手くいきません。私の治癒魔法では重傷の傷を癒すのは難しいようです。


 その間シーラちゃんが魔物の注意を逸らすため戦いますがシーラちゃんも魔物の強さに苦戦していました。


 私の魔法で援護をしたいのですが、今手を離すと行商人さんは間違いなく死んでしまいます。


 戦うことも逃げることもままならない状況でこのまま魔物に食べられてしまうのか。


 魔物が恐ろしい雄叫びをあげながらシーラちゃんに突進します。


 危ない!




 最悪の結果をイメージしたその時。












 私たちは女神様に出会いました。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ