主と従者と
「いや〜年甲斐もなくはしゃいじゃったよ。参った参った、ハッハッハッ」
魔装剣『暗澹たる七罪の痛み』を振り回して遊んでいたら周りの樹木を根こそぎ伐採していた。
森の地形を大きく変えてしまったことを他人事のように素知らぬ顔をして誤魔化すおっさん美女。
自然保護団体に訴えられ無いだろうか。
「まぁそんなことより最後のアイテムを確認しよう」
俺は神様から貰った残る最後の一個のアイテムを解放する。
光が左手の人差し指に集束すると、複雑な細工が施されたアンティークな指輪が出現した。
『虚なる魔現の指環』
久遠の彼方から忠実なる僕を召還出来る異界の魔導具。召還は一度のみ可能である。召還後は自由に使役可能。
従魔召還(初回のみ可能)
これが神様の手紙に書いてあった従魔を召還出来るアイテムか。一回しか使用出来ない使い捨てみたいだけど、これは嬉しい能力だ。
苦労して仲間にしたモンスターたちを再びゲット出来るチャンスだ。三体限定みたいだけど仕方ないか。
そもそも神様は死んだ俺をこの素晴らしいゲームの世界に転生させてくれたんだから感謝こそすれば恨んでなどいない。
・・・いや、やっぱ腹立つわ。もし会うことがあったらぶん殴ってやろう。
「まあいいや。早速能力使うか」
俺はひとつ咳払いをし、軽く瞑目する。
こういうのは雰囲気が大事だ。
自分の中の眠る衝動。
夢醒めぬ幾星霜にも迸る心の小宇宙。
人はそれを厨二病と呼ぶ。
滾る熱い思いの丈をぶつけるように力の限り叫ぶ。
「来いっ!我のかつての僕たちよ!見果てぬ永劫と絶対の勝利と共に歩みし無類の強者たちよ!!今、再び我が栄華覇道のもとに下れ!!従魔解放っ!!!」
俺の言葉に反応して装着した指輪から黒い光の球が現れ、ふわふわと空に浮かぶと共に三つの魔方陣が展開される。
魔方陣は幾重にも幾何学模様の軌跡の輪舞曲を描き徐々にその鳴動を増していく。
三つの魔方陣の暗い光りがその強さを最高潮に達した時、発光する増幅され膨らんだ闇が超新星爆発したかのように眩しく雄々しく輝いた。
やがて黒い輝きが徐々にその明暗を弱め、静かに霧散していく。
そこにはこの場に似つかわしくない異形の者たちがその姿を顕現させたのだ。




