ライターがチートスキル《模倣(コピー)》で、作家にクラスチェンジ!
連載形式にー、と始めてしまった手前、3本ぐらいは置いとかなきゃなあ……ということで3本目です。
すいません。こういうタイトル、使ってみたかったんです。
模倣力はライターのテクニックだと言う人もいらっしゃいますが、個人的には経験則でなんとなーく身につくスキルだと思ってます。今回は、その模倣力でライターが作家に擬態する話。ぷちゴーストライターと呼ぶほうがしっくり来るかもしれませんね。
小説でもアニメでもゲームでも、副読本や攻略本といった書籍が編纂される場合には、版権元のスタッフではなく、書籍を編集する出版社なり下請けなりが外注ライターにライティングを任せるということがあります。あります、というか大抵の場合は外注ライターが請け負ってるんじゃないでしょうか。
で、そういう書籍の構成上の都合で、ここにちょっとしたストーリーとか寸劇とか、そういうのを挿入したいなということがまれによくあったります。そこで問題なのが、なにしろ権利モノ、版権モノであるからには、まずは版権元にそういうストーリーの書き下ろしが可能なのかどうかを打診することになります。
版権元も自社の広報やメディアミックス戦略の一環として副読本のプロジェクトにOKを出していますので、自社の負担にならない程度であれば内部スタッフなどの手による特別寄稿をやってくれます。ですが、作家さんがビッグネームすぎて無料じゃとてもという場合や、スタッフも大忙しでとてもそんな余裕はないということも多々あり。売れに売れている作品ほどその傾向は強く、じゃあどうするかという話に。
波風が立たないパターンとしては、この時点で編集者がライターと打ち合わせを行い、ショートストーリーや寸劇を必要としない構成に組み替えます。
しかし、オフィシャルで発表されていないショートストーリーや寸劇にニッチな需要があるのも事実。そういったものが多く収録されている副読本のほうが読者サービスに溢れ、購入したユーザーの満足度も高いのではないかという欲も捨てがたい。
そういった場合に、「こちらでサンプルのようなものを作成してみて、原作の作家さんなりスタッフさんなりにチェックしていただくことは可能でしょうか?」と提案することがあります。
この手の提案を可能にし、実際に版権元を納得させるための切り札が、ライターの模倣スキルです。というか、愛する作品があって二次創作をしてみたいという気持ちがあれば、誰でも身につけるであろう「原作っぽいナニカ」を作成する能力ですね。
私が現役だった10年前の時点ですでに、女子キャラたちは特徴的な語尾や常套句を駆使してキャラを立てていましたので、ショートストーリーはともかく寸劇はわりかし簡単です。嫌味にならない程度に常套句と語尾を駆使して、読者が読みたいであろう、原作者が守りたいであろう世界を構成するのがミッション。ここで重要なのは「ぼくがかんがえるさいきょうにかわいいヒロイン」的な要素をぶち込まないことです。
そうして出来上がったものを版権元にお渡ししてチェックをお願いするのですが、何しろ先方は売れに売れている真っ最中でてんやわんやなので、よほどひどいクオリティのものでなければ、「うーん、これならまあ、そのまま載せていただいても構いませんよ」ということになったりします。
余談ですが、原作作家の書き下ろし!というのを売りにして広告まで打ってるのに、土壇場で原作者さんがパンクして原稿が上がらず、急遽ライターが書き上げて版権元からOKをいただき、「公式」として発表されるケースもまれにあったりします。
まれに、ですよ?
Amazonレビューとかで「キャラ紹介のとこでヒロインたちが会話してるとこ、良かったです」というのを見て、ひそかにほっこりしてたライターがいるとかいないとかこれを書い(突然の死
まさかの3日連続アップとなりましたが、ここでちょっと、お時間をいただきたいと思います。
本格スマホRPGの○戦場から逃げたくなったら、またすぐなんか書くかもですけど。