本題といこうじゃないか。
久しぶりの更新です。
2作品目を書いていました。
2作品目も読んでいただけると、ありがたいです。
城内にて
1
俺は、俺に喧嘩売って、返り討ちにされたこの国の副隊長さんに道案内をしてもらってる。
フハハ、ザマァ。
俺の強さも知らずに、実力が知りたいから、勝負しろだとぉ? ……いや、理にかなってるな。
まぁ、いい。
早くカリーナ達と合流して副隊長をブッ飛ばした談をしたいなぁ~。
楽しみだなぁ~。
そこで、副隊長さんが話し掛けてきた。
「しかし、意外と強くて驚いたぞ。これなら、英雄の剣に選ばれてもおかしくない」
「あ、ども~、まぁ強いのは事実だしぃ、どっかの副隊長も倒したしぃ」
話を蒸し返しにいく俺。
「そ、それはもう終わった話だろう?」
なかったことにしようとしてますねぇ。
「じゃあ、俺の好きなこと教えてやるよ。俺はなぁ、自分に勝負挑んできた相手を返り討ちにしたあとに相手の顔が、敗北という2文字に染まる瞬間を見ることなんだよ~」
副隊長さんの顔が、俺の言う、『敗北』の2文字に染まってゆく。悔しいからか、顔が紅くなっている。
俺、現実世界でも大好きだったんだよなぁ~。
テストとかで、勝負挑んできた奴を返り討ちにした瞬間って。
今思えば、かなりゲスい顔してたと思う。
そして、この瞬間が訪れたときに、必ず言うセリフがある。
「あれれ~勝つんじゃなかったのぉ~?」
副隊長さんの体が、プルプル震え始めている。
存分に悔しがれ。
悔しさの味は、おいしいぞ? 俺は、だけどね。
「く……」
いい眺めだなぁ。
さっきからだけど、俺、キャラ変してない?
「着いたぞ」
あらら、いつのまにか着いていた。
そこは、思っていた通りの大広間。
屋根付きの庭園、どっちかって言うと、芝生広場的な感じ。
そこにいる人々は、見るからに強そうな奴らばっかりだ。
さてさて、カリーナはどこだ?
カリーナを探しに行く前に、思い出したことがあった。
「あんたさ、名前、聞いてないよな? 何て言うんだ?」
そう、さっきバトった、副隊長さんの名前を聞いていなかった。
「……メニア・サイランだ。覚えておけ」
メニアって名前なんだな。意外。
「知ってかもしんないけど、田中憐斗だ。よろしく」
「……」
無視かよ!
まぁいいや。
2
俺は、カリーナを探すため、庭園内を歩く。
そんなとき、
「レント~どこ行ってたのよ~(涙)」
カリーナが涙目で駆け寄ってきた。
俺を探していたようだ。
「ん~喧嘩吹っ掛けられたから、返り討ちにしてた~(笑)」
後ろのほうが雰囲気が重くなったように感じた。
そんなことに気づいてないのか、カリーナは、俺に抱きついてきた。
「ちょ、ちょい。照れるって……」
いや、マジで照れる。
大衆の中でやられるとかなりキツい。主に精神面。
「でも良かった。怪我とかなくて。レント、やっぱり強いね!」
「いや~照れるな~まぁ、強いのは事実だけどな」
ヤベェ、ニヤニヤがとまんねぇ。
マジ幸せ。
「そろそろ始まるようですよ」
シュバルテェェェ!
空気読んでくれェェェェ!
今、いいところ!
クッソォォォ!
俺は仕方なく、とぼとぼ歩き始めた。
3
設置されている講演台(?)に立つ人の姿。
「あの人、誰?」
隣にいるシュバルテに聞いた。
「レント様、貴方はいろいろ世間知らずですな……」
「ほっとけ……」
仕方ねぇだろ?
俺、この世界の住人じゃないんだから。
「あの方は、この国の現国王、アメキリダ・シェイダー様ですよ」
ああ、国王ね。
魔王倒した奴が次期国王! とか言った、ふざけた野郎か。
そのふざけた国王が声を発する。
「皆の衆。今日は集まってくれてありがとう。さて、前置きはなしで、本題へ移ろう」
良かったぁ~。前置きなくて。
俺、嫌いだったんだよなぁ~、やたら前置きが長い校長の話。
本題より前置きが長い、という事実。あの時間は辛かった。
だってさ~まず、今日の天気の話からスタート、最近のニュースの話。
誰も聞いてねぇよ! そんな話。
みんなが思っているとすれば、『何の話?』か、『早く終われ』の2つだよ!
さて、戻ろう。
国王の話は、前置きなしで始まった。
「既知のことだろうが、魔王を倒した者に、この王位を渡す。そして、その魔王退治の日が明後日だ、ということも」
おかしいよね?
いきなり、『明後日、魔王退治だから』って言ってんだぞ!?
「私からは、健闘を祈る、それだけだ」
コイツ、マジぶん殴りてぇ。
なめてんだろ。
なにが、『健闘を祈る』だ!
「その日は、王国騎士団も着いていく。まぁ、頑張ってくれ。以上だ」
……
それだけ?
ふざけてますね。
もういいや。
ツッコミどころ満載だけどほっとくわ。
こんな国王でよく国が回ったな……。
しみじみ感じる、俺だった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。




