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凡人以下の俺に異世界でチートスキルがあったら奇跡だと思います。  作者: 羽矢隼
第3章 俺は異世界で役目を果たす。
13/20

 本題といこうじゃないか。

 久しぶりの更新です。

 2作品目を書いていました。

 2作品目も読んでいただけると、ありがたいです。

 城内にて


  1

 俺は、俺に喧嘩売って、返り討ちにされたこの国の副隊長さんに道案内をしてもらってる。

 フハハ、ザマァ。

 俺の強さも知らずに、実力が知りたいから、勝負しろだとぉ? ……いや、理にかなってるな。

 まぁ、いい。

 早くカリーナ達と合流して副隊長をブッ飛ばした談をしたいなぁ~。

 楽しみだなぁ~。

 そこで、副隊長さんが話し掛けてきた。


「しかし、意外と強くて驚いたぞ。これなら、英雄の剣に選ばれてもおかしくない」

「あ、ども~、まぁ強いのは事実だしぃ、どっかの副隊長も倒したしぃ」


 話を蒸し返しにいく俺。


「そ、それはもう終わった話だろう?」


 なかったことにしようとしてますねぇ。


「じゃあ、俺の好きなこと教えてやるよ。俺はなぁ、自分に勝負挑んできた相手を返り討ちにしたあとに相手の顔が、敗北という2文字に染まる瞬間を見ることなんだよ~」


 副隊長さんの顔が、俺の言う、『敗北』の2文字に染まってゆく。悔しいからか、顔が紅くなっている。

 俺、現実世界でも大好きだったんだよなぁ~。

 テストとかで、勝負挑んできた奴を返り討ちにした瞬間って。

 今思えば、かなりゲスい顔してたと思う。

 そして、この瞬間が訪れたときに、必ず言うセリフがある。


「あれれ~勝つんじゃなかったのぉ~?」


 副隊長さんの体が、プルプル震え始めている。

 存分に悔しがれ。

 悔しさの味は、おいしいぞ? 俺は、だけどね。


「く……」


 いい眺めだなぁ。

 さっきからだけど、俺、キャラ変してない?


「着いたぞ」


 あらら、いつのまにか着いていた。

 そこは、思っていた通りの大広間。

 屋根付きの庭園、どっちかって言うと、芝生広場的な感じ。

 そこにいる人々は、見るからに強そうな奴らばっかりだ。

 さてさて、カリーナはどこだ?

 カリーナを探しに行く前に、思い出したことがあった。


「あんたさ、名前、聞いてないよな? 何て言うんだ?」


 そう、さっきバトった、副隊長さんの名前を聞いていなかった。


「……メニア・サイランだ。覚えておけ」


 メニアって名前なんだな。意外。


「知ってかもしんないけど、田中憐斗だ。よろしく」

「……」


 無視かよ!

 まぁいいや。


  2

 俺は、カリーナを探すため、庭園内を歩く。

 そんなとき、


「レント~どこ行ってたのよ~(涙)」


 カリーナが涙目で駆け寄ってきた。

 俺を探していたようだ。


「ん~喧嘩吹っ掛けられたから、返り討ちにしてた~(笑)」


 後ろのほうが雰囲気が重くなったように感じた。

 そんなことに気づいてないのか、カリーナは、俺に抱きついてきた。


「ちょ、ちょい。照れるって……」


 いや、マジで照れる。

 大衆の中でやられるとかなりキツい。主に精神面。


「でも良かった。怪我とかなくて。レント、やっぱり強いね!」

「いや~照れるな~まぁ、強いのは事実だけどな」


 ヤベェ、ニヤニヤがとまんねぇ。

 マジ幸せ。


「そろそろ始まるようですよ」


 シュバルテェェェ!

 空気読んでくれェェェェ!

 今、いいところ!

 クッソォォォ!

 俺は仕方なく、とぼとぼ歩き始めた。


  3

 設置されている講演台(?)に立つ人の姿。


「あの人、誰?」


 隣にいるシュバルテに聞いた。


「レント様、貴方はいろいろ世間知らずですな……」

「ほっとけ……」


 仕方ねぇだろ?

 俺、この世界の住人じゃないんだから。


「あの方は、この国の現国王、アメキリダ・シェイダー様ですよ」


 ああ、国王ね。

 魔王倒した奴が次期国王! とか言った、ふざけた野郎か。

 そのふざけた国王が声を発する。


「皆の衆。今日は集まってくれてありがとう。さて、前置きはなしで、本題へ移ろう」


 良かったぁ~。前置きなくて。

 俺、嫌いだったんだよなぁ~、やたら前置きが長い校長の話。

 本題より前置きが長い、という事実。あの時間は辛かった。

 だってさ~まず、今日の天気の話からスタート、最近のニュースの話。

 誰も聞いてねぇよ! そんな話。

 みんなが思っているとすれば、『何の話?』か、『早く終われ』の2つだよ!

 さて、戻ろう。

 国王の話は、前置きなしで始まった。


「既知のことだろうが、魔王を倒した者に、この王位を渡す。そして、その魔王退治の日が明後日だ、ということも」


 おかしいよね?

 いきなり、『明後日、魔王退治だから』って言ってんだぞ!?


「私からは、健闘を祈る、それだけだ」


 コイツ、マジぶん殴りてぇ。

 なめてんだろ。

 なにが、『健闘を祈る』だ!


「その日は、王国騎士団も着いていく。まぁ、頑張ってくれ。以上だ」


 ……

 それだけ?

 ふざけてますね。

 もういいや。

 ツッコミどころ満載だけどほっとくわ。

 こんな国王でよく国が回ったな……。

 しみじみ感じる、俺だった。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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