2話 遺物
エリナが取り上げたのは、うっすらと光る、銀色の球体であった。
それを見たソンヒョンが驚く。
「これは……レリックだよ!」
「嘘……、これが……?」
レリックと呼ばれるその球体は、ピンポン玉程度の大きさで、エリナの様子からそう重そうにも見えない。
「こんなのがレリック……?宝石かなんかなの……?」
「全然あたしには高価には見えないね。趣味悪いっていうか。」
毒づくチカ。
「これは宝石なんかじゃないよ、腰に当てて装備すると、特殊な技術が使用できるようになるらしいんだ。」
ソンヒョンの説明を聞きながら、エリナは腰に球体を近付ける。
「こんな感じ?」
「装備しちゃダメだ!なにが起こるかわからない!」
ザクッ!と音を立てる。レリックと呼ばれる球体から、突如、トゲが生え、エリナの腰を刺した。
「きゃっ!痛い!いったぁあ!」
駆け寄る一同。しかし、トゲは短く細く、命に別状はない様だ。
「大丈夫、チクっとしただけ。結構痛かったけど。」
「危ないからダメだと言ったのに。エリナ、何か変わったことはある?」
ソンヒョンが尋ねる。
「いえ、別に、あ!ちょっと待って、すごい情報が溢れてくる!何これ!頭が痛い!」
「大丈夫か!?」
唸りながら頭痛に頭を抱えるエリナ。しばらくすると、頭痛は収まったようで、言葉を続ける。
「いたたぁ……ちょっと待って、こっちの言葉だから理解できない。」
「どんな言葉をさなんだ、これに書き写してくれ!」
教育を受けていないアレスを含めた、メンバーの中で唯一、多少の識字能力のあるソンヒョンがメモ帳とペンを渡す。
これは、地球から召還された時に持っていたもので、ソンヒョンがいつも大事にしていたメモ帳とペンだ。
「わかった……、書き写してく。」
僅かに残る頭痛に耐えながらペンを取るエリナ。
それを眺める鞍馬をはじめとしたテツヤもマサトも、レリックを手に入れたことと目の前の新たな謎と驚きのため、既に緊張の糸を緩めていた。
グィホンが呟く。
「レリックも見つけたし、写し終わったら帰るか。」
何気なしに、転がっていたゴブリンの死体を蹴飛ばす。
ドカン、と大きな音を立てると、血飛沫が飛び散る。
一同が音の元に目を向けると、ゴブリンの死体と、グィホンの下半身が爆散していた。




