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異世界残酷冒険物語  作者: モンゼツナカチョー
34/42

2話 BF



会話を中断し、声の主である軽装のフィルアニア人冒険者の元へ二人が向かうと、そこには大きな階段があった。


アレス達は3人集まると、鞍馬とチカを一瞥して何を言わずに階段を降りていった。


あれほどの揉め事の直後だから、仕方ないといえば仕方ない。




鞍馬達が全員集まると、報告では地下一階は探索済みであるが、一応注意は怠るなとテツヤが軽く声をかけ、階段を降りていった。




地下は、コケやツタ、風化でほとんど原型を留めていない地上階と違い、無機質な壁と床、部屋には椅子やテーブル等が残されていることがわかる程度の風化であった。昨日の探索班が残したランプの灯りが、それらを淡く照らす。


風化による天井や床の崩落を心配した鞍馬が壁や床を軽く叩いて見ると、金属質の音が鳴り響いた。


古代遺跡は、金属製の建物であるようだ。




軽く探索するが、戦闘の後と思しき血痕は所々床にみられるものの、やはり調査済みのフロアであり、目ぼしい収穫はなかった。


「痛っ!」


ユミコの声が聞こえ、班員が集まる。


「ごめん、ガラスで手を切っただけ。」


なんだ、と安堵するが、鞍馬はこの世界に来てからというもの、ガラスを見たのは教会のステンドグラスだけである。


「おい、こいつを見ろ。」


テツヤに釣られて顔を上げると、そこには大きなガラスの割れた窓があった。


もちろん外は土しかないが。




ここはかつて、窓のある地上階だったのか?しかもこれほど精度の高いガラスのある金属製の建物。鞍馬の疑問は膨らむ。


「テツヤ、この遺跡について、何か聞かされてないのか?」


「いや、未踏であることと、治安維持のために害獣駆除が必要ってことだけだ。とにかく、先に進むしかないな。」


地下二階へと続く階段は、その後簡単に見つかった。


降りた先の地下二階は、はじめのうちはランプがまばらには点在したものの、進むにつれ、やがて暗闇に支配されるようになった。


「ここからが本番だな。」


テツヤが呟くと、鞍馬とユミコは持っていたランプに灯をともし、予め決めておいた、先頭にグィホン、そのすぐ後ろにテツヤとチカとエリナ、鞍馬、ユミコ、ソンヒョン、殿にマサトの陣形を形成した。




緊迫した空気の中、しばらく進むと、先頭を歩くグィホンが声をあげた。


「こいつを見てくれ。」


そこには、落とし穴にはまり、底の土に突き立てられた竹槍で串刺しになったフィルアニア人女性、状態を見るに、恐らくは昨日調査に出掛けた冒険者の死体があった。


「これは、落とし穴罠か……?」


緊張が走る一同の中、テツヤはニヤリと笑った。


「落とし穴があるってことは、ここが最下層か……?」


ソンヒョンの独り言にテツヤが答える。


「ああ、もうこれ以上下はない。今日中に調査は終わるぜ。先に進もう。」


テツヤは、エゴイストなリーダーである反面、冷静且つ優れたモチベーターという一面があることをこの冒険で鞍馬は知った。初めて見た人間の死体であったが、程よい暗さがリアリティーを打ち消し、むしろテツヤはなんと心強いんだと、彼は感動を覚えた。



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