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異世界残酷冒険物語  作者: モンゼツナカチョー
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2話 作戦



次の日、夜明け前に起きると、朝飯に昨晩寝る前に作りおいていたスープを再加熱して食す。


スープは、腸詰め肉とドライフルーツの様に水分を抜いた野菜に塩で味付けした簡素なものである。


ただでさえ味気ない食事であるが、日程が進むごとに、保存状態の関係で腸詰め肉は薫製肉となり、味付けは薄くなっていくだろう。


それを察しているメンバーは誰もが無表情で食べる。寝起きと言うこともあるだろう、会話はない。




テントを撤収し、暫く休むと、日の出と共にカーラの村を出発した。


その日の夕刻頃、任務開始の集合場所、リージョンとその外側の境目に当たる所へとたどり着く。


そこは森の中ながら多少開けた場所であり、現在も伐採が続けられていた。


ソンヒョンに聞いた話によると、この任務の目的は、遺跡の調査だけでなく、集合場所と目標地点の移籍近辺に開拓者の村を建てるために周辺の害獣の駆除や調査が終わり用のなくなった遺跡を封鎖し、周囲の治安を向上させることも兼ねているという。



強力な害獣が多く未開発であるリージョンの内側を開発すれば、帝国の領地を拡げ、交易の拠点や特産物の獲得にも繋がる。


その集合場所には既に多くのテントが張られていた。


カーラのテント場で見かけた物も幾つかあり、全てはこの任務を請け負った冒険者ギルドの面々の物であることがわかる。




鞍馬達も空いたスペースにテントを設営し、食事や装備の手入れ等で時間を潰していると、日暮前にテツヤがソンヒョンを従えて、全体ミーティングのために作戦本部であるギルドのテントに向かった。


ギルドのテントは全部で4つ、ギルドが派遣した作戦指揮官のもの、ミーティングを行うテーブルの置かれた大きなもの、それに怪我人や病人を収用収用するもの、そして必需品や装備品を割高で販売するギルドの商人のいるもの。


どれも2メートルを超える大きなテントで、テーブルや簡易なベッドなど家具類も持ち込まれていた。


集合場所の木を伐採していた冒険者は、遺跡調査ではなくこういった荷運びやテントの設営等を担当する人足なのであろう。


彼らの人数は凡そ30人、衛兵を含めたギルド側の人間が15人程、そして遺跡調査にかかる冒険者が100人程、かなり大掛かりな調査になる。




しばらくするとミーティングは終わり、作戦本部からぞろぞろと冒険者が出てくる。


鞍馬達も戻ったテツヤとソンヒョンの元に集まり、改めて作戦の詳細を聞く。


それは至極単純で、リージョンと帝国の支配圏の境目にある、ここ作戦開始地点から、パーティごとに別れてそれぞれ道中に遭遇する害獣や敵を駆逐しつつ目的地であるスラム遺跡の前に向かい、無事に到着したパーティーはそこにキャンプを張り当番に別れて遺跡調査と周囲の敵の駆除をするということだ。


周囲の安全を確保し遺跡の調査と封鎖が完了すれば依頼は成功となる。


又、依頼主たるギルドから拘束日数に応じた手当ても出る上に、遺跡や周囲のパトロールで手に入れた物は全て手に入れたパーティーの物になるため、もちろん証拠を持ってくれば倒した害獣や敵の数に応じての報酬も出される。と、非常に実入りのいい仕事である。


そして、出くわす外敵も比較的与し易いゴブリンや地球で言うイノシシ、タヌキ、サル等に似た家畜や作物を襲う恐れのある獣や、せいぜい狼の様なそれが多く、マニスタン帝国の国境付近であるためオークの様な他国の冒険者と遭遇する危険性も少なく、危険度もあまり高くないと言えるだろう。


その上傷病を患った際にはギルドの医療班も同行している。




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