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染死  作者: 猫大長老


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1/3

あの家

初ホラー.......


 何も見えない。何も聞こえない。何も喋れない。何も感じない。手足も動かない。

しかし、私は生きている。




 テレビをつけると、どのチャンネルも同じニュースをやっている。世界的に有名な博士が来日してるんだとか。まあ、私は現実には興味は無いが。


 ⋯⋯ふむふむ。ふむふむ。えっ!? 近所まで来てるの? しかも「あの家」にいるのか!


 現実に興味が無い私だが、一つだけ現実で興味を持ったものがある。

 近所の「あの家」だ。そういう名前の建物じゃないよ、みんながそう呼んでるから私もそう呼んでるの。


 なぜ「あの家」に興味を持ったかというと、50年ほど前、「あの家」の主人が無理心中を図ったのだが、そのやり方がすごかったのだ。私だけが知っている秘密だ。心中の前の日に主人が私の家に殺し方の報告に来たのだ。当時はただただ怖かったが、今ではなぜそんなやり方をしたのか、なぜ私に報告に来たのかなど気になることばかりである。


 あなたにも気になることの一つや二つあるでしょう。私の歳、気になってますか? 126歳ですよ! 当時は76歳ですね! 老人バンザーイ!


 で、そのすごい家にすごい博士が来てるんです! 真実がわかる時が来たのかも!?


 私は早速「あの家」に向かった。徒歩10秒。そう、隣である。もう「あの家」じゃなくて「この家」って呼びたいくらいだ。

 それにしても、私も私だな。外にこんなに人がいるのに気付かなかったなんて。


 あの人がジェロウ博士か⋯⋯。どうみても日本人のおじいさんだな。歳をとるにつれて日本人っぽくなってくる外国人ってけっこういるもんね。

 国籍調べてみるか、スマホ先生の出番だ!


 あ、私スマホ持ってないや⋯⋯。


 むむ、何か言ってるみたいだ。


「血液を入れる袋を3つ持ってこい」


 日本語も上手なんだな。なんか怖い事言ってるけど。


 ところで、この人は何の博士なんだ?

テレビや新聞などほとんど見ずに寝てばかりいるから世間についていけないな⋯⋯。

 この際、何の博士でもいいか。真実が分かるならそれでいい。


 あ、袋が出てきた。⋯⋯でか! でっかいな! ドラマとかでよく見る、輸血の血液の入った袋じゃないんだ⋯⋯10倍はあるな。


「君たち、ちょっと手伝って」


 博士は助手を2人連れて中へ入っていった。


 というか、この博士は何をしに来たんだ?

そもそもなぜここのことを知っているんだ? あまりにも惨い事件だったから報道はされなかったはずだが⋯⋯事件のことを知っているのは私と警察たちだけじゃないのか?


 ああ、この事件がもっと面白くなりそうだ。


 ああ、今日はなんて素晴らしい日なんだ。


 ああ、立ってるの疲れた。

イス持ってこようかな。キャンプとかでよく使う、折りたためるヤツね。物置だったかな。

私はイスを取りにその場を離れた。


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