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こんなに歩くのは嫌だ!!

こんにちは、初めまして。狂犬と申します。

皆様の良き娯楽となれるよう頑張ります。

しかしここはどこだろうか。何回も同じ道を通った気もする。

もしかして道に迷ったのかな。


「おーい、魔女さーん、ここに居ませんかー。道に迷ってしまいました。」


居たらさっさと返事しろよ。俺は道に迷っているんだぞ。

もしこれで魔女さんが居なかったら王様に、文句の一つでも言ってやらないと気が済まない。

しかもこの森は変だ。いつもとげとげした視線が突き刺さる。


「魔女さーん見ているなら、悪趣味なことは止めて出て来てくださいよ。」


すると頭からとげとげした木の実が落ちてきた。

痛いな。仕方がない今までは魔女様が怒るのが怖くてやらなかった方法を試してみるか。


「ほうほう、ここの森の魔女様はずいぶん怖がりのようですね。木の上からこそこそと木の実を投げるこしかできないとは。魔女も大したことがないようで。」

「うるさい、人間ごときが私の顔を見ようとする時点で間違えているのだ。」

「お顔に自信がないのですか」

「うるさい。」


よし、やっと話してくれる。


「おまえは一人なのか。」

「ええ、一人ですよ。」


僕があんなうるさくて暑苦しい奴らと一緒にこんな山奥に来る様な奴に見えるのか。


「何の用で来たんだ。」

「僕は魔女様に王国を助けていただけるように、説得をしに来ました。」

「王国に何があったのか。」

「王国には魔獣という黒い影のような獣が徐々に王国を荒らしています。」


なんとも情けない話だ。今まで忌み嫌ってきた相手に対して、いまさら助けてなどどほざくとは。

しかも自分から行かないなどあり得ない。


「それで、私に何か利益はあるのか。」

「今までの罪を取り消してくださるそうです。」


自分で言ってても王に対して、ムカついてくるな。

よし、やっぱり機会があったら暗殺しよう。俺の鬱憤を晴らすために。


「今までの罪だって全部冤罪だろう。」

「確かにふざけているよな。こんなことを本気で考えている時点で。」


あ、ヤベ、魔女様の当たり前すぎる正論が新鮮すぎて、感動してついつい同意しちゃった。

王国に居たら王は絶対だからなこんな発言した時点で俺の首は刎ねられているんだろうな。あー、怖い怖い。


「お前も王に対して怒っているのか。」

「当たり前だ。」

「お前、もしかして良い奴なのか。」

「さぁな。」


僕自身が良い奴か悪い奴かなんてわからないさ。そうだろ。


「ついでに僕の名前は、犬飼(いぬかい) (こく)だ。」

「私の名前は、リリス。黒は王国に帰るの。」

「ここには家がないからな。」

「なら、私の家に来ると良いのだ。おいしいご飯を作るしあと、敬語は使わなくてていいのだ。」

「ありがとう。道案内を頼むよ。」


緊張を解いてくれたのか言葉の使い方も変わっている。


「黒はなんか不思議な感じがする。」

「魔女様に不思議扱いされるのは不思議な気分だな。」

「わ・た・し・の名前はリリス。」

「悪かった。リリスは噂よりも優しそうだな。」


まぁ、多分俺が聞いた噂は全部外れているだろう。俺も本気にはしていない。噂なんてそんなものだ。


「人間は大嫌い。」

「僕も嫌いだ。」


本当にうるさく口を動かしている奴らは全員喉が潰れてしまえばいいのにと思う。

そしたら世の中はだいぶ静かになって住みやすくなるだろう。


「人間のくせに人間が嫌いなのか。」

「うるさいからな。」

「きっと人間の町は賑やかなのだろうな。」

「今は緊急事態で静かになっているがな。」


だがこの問題が片付いたらまたうるさくなるのだろうと考えると、嫌な気分になってくる。

戻りたくないな。一生こんな静かなところで暮らせたらいいのに。


「黒は人間の町でどんなことをしていたのだ。」

「聞いてなんになる。」


こんなとこまで来たのに人間のことを言うなんて嫌だ。


「言っただろう。僕は人間嫌いなんだ。」

「ごめんなさい。もう聞かないのだ。」


しかし魔女と言う者は一体どこが人間と違うのだろうか。正直僕には人間の中に魔女が混ざっていたとしても全く気が付かないだろう。それぐらいに、人間と魔女は似ているのだ。


「もしかして魔女のふりをした人間なのか。」

「私が人間な訳がないだろう。」

「でも、改めて考えてみると魔女って感じが全くしないんだよな。」


黒い服に幼さを残しながらも美しく整ったきれいな顔。


「だってリリスはまだ子供だろ。」

「私が何年間生きていると思っているのだ。私は断じて子供なんかではないのだ。」


しかし一度子供に見えてしまうと、子供が大人ぶっているようにしか見えない。

それに背を高く見せようとしているのか、背伸びをしているので余計に子供っぽく見えてくる。


「どこからどう見ても子供だな。」

「失礼なことを言うな。私はこう見えても300歳の立派な大人だ。」

「・・・・・・・・。」

「どうだ、私は立派な大人だろう。」


立派にもほどがありませんか。


「リリスおばぁちゃん。」

「・・・・・・・・・・今なんか言ったか。」

「え、だからリリスおばぁちゃんって。」

「私がおばぁちゃんみたいに見えるって言いたいのかい。そうかそうか、いい度胸をしているな。」


え、えぇぇ、僕は正直なことを言っただけなのになんでリリスは怒っているんだ。

人間の感覚的には300歳なんて、よぼよぼのおばあちゃんだぞ。普通は死んでる歳だぞ


「なんか誤解をしていないか。」

「残念ながら私には、しわもないし足だってまだ丈夫だよ。」

「どうやったらそんなに若作りができるんだ。」


どんっと大きな衝撃が唐突にリリスの方からして僕は倒れた。


「女の子に対して言っていけないことがあるのだ。」


意識を失う直前にそんな言葉を言われた気がするが、多分空耳だろう。俺は何にも悪いことを言ったつもりはない。正直な感想を言ったまでだ。いや、もしかして言ったのか。

そんなことを考えているうちに意識が遠くなってしまった




ここまで読んで下さりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

*リリスの話し方を変えました。

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