2.「ゆとりと同じ状況なの。」
「そう!そこなのよ!」
叫ぶように言い切ったかと思えば
「全て欠点もあれば利点もあるの、けれど……けれど……!」
冷静に語り始めまた叫び始めた。
「皆テンプレばかり!プロもオンノベもテンプレテンプレ!似たり寄ったり!」
あっ、目が血走ってる。
ただでさえドライアイ気味なのに大丈夫かな?まぁほっとこう。
「全部が全部そうとは言わないわ!でも、それ以上に『設定がテンプレ、ストーリもテンプレ』よ!!
極め付けにはキャラすらテンプレ!不作どころの話じゃないわ、これは現代日本の問題となっているゆとりと同じ状況なの。」
最近手入れ怠ってるから枝毛多いな、今日から手入れ真面目にするか。
「ちょっと、私の話ちゃんと聞いているの?」
話半分で適当に相槌を打っていたのを気付かれ、彼女は私にずいっと近づいた。
「もちろん聞いてたさ。」
まぁ、話半分にだけど。
「そう、それならいいわ。」
彼女はずいっと近づけていた顔を元に戻した。
正直、血走った眼のまま近づかれて怖かった、本当に怖かった。
「テンプレは楽よ?一から考える手間が省けるし書きやすいわ。だけど、全てテンプレというのはどうかと思うわ。『テンプレ+自分で考える』ということが出来なければそれは引用と言わないの。良く言えばただの量産よ、悪く言うなら盗作だわ。」
「それはまた随分と飛躍的な考えだね。全てテンプレだからと言って盗作は言い過ぎだ。
それなら世間は盗作だらけになってしまうじゃないか。」
そんな考えは馬鹿馬鹿しすぎる。
いや、馬鹿の考えることだ。
「そうよ、テンプレなんて結局の所ただの盗作じゃない。言い方を変えた王道もそうよ。
馬鹿馬鹿しいと思っているでしょう?けれど私はそうは思わないわ。
考えても見てごらんなさい、自分が頭を捻り頑張って作った、生み出した、考えた。
それを他者が少しの改編と設定をし自分の作品と言うのよ?これを盗作と言わずしてなんと言うのかしら?」