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鎧、盗賊に疑われる

シャキンと盗賊たちが短剣を抜き放った音がした。

(盗賊のくせに、やけに慎重だな。簡単には脱出させてくれなさそうだ。)

ここは、じっとして、俺はとぼけることに決めた。

部屋に入ってきた盗賊二人がトーチで照らしながら、端から確認している。

「おい、この鎧の箱、蓋は開いていたか?」

(どきぃ!しまった。)

俺は、魔術書を読むために木箱の蓋だけを開けていたんだった。

俺が動くと、鎧の重なり合う部分がどうしてもガチャガチャと音が出るしな、箱に収まった状態で魔術書を読んでいたんだが、、、。

ちなみにその魔術書は、俺の胸の所に乗っかっている。

盗賊たちは、訝しげな表情で俺を確認している。

「それによ、この鎧の上に魔術書を置いたのは誰なんだよ。」

「やっぱり誰か居るのか!」

盗賊たちが周りを警戒している。

(そんなに周りを警戒しなくても犯人は眼の前なんだが?)

「気配はないか、、、」

「なぁちょっと思ったんだが、この鎧の中に人が入ってなんかいないよな?」

(はいはい、入ってなんかいませんよ。いや、入っているといえば入っているか。)

「よし、ちょっと確かめるか?」

盗賊は、腰にぶら下げていたロープを手際よく、木箱ごと俺に巻き付けた。

「これで、もし中に人が入っていても、簡単に動けないだろう。兜を取れば、入ってるかどうかわかるな。」

やっぱりこいつら慎重だな。

しかし、俺がじっとしている限り異常はない。

盗賊たちは、兜を外し、俺の中を確認した。

「ふう、ただの鎧だな。」

「だな。」

「仕方ない。一人、こん中で見張れ。もう一人は扉の外だ。しばらく様子を見よう。」

盗賊たちは、俺にロープを巻き付けたまま、倉庫から出ていった。

見張りの一人を除いて。

残らされた一人は、さっきの見張りだな。

「見間違いかなぁ、、、まさか亡霊?」

などとカタカタ言いながら、室内をキョロキョロしている。

(はぁしばらくは大人しくしておくか。急ぐ必要もないしな。)

、、、、、、、、、、、、、、

「だんな、だ〜んな!」

「ん?」気づくと、また真っ白な何も無い空間に俺は居る。

いや、眼の前に鏡花水月と名乗った女がいる。

「だんな、気がついたかな。」

「お前、なんか人が変わった?口調が砕けすぎだろ!んで、だんなって何だよ!」

「そりゃまぁ兜がついて、私も周りを観察できるようになって、言葉なんかも今風に話せるように勉強したからじゃないのよさ。」

「やっぱり、まだ変な言葉遣いだけどな。いや、それにしたって、この短時間で?しかも参考になるような人物っていっても盗賊たちだけだったぞ。」

「ご心配なく。私はね、一を知ることで十理解できるんだよ?」

「なんで最後疑問なんだよ。」

(なんか有能なのか、天然なのかよくわからんやつだ。)

「あとは、だんなの魔術レベルが上がったからじゃない?」

「ん?お前はそんなことがわかるのか?っていうか、魔術レベル?ってなんなんだ?」

「お前お前って、、、私は、伝説の鏡花水月だよ。そう呼んでもらいたいねぇ。」

「名前、なげーよ。ん〜そうだな、キョウカでいいか?あと、なんで俺のことをだんなって呼ぶんだよ。」

「うん、キョウカでいいよ。しっくりきた。あと、なぜだんなって呼ぶか?だけど、えとね、トリセツに書いてあって、、、」

(またトリセツかよ、、、)

「創造主権限はキキョウ様だけど、新たにマスター権限って設定できるのね。そのマスターを設定してマスターの実力、魔力が上がると色々お得なんだよ。」

「何だそりゃ。お得って何がだよ?」

「このキョウカが知ってる魔術が使えるようになるんだよ。」

「ほぉ魔術か。」

「そう、そして、今のだんなだと、次空属性魔術の”次元収納”って使えるよ。良かったね。」

「おーそれは、聞いたことはあるが、実際この目で見たことはないな。かなり便利そうだな。俺には、目はないが。」

「そうね、これがあれば旅に出る時に手ぶらで良いもんね。ちなみに入れれるものには条件があるのと、容量にも制限があるよ。収納が出来ないのは生きているもの。植物も生きているものはだめね。容量は、、、今は大体この部屋くらいの物品なら入るかな。」

「す、すごいな。じゃぁここにある金品、物資は、収納しちゃっていいよな。」

「だんなのお好きなように。」

「、、、、、」

「だんな?どした?」

「いや、まだ、だんなって呼ばれる理由がわからんのだが、さっきマスター権限がどうのこうのって言ってたが、つまりキョウカが俺をマスター設定したってことでいいのか?」

「そうそう合っているヨ。」

「なら、なぜマスターって呼ばないのかと?」

「あ、、、うん、そうだね。ダンナって呼ぶのは、私の趣味ってことで。」

「いや、理解に苦しむわ!」

「いいじゃん、細かいことはさ。だんなもまだまだだね。一緒に成長してこ?」

(、、、一緒にって言われて悪い気はしないけどもさ。それはそうと口調が段々幼くなっていないか?)

まぁなんにせよ、俺は、孤独から開放された気がした。

「で、俺のメリットはわかった。確かにお得だ。だがキョウカのメリットはなんだ?なにか目的があるのか?」

「ん?目的?ん〜あるようなないような、、、」

「いやいや、曖昧だなぁ。」

「今のレベルでは良くわからないヨ。レベルがあがれば、閲覧できるトリセツも増えるから、そこに何かあるかもね。」

「またトリセツかよ。もやもやするなぁ〜。」

「はい、じゃぁスッキリしたところで、、、」

「いや、してねぇよ、、、」

「ほらほら盗賊たちに動きがあるよ。」

「む?そうなのか?」

「じゃぁねぇ〜、、、」

とキョウカが言った途端、俺の視界は、うす暗い倉庫内に戻った。

(この視覚の切り替えは、なんとかならんのか、、、明るい白い空間から急に暗い部屋だ。逆だと心臓に悪いだろ。心臓ないけど。)

「レベル上がったらその辺も改善されるよ〜よぉ〜」

(うぉ!びっくりした。急にキョウカの声がオレん中にひびいたぞ。もう聞こえないが、、、よくわからん鎧だな。でもまぁ、、、)

手短な目標ができたことで俺は、俄然やる気が湧いてくるのがわかった。

(でもレベルって何だ?おっとそれはそうと盗賊どもね。何かまた大人数でこちらに向かってくるようで、ワイワイガヤガヤうるさいぞ。)

「あ、お頭!お帰りなさいやせ。」

「おぅこっちはかわりはないか?」

「いや、それが少しだけ話がありやすが、それよりも又、新たな戦利品ですかい?」

「おぉそうだ。この辺は魔物が少ないからか護衛をつけない隊商が多くてな。少し脅したら積荷を置いて逃げていきやがったぜ。」

「それは、景気のいい話ですな。」

「おぅ。おい、お前ら今日の戦利品を倉庫に運んでおけよ!」

盗賊たちは、また、かなりの量の物資を奪って帰ってきていた。

金品は少なめのようだが、、、薬品?

陶器製の筒にコルクで閉じ、抜けないように金具止めまでしている。

そんなものが箱1ケースに10本、10ケース、、、計100本。

飲み物とは考えにくい。

何かの薬品だと考えるのが普通だな。

どこにもなにも表示されていないから余計に謎だ。

まぁこれは置いといて、あとは、細長い木箱と食料関係かな?

「ほら、早く歩け!ここに入っとけ!」

(ん?なんだ?)

「しくしく」

(盗賊のやつら、人をさらって来たのか?)

「大人しくしてれば命はとらねぇ。自由はないがな。ほら、お前も入れ。」

(どうやら、この倉庫の向かいに牢があるようだ。そこに閉じ込めたようだな。)

「おい、お頭が呼んでいるぞ。」

「おぅ、見張りは一人でいいか。お前、残っとけ。」

「へい。」

リーダーらしき盗賊に指名されたやつが見張りとして残り、他の盗賊は、外の方へ去っていった。

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