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鎧、パーティーを組む

『それじゃぁ、仕事の内容を詳しく説明しよう。』

ハイドは、冒険者ギルドでの仕事内容を説明してくれた。


今、俺達がいる人間の国、ムハインド王国の南部地方には、エルトラン湖という大きな湖があるそうだ。

その湖の東端にハイファーという街があり、この街より西に広がるエルトラン湖の周囲は湿地帯になっているそうだ。

その湿地帯を好む魔物、キツネに似ていることから妖狐と呼ばれているが、れっきとした魔物、水属性魔獣なのだそうだ。


『実は、この魔物の素材が高値で売れる。王都では、南の妖狐というブランドにもなっているくらいだ。その毛皮は、マフラーやコートの裏地だけでなく、防具素材の一部としても優秀で、魔術師用のマント、鎧の下に身につける下地にもいいんだと。なにより着心地が涼しいんだ。』

『ほう?なるほど、水属性の魔物素材だから?』

『だろうな。で、最近、妖狐の数が増えてきていて、討伐依頼が王都のギルドにも来ていたくらいだ。な、金策にはもってこいな仕事だろう?』

『あぁ、その素材、扱ってみたいな。おっと、思わず話に飛びついてしまったが、エルトはどう思う?』

『いえ、師匠が問題ないのであれば、私が反対する理由がありません。』

『そ、そうか、、、』


『よし、じゃ、決まりだな。』

『おっと、少し待ってくれ。冒険者パーティーを組むのは、ハイラックまでの限定でも構わないか?あと、その妖狐の生態を詳しく教えてほしい。』

『期間限定か、、、まぁ問題ないだろう。で、妖狐の生態を説明する前に、パーティーのリーダーを決めよう。』

『え?ハイドさんがリーダーじゃないんですか?』

エルトがもっともな質問をする。


『戦闘時のパーティーの指揮は、後衛が担当することが多いんだ。魔術師か回復役だな。理由は、わかるかな?』

『戦地全体を把握しやすいからかな?』

『そうだ、パーティーの通常時のリーダーは、俺で構わないが前衛がリーダーだと色々不都合があってな。あー、あと、呼び方なんだが、敬称は指揮の邪魔になる。通称での呼び捨てが一般的だな。』

『それもそうだな。俺はビルハインドだが、長いからビルでいい。』

『俺達は、そのまま、ハイド、ハイリンで問題ないっと。』

『私もエルト、そのままでいいですね。』


『んで、パーティーの各々の役割なんだが、、、その前にあんた達が何を扱えるのか、だが?』

俺達は、それぞれの武具を出した。

俺は、大小の木の盾とナイフ。エルトは弓とビハインドと名付けた杖だ。


『あんた、木の盾と、武器はナイフだけって、、、あぁ魔術が使えるって言ってたっけ。』

『そうだな。このナイフは、護身用兼工作用とでも考えてくれ。』

『おぅ。えっと、エルトちゃんは、ショートボウと杖。少し貧相な気がするが、大丈夫か?』

『はっは、エルトの弓の命中率はすごいぞ。そして、その杖は金属並の硬さで、剣で振り下ろされても切れないし、折れもしない。』

『マジかよ。』

『ただ、エルトに筋力はないから防ぎ切ることはできないし、本来は防御用というわけではないからな。』

『それもそうか。魔術用?エルトちゃんも魔術が使える?』


『ハイドさん、ちゃん付けはいらないです。私の魔術は、まだまだ初級段階です。なので、戦闘には使えないと思いますよ。弓なら自信がありますけど。』

『ふむ、この際だから、俺の使える魔術を言うが、俺は、火球、土塊の攻撃魔術が使える。あと、敵の地面を泥化する支援魔術と防御用として火壁が使える。最近は魔術付与も覚えたが、まだ試験段階だから実戦には使いたくない。』

『えと、結構すごいと思いますよ。そんなにいろんな属性の魔術を使えるなんて、、、』

『そうだな。ハイリンの言うとおり、普通の鍛冶師なんていう話じゃないよなぁ。』

『まぁこれぐらいないと、自分もエルトも守れないと思ったからな。ついでだが、生体感知、水流検知、空間検知、浮遊と、、、あぁあと噴霧も出せるな。』


『、、、あんた、ほんとに鍛冶師?』

ハイドが呆れたふうに言い放つ。

『あと、多分だけど、次元収納を持ってますよね?』

『ん?気がついたかな。そう、次元収納持ってる。まぁ、つい先日までそんな魔術は使えなかったんだがな。あと大事なことなんだが、戦闘経験はほとんどない。』

『戦闘経験ないって、、、それだけできりゃぁ戦闘経験なくても、いけるぜ。っと、それで、どうやって盗賊団を殲滅したんだよ。そこ、気になるわ。』

『え?あぁ、えーと、まず奴らがアジトにしていた洞窟内に留守番の盗賊どもを倒して、アジトを制圧してだな、、、』

俺は、盗賊団に罠としての魔術を説明した。


『あんた、策士だな。索敵能力も十分だし、状況判断も的確だと感じたぞ。戦闘時のリーダーは、ビルに任せた。なぁに経験が浅いうちは、ハイリンがサポートすればいい。頼む。』

『いいのか?俺なんかで。なら、やってみるが。』

『細かいルールは後にして、まずは、ハイファーでギルド登録が必要だな。』

(む?ギルド登録とな?、、、できるのかな?こんなナリで?)

『登録が済んだら、一度訓練をしてから妖狐退治に向かおう。』


『それにしても、これすごいですヨネ。固定式のどでかい実験装置なら、文献で読んだことがありますけど、それにしたって、成功したという話ではなかったですから。』

ハイリンが天樹の、、、もとい神樹の枝葉を見ながら、感嘆の声をあげる。いや念話か。

『へぇ、つまりちゃんと念話ができて、しかも持ち運びできるアイテムってことか。

単純に携帯念話って呼称していいか?』

(ぷっ!)

(ん?キョウカ?)

(ごめん、なんでもない。)

キョウカが何に反応したのかわからないが、名前かぁ、失念していたな。

確かに神樹の枝葉とか天樹の枝葉とかだと、素材の出どころがバレる可能性があるな。

エルフたちに迷惑をかけてしまうことになりかねんな。

携帯念話という名であれば、用途からの名前だから、わかりやすいしな。


『よし、その名を採用しよう。で、妖狐の生態を、、、』

『そうだった。えーと、まず、見た目に騙されないこと。かわいいモフモフ魔獣を想像していたら、それは間違いだ。れっきとした魔物だ。そして、水属性魔獣だから、水属性の魔術には耐性がある。火の属性で攻撃すると素材としては駄目になる。ベストは、急所を一突きか、剣で刺突する。弓でもいいが難易度が高い。穴だらけの毛皮は値が落ちるからな。』

『そうか、ただ倒すだけじゃなく、商品として考えないといけないのか。』

『そう、だから、弓使いのエルトちゃんがどの程度の命中精度なのかは、確認する必要があるな。』


エルトの腕前は、俺も一度しか見ていないからな、確かに確認しておかなければならないだろうな。


『そして、それぞれの役割なんだが、敵の数が少ない場合は、俺とビルが前衛を務めて、エルトちゃんとハイリンは、サポート役だな。今回のように大量にいる魔物相手だと、、、』

『ちょっと待った。大量?そんなに多いのか?』

『ああ。奴らの餌となるネズミか川魚が多かったのか何なのかはわからないが、かなり増殖したらしい。』

『えと、100や200ではない?』

『そうだなぁ、数千以上じゃないか?だから、熟練パーティーが複数同時に討伐に向かわないと、数十匹ではそれほど脅威でもない魔物といえど、死人が出る。そして、最大の特徴は、毒の牙を持っていることだな。』


『なんと、毒持ちかぁ。』

『まぁ俺らにはヒーラー、、、薬師のハイリンがいるから、多少毒を喰らっても死にはしないから、遠慮なく前衛で戦えるけどな。しかし、ハイリンは絶対死守だ。今回の場合、エルトちゃんが守ってくれるなら、俺はかなり楽になる。』


『ふむ、俺がハイドのサポートをしつつ、後衛を守護するか?最悪の場合は、炎壁で妖狐を寄せ付けなくできる。まぁその場合、こちらからも攻撃はできないが。』

『うん、今のところ、それでいいだろう。まぁ一度、エルトちゃんの弓の精度とビルの魔術を見せてくれ。』

『ハイファーに着いたら見せよう。あと、噴霧は活用できないか?』

『うーん、撤退時に利用できそうだけどな。奴ら、鼻も効くし、効果は薄いかも。』

『そうか、、、まぁ使うタイミングがあれば指示をくれ。』

『いや、それを考えるのがリーダーなんだがな。』

『あぁ、そうか、、、』

『ハイリン、そういった判断のサポートを頼む。』

『うん、わかった。』

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