第二十七章7 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)1】7/推す者/【夢中推者(むちゅうすいしゃ)】達2
ここで、【夢中推者】の実態を少し紹介しよう。
名前を伏せる意味で仮に【A太】、【B子】としよう。
【B子】が【夢中推者】となってしまい、【A太】が必死に止めさせようとしていると言う状況になる。
【B子】は、
「何で私の貯金を隠したのよ?
これじゃあの方に振り込めないじゃない」
と言った。
【A太】は、
「目を覚ませ【B子】。
このままじゃあいつに搾取されるだけだ。
お前は騙されているだけだ。
この金は俺達が必死で貯めた金だ。
これは俺達の結婚資金にしようと思って貯めた金じゃないか」
と言う。
「だから何?
あんたとの結婚なんか、もう、どうでも良いわ。
私はね・・・
あの方に全てを捧げると誓ったの。
あの方の為なら命を投げ出しても後悔はないわ。
私の全てはあの方に尽くすためにある。
あの方の為なら何でもやるわ。
例えば、あんたを殺せと命じられたら、迷わずやるわ。
あんたは私の大切な人だったけど、今はどうでも良い。
あの方に・・・
あの方に喜んで貰えれば、私はそれだけで幸せ。
あの方が望むなら何でもしてあげたいの。
あんたへの愛はもう冷めたわ。
別れましょう。
後、あんたの分のお金も私に頂戴よ。
あんた、私を愛しているんでしょ?
私に奉仕しなさいよ。
そしてそれを私はあの方のために使うの。
何て良いシステムなんでしょ。
あぁ・・・幸せだわ・・・」
「やめろぉ~。
もう・・・止めてくれぇ・・・
お願いだ。
やり直そう・・・
もう一度・・・」
「うるさいわねぇ・・・
・・・邪魔だからちょっと死んで頂戴」
と言って、【A子】は【B太】を刺し殺した。
その後、【A子】は当局に逮捕される事になるが、【B太】を殺したことよりも【A子】があの方と呼ぶ、【贄喰威】に尽くせない事を本気で後悔していたと言う。
こういった光景が至るところで起こっていた。
人間の世界に例えると、【悪徳宗教】にはまった者とその家族の悲劇に近いものがあるだろう。
【狂信】から抜け出させようとする家族や大切な人は地獄の苦しみを味わう事になる。
そこから発生する悲劇は後を絶たない。
【贄喰威】から直接暴力などを受けるよりも、より残酷な現実が今、行われているのだ。
暴力をふるうのは【贄喰威】ではない。
むしろ仲間や近しいと思った存在が大切な者に暴力をふるっていると言う現実があるのである。
そう言う意味では今までの恐怖政治よりもよりいっそう悪質になっていると言っても過言ではない。
不幸が不幸を呼ぶ。
そう言った悲劇が巻き起こっていた。




