第二十七章10 【アンサー・クリエイト/贄喰威(にくい)1】10/【夢中推者】の美談2
【C夫】は、騙されたつもりになって、その【D美】に似ていると思われる存在のイベントに顔を出した。
イベントはトーク会の様なものであり、参加者1名に対して1答という形でほぼ、NG無しの解答をしてくれると言うものだった。
それが本当の事かどうかは解らないが、【C夫】は、
「すみません。
しっかりしろ【C夫】。
私はしっかり見てるぞ。
頑張って私を安心させろ。
・・・そう言っていただけますか?」
とダメ元で言った時、その存在は、
【しっかりしろ【C夫】。
私はしっかり見ているぞ。
いつも一緒だ。
頑張って私を安心させろ。
やればできるだろ】
と頼んだ言葉に追加の言葉を添えて言った。
その時、【C夫】の頬から涙が伝った。
【C夫】は、
「ありがとう。
まるで【D美】が・・・
俺の大切な女性が・・・
生き返ったみたいでした。
本当にありがとう。
生きる気力をいただきました。
これから、ずっと応援させて下さい。
大好きです」
と言った。
その存在は、ただ、自分の虜にさせるために言った言葉だが、確かにこの言葉に【C夫】は救われた。
このままでは、【D美】を追って死を選ぶだけだった【C夫】に生きる意味を与えた瞬間だった。
その後、自分を犠牲にしてまで【C夫】はその存在に尽くす事になるのだが、少なくとも【C夫】のためにその【存在】が発した言葉では間違いなく【美談】と言うものが成立していたのである。
何かは悪。
何かは善。
と決めつける事は出来ない。
完全な善、
完全な悪、
と言うのは珍しいのである。
どんな美談にも悪い点はあるし、どんな悪い連中の中にもほんの僅かでも美談というものはある。
そう言う理由で、最悪とされている【夢中推者】の中にも【美談】があると言うことを紹介した次第である。




