表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/36

22話 報復の報い

ー 学園都市ヴェローナ ―


フロストヴァルド王子の『アッシュ』との決闘で瀕死の呪いを受けたリックは、いまだ、後遺症を抱えて生活をしていた。


学園都市のプリーストでは、

これ以上の治療はお手上げ状態で原因もよくわからないようだった。


「フロストヴァルド王国の最高神官、エリザ・ノースフォード様ならば、」


ということを言われ、一行は黙るしかなかった。


それは、アッシュの姉であった。


_______________________


その後も懲りずにロペス家は、

アッシュ・ノースフォードを何とか暗殺しようとたくらんでいた。

ある日は、自宅を襲い、あくる日は、学園内に刺客を放った。


でもダメなのである。

アッシュ王子に近づくや否や、『よからぬこと』が起き、

誰でも再起不能級の状態異常を受けるのだった。

この効果は日増しに強くなり、

そもそも近づくことが困難になりつつあった。


これまで刺客や家のもので、

37人がこの影響を受けるに至った。


アッシュ王子に近付くことができないことを理解したロペス家は、

付き人の『ルーナ・ノーヴァ』を拉致、監禁し、

アッシュに復讐しようとたくらんでいた。


その計画が実行に移される日がやってきた。


今日はリリアとアッシュを図書館に残して、

ルーナは学園から一人で帰宅していた。


傭兵達とロペス家の家臣のパーティがルーナを囲むように現れた。


「ルーナ・ノーヴァ、君にはしばらく学園を休んでもらう。」


一人の傭兵が冷たい声で告げる。


しかし、その瞬間、ルーナの目が冷たく光り、

一言も発せずに彼らを見つめた。


すると、傭兵たちの足元から土が盛り上がり、

次々と『土人形』にされていった。


土人形となった一行はその場で動けず、

助けを求めるが声すら出せない状態に陥った。


もうめんどくさいなと思い、

ルーナは無言でその場を立ち去った。

皆殺しにして外交問題になるのもごめんなのである。

誰かが魔法で戻すことだろう。


土人形たちは立ちすくむ。

いや、これ、誰か助けてくれるんだろうかと思いながら。


_____________________________


しばらくたったあと、強力な魔法を感知したリリア皇女が現れて言った。


「あなたは、そんなのだから甘いのよ。ルーナ。」


土人形たちは、サンフォーレ皇国のリリア皇女に見つけてもらったことに安堵した。


「太陽神のお導きだ!!リリア様、助けてください!」


一行の一人が声にならない心の声でリリアに懇願する。


彼らは、リリアが助けに来てくれたと彼らは本気で思ったのだ。


リリアは一行を見下ろしながら、冷たい声で言った。


「あなた方は国の恥。これはアッシュに危害を加えようとした罰ですわ。」


リリアは魔法を発動させ、泥人形たちを黒い砂に変えた。

泥人形は、一瞬で黒い砂になった。


一緒に来ていたノワールはその光景を見て、

心配そうに呟いた。


「ねぇ、これどう収拾するの?」


「これで収拾させたのだけれど。」


「皇女様、ヒトは、結果を予想しながら行動をしないと、」


ノワールは複雑な思いを抱えたまま、その場に立ちすくんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ