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13話 図書館デート♪

ー 学園都市ヴェローナ ー


 場所は学園都市ヴェローナの最高級ホテルのスイートルーム、サンフォーレ皇国のリリア皇女はシャワーを浴びていた。


「あんなこと、人前でやってしまって、魔法使いってばれませんかねぇ。リリア様。」


 とノワールは控えめに聞いてみた。


「ばれないわよ。あそこにいた中で、私の魔法を感知できたのは、あちらの付き人のルーナという女だけでしょう。」


「彼女にしても魔法防御が突破されて慌てていましたね。」


「そうね、あの方には申し訳ないけど、私のほうが王子をよくお守りできるわ。」


「でもあの魔法何だったの?」


「秘密なのだけれども、あの魔法は一生王子を守る魔法なのよ。これからもよく育っていくと思うわ。」


と、リリアは楽しそうに言った。


「王子に害をなすものは等しく『死を受ける』魔法なの。美しいでしょ?」


 ノワールは、全然美しくないと思いながら、昨日の男子生徒の行く末を憂慮した。


「あの生徒、死んでいないといいけどね。」


「あんな輩、死んだ方がいいですわ、わが国の恥ですもの。」


 と冷たく言い放つリリアの言動に冷たいものを感じながら、皇女の魔法が皆にばれなければいいなと、ノワールは心配になるのだった。


「次は図書館で会うっていうけど、リリアは何を図書館でする予定なの?」


「そうね、私はまず学園の禁書庫に行ってみたいのよ。サンフォーレのはもうすべて見てしまったから、退屈だわ。それに、禁書庫なら、他の方に見つからないもの。」


 ヴェローナ魔法学園の禁書庫、そこには、何百年もかけて集められた魔法書や歴史書、学院の歴史上、危険すぎるため封印された魔法書物が保管されているといわれていた。アリアは、特に禁忌魔術に興味を持っていた。


 リリアはシャワールームからでてきてタオルで体を拭きながら言った。


「私もできるかぎり、魔法を使わずに面倒ごとをさけるように努力するわ。」


 リリアは、ノワールの懸念について、リリアが理解していないわけではないことを説明した。


 ノワールは、「禁忌魔術を読みたいとか言ってる人間がそんなこと言っても、全然説得力ないけどね。」と一瞬思ったが。思っただけで口にしないことにした。


_________________________


 翌日リリアとアッシュは、講義の後に魔法学院の広大な図書館に足を踏み入れた。


「アッシュ様、あまり人目に触れたくないので、人払いの魔法をかけますわね。」


 と言って、魔法を発動し、図書館の地下を進んでいく。


「リリア様、私たちはどこにむかっているのですか?」


 とアッシュがやや不安になって疑問を漏らした。


「一般の開架部分では人が多すぎますので、図書館の『閉架』に行くだけですよ。そこでは誰も来ないと思いますわ」


 とリリアは、「禁書庫」のことは詳しく言わずに事情を説明した。


 リリアは魔法で隠された扉を発見した。扉は魔法で厳重に封印がしてあったが、リリアが警戒魔法を解除し、多重の封印を解いて入る。


 リリアは警戒する王子をなかば無理やり引き連れて禁書庫に侵入した。


「わあ…」

と王子は驚く。


 禁書庫の中は、薄暗く、静寂に包まれていた。無数の書物が、巨大な書架にぎっしりと並べられていた。


 リリアは、書架の間を縫うように歩き、古い書物に目を輝かせた。リリアは、闇魔法の禁書を読み漁りはじめた。


 アッシュは、リリアに付き合いアーク関連の書籍を読むことにした。


 アークは、錬金術師でもあるルーナから出されているテーマで、君主になるには絶対的に入手するべきものと、教えてもらっていた。

_______________________

アッシュ王子はルーナの講義を思い出していた。


「アッシュ様、いいですか、アークはですね、君主の魅力と能力によって、その構成領域が変化するのです。」


 アークとは、古代技術による空間を閉じ込める装置らしく、「軍隊や財宝などを隠し持つということが可能になる装置」ということであった。


 ただ、アークが保有できる空間には限度があるため、アークの存在をより有効に活用するために「国家」を活用するらしい。おそらく王子の出身フロストヴァルドも、アークを所有しているだろうということであった。


 ただ、アークの存在は、兄のレイヴァルドからも聞いておらず、おそらく現国王のレイヴァルドだけの秘密であると思われた。

________________________


 しばらくの間、講義などの後に、アッシュとリリア皇女の二人は禁書庫でデートをしながら、本を読むのが日課になった。


 アークの書物などはルーナの主研究対象であったので、ルーナも禁書庫に入り浸るようになった。ルーナは学園での講義以外は嬉々としてこの禁書庫に入り浸った。


 ルーナはあまりに禁書庫に夢中になりすぎたので、王子とリリアが禁書庫の内外で秘密にデートしていることも大して気を止めることが無くなっていた。


_________________________


 リリアは、短期間に多くの禁書を読み、黒魔術禁忌魔法の「理論」は習得したようだった。しかしながら、


「真の闇に目覚めた時に、発動が可能になる」


 とも本に書いてあるので、何かの前提条件が必要なようであった。残念ながら、リリアには禁忌魔法はまだ発動は困難なようであった。


ノワールには、


「まだ、闇が足りないんですかね。リリア様。」


と茶化されて、皇女はぷりぷり怒った。


_________________________


 アークの関連の書籍について、ルーナがふと手に取った古書の中に、サンフォーレ王都の東のはずれにあるデルナーク遺跡にアークのかけらがあるという記述があることをみつけた。


 デルナーク遺跡は古い遺跡ではあるが、もうずいぶん前から、探索しつくされ、今はサンフォーレの観光地になっている場所であった。


「あの遺跡にアークのかけらなどあるはずがないがないのだけれど、、」


 とリリアは考えたが、禁書庫でデートするにも少し飽きていたので、週末に旅行もかねて、アッシュとルーナを連れて、デルナーク遺跡の遺跡調査に行くことにした。

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