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モテ期のはじまり

週明けの月曜日

椿は取り引きを結んだスクボウイング株式会社に向かっていた


スクボウイング株式会社

ウェブマーケティングからアパレルはたまた農業など、幅広い分野の先を行く世界規模でも注目されている大企業である


一方で椿の務める会社は女性向けのコスメとファッションを取り扱っている


今回スクボウイング株式会社とは女性用下着の開発プロジェクトを共同で行う事となった


今日は部長と共に向かうつもりだったが、部長は別件で起こった緊急事態によりこちらを構っていられなくなった為、仕方なく椿1人で向かう事となった


(いやぁ…いつ見ても大きいオフィスだなぁ…)


通された会議室は一部分がガラス張りの部屋で、社員たちが忙しなく働いている様子がよく見えた


椿が資料を取り出してすぐに会議室のドアがノックされた


「失礼致します」

そこに入ってきたのは1人の男性と女性だった


(うわっ美男美女!)


椿も思わず見惚れてしまうくらい整った顔立ちの男性


年齢は自分とそこまで変わらないくらいだろう


そしてもう1人の女性は綺麗と言うよりも可愛いに違いが男が絶対に放っておかないゆるふわ系の女性だった


「はじめまして。オカタカ株式会社の黒部椿と申します。今回はよろしくお願い致します」


「はじめまして。弊社プロジェクトリーダーの田村秀司です。こちらはサブリーダーの楡原にれはら 芽郁めいです」


「楡原です。よろしくお願いします。」


(笑顔が眩しい…!!)


2人の笑顔はアイドルが何人束になっても足元にも及ばない爽やかさがあった


2人の凄まじい美男美女オーラと爽やかさに圧倒されつつも打ち合わせをしていく椿だったが、ふと自分に熱い視線を向けられている事を感じた


視線の主は芽郁だった


期待の眼差しとも違う、羨望とも違う、今までにない視線に椿は少し戸惑った


「すみません。僕は別件の打ち合わせもあるので途中ですが、本日は席を外させて頂きます」


と田村が席を外し部屋を出て行く


椿は困った


今まで味わった事のない視線を向けてくる芽郁に気まずさを感じてしまったのだ



「黒部さん」


芽郁に呼ばれ一瞬ドキリした


「はい、何でしょうか?」


大丈夫、大丈夫と自分で自分に言い聞かせ芽郁の顔を見た


食い入るように見つめる芽郁に椿はまたしてもドキリとする


呼んだ割には何も言わない芽郁に椿はおそるおそる聞く


「楡原さん…私の顔に何か付いてますでしょうか?」


椿の問いに芽郁はハッとしたように


「すみません!あの…アイシャドウの色が綺麗だなと思って…」


照れて更に可愛いらしさがます芽郁に椿まで何だか照れてしまった


(か…可愛すぎる…!!)


「アイシャドウはどちらのを使われているんですか?」


「アイシャドウはMAY_MAKEの物を使ってます」


「えっ!!?」


芽郁が驚いた表情になる


「それって少し前に発売された新色ですよね?」


「え?あっはい」


椿がそう答えると芽郁の表情がぱぁっと明るくなり椿の両手を芽郁の両手で覆う


「嬉しい!その色私が提案した色なんです!使って頂けて嬉しいです!」


思いがけない状況に呆気に取られる椿に気づいたのか、芽郁もぱっと手を離し


「あっ!すみません…!変に熱くなってしまって…黒部さんが付けて下さってると思うとすごく嬉しくて…その色…黒部さんに似合ってます」


椿は顔がカーッと熱くなるような感覚があった


(こんな褒められ方は人生初めてだ。同じ女性にドギマギするなんて何か変な感じ…)


その後も何だかよく分からない空気のまま打ち合わせは進んでいき、また後日話を進めるという事になった


「本日は貴重なお時間ありがとうございました。また今後ともよろしくお願いします」


会社のエントランスまで芽郁に送られた椿は改めてお礼を伝えた


「こちらこそ本当にありがとうございました。それと黒部さん良ければよりプロジェクトを円滑に進めるために連絡先を交換しませんか?」


と芽郁はスマホを取り出した


「良いですよ」

と椿もスマホを取り出し芽郁と連絡先を交換した





会社に戻っている途中の椿のスマホに連絡が入った


芽郁からだった


『本日は貴重な時間をありがとうございました。黒部さんのメイクとても素敵でした。それと今度お茶をしませんか…?』とメッセージが書かれていた



メッセージを見た椿はまた芽郁の嬉しそうな顔や照れた顔を思い出しクスリとなってしまう


(可愛い人だったなぁ…)



しかしそれと同時に違和感も感じる



(でも普通とは違う感じもしたなぁ…)



不思議に思いながら会社へと向かう椿だったが、その違和感は更に増して行く


すれ違う度に人がこちらを振り返るのだ


それも全員女性である


何故か女性から先程の芽郁と似た視線を感じる


(何が一体どうなってるの…?)



椿は想像もしなかっただろう




まさか〈30歳まで処女でいたら女性を自分に惚れさせる特異体質になる〉という事を






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