chapter11:美味しいご飯とメンバー集合。
昨日から、色々と問題を抱え、今は昼休み。
「よ、持ってきたぞ。」
「ありがとうっていうのも野暮かしら??」
「はいはい。」
「不味いとか言うなよ。」
俺らの約束で作ることになったが、流石に毎日作るとなると負担になるということで、週に3回、月水金に分けてやることになった。
今週は毎日で、来週から3回だ。
(モグモグ、、やっぱり美味しいわね。)
「どうだ??」
「美味しいわ。」
「そっか。」
目の前で俺の手料理を静かに食べている奴にとても大事な用があるのを思い出した。
そう、連絡先を聞いていない。それと林間学校の件もそうだ。
まだ6人集めないといけない所を3人しかいない。
「なぁ、姫野。」
「連絡先、LINEを聞いてもいいか??」
彼女はゆっくりと箸を置き、前へ向いた。
「――…それ、私も聞きたかったわ。」
「本当は、私から聞こうと思ったのだけれど。」
「そうなのか、まぁいい機会だしお願いするよ。」
「えぇ。」
俺と姫野はやっとLINEを交換した。
しかし、まだ問題が残っていた。
林間学校の人数だ。
「姫野、一つ聞いても良いか??」
「なに。」
「もうすぐ林間学校があるだろ??」
「何処かのグループに、もう入ってんのかなって。」
「はぁー、、あなたね。」
なんか少し呆れた感じだった。
「こんな所で昼食を取っている私に、お友達が出来ているとでも思っているのかしら?」
えぇー、なんか誇った感じ言ってますけど、悲しい事ですよ、それ。
「あはは、良かったら俺のグループに来ないか?」
「嫌ならいいんだが。」
「うん。」
「え??」
思った以上にあっさり返事を返されたため、腑抜けた声が出てしまった。
「何よ。」
「あ、いや、想像以上にあっさりだったから。」
「私を何だと思っているのよ。」
「無愛想なhi、、」
「痛ててて、、」
机から身を乗り出して頬をつねられた。
むすーっとした顔をしていた。
「言われなくても分かっているわよ。」
「でも、あと2人足りないんだよな。」
「ほとんどの子たちはもうグループで組んでるだろうし、どうしたもんか。」
「そこは任せるわ。」
「あ、うん。」
「流石に頼むつもりはないよ。」
昼休みが終わり、午後の最後の授業は林間学校についてだった。
「お前ら、テストが終わったからと言って、ゆっくりできると思うなよ。あと一週間後に林間学校がある。とは言っても、ほとんど遊びに行くようなもんだがな。」
いや、それ教師のお前が言っちゃだめだろ。
「先月の頭に事前に話してはいたが、この時間で6人のグループを作ってもらう。」
「まぁもう出来ているグループも居るだろうから…30分後、ところはメンバーの記入のため、プリントを取りに来てくれ。」
そうして、すでに出来ているグループが集まりはじめ数人まだどこに声を掛けようか迷っている人達がちらほら見受けられるようになった。
「あー、んと、俺と俊哉、叶夢と...」
姫野を見るとまだ様子を伺って、こちらへ来ていなかった。
俺は手を振り、呼んだ。
「こちらは、姫野さん。」
「もう少し知ってるかもだけど、無愛想なya…っ!!」
「いててて!」
また頬をつねられた。
「おう、まぁ、優とどんな感じかあんま知らねぇーが、俺は白幡 俊哉だ。」
「俺は、音無、叶夢。」
「私は、姫野 茜。」
「よろしく。」
「でも、あと2人だよな。」
「そうだな、どうしたもんかね。」
すると、声を掛けられた。
「ねぇねぇ、ここってまだ2人の枠って空いてるかな??」
「よかったら、私とこの子も入れてくれないかなーって。」
彼は振り向き、こちらの手を勢いよく取った。
「よかった!!、誘うの苦手だったから、助かるよ!!」
「うん!!、是非ともよろしく頼むよ!!」
私は少し動揺した。
顔をグイっと、でも悪意は感じられない。
それよりも隣の彼女の目線が、とても怖い。
人を殺しそうな目をしてるんですけどっ!!
「優、さすがにセクハラになんぞ。」
俺はそう言われてハッとし、手を離した。
「すまない、そういうつもりじゃなかったんだ。」
「いいよ、気にしてないから。」
「それで、私は、柏木 葵」
「後ろにいる子が…――。」
「ほら、もみじ、自己紹介ぐらいはしなさい。」
「あ、その、私は、、白崎 椛です。」
白崎さんは少し、柏木さんに隠れている状態だった。
まぁ、そういう子が居るのは知っているから特段、不思議には思わない。
「ごめんね、この子、昔からこんな感じで。」
「別に構わないよ、みんなも大丈夫だよな。」
俺は意思を確認するため聞いた。
俊哉「あぁ、構わないぜ。」
叶夢「あぁ、大丈夫だ。」
姫野「えぇ、気にしないわ。」
「な?、楽しくやろうぜ!」
「よろしくな!!」
柏木「ありがと。」
白崎「うん。」
こうしてメンバーが意外にも早く揃った。
これからが少し楽しみだ。