7 先輩と後輩のカフェでの密会
大学がないある日、ベッドから起き、時間を見ると10時になっていて慌ててご飯は、、、。あとで食べるから食べなくても良いかと思い、髪の毛を整える。
鏡を見ながら、髪の毛を梳かすと、いつもの髪型と、顔が見える。みんなが言うにはかっこいい顔だが、自分はこの顔で大変な思いをしてきているので、なんとも言えない。
女子というのはそういうものだ。高校生の時、私立でお嬢様もいたからか、進学校であるのでも関わらず、女子は男子といかに付き合うかを考えていた。
周りと比べれば顔立ちがよく、かっこいいといわれる部類の俺は、色々な女子に後をつけられることもあった。
お坊っちゃまで御曹司と呼ばれる部類だったのも相まって、色々な女子が自分の周りに集まって来たけれど、どんな女子も本当の自分を見てくれなかった。
なんで俺が好きなの?と聞いたらだいたい返ってくるのは、
「かっこいいから、頭がいいから」とかしかかえってこない。
すごいからと言われても、お前らが見ているのは俺ではなく俺の家計であり、顔であり外面しか見ていない。
その事に気づいて、嫌になっていた。
男子もコネを狙って近づく輩も多く、本当に仲がいい幼馴染のようなメンバー以外は信じられないようになった。
そんなとき、逃げたくて逃げた屋上への螺旋階段にいた先輩と仲良くなった。
涼先輩。
彼は本当の俺を見てくれて。御曹司ではなく。
彼は俺を知らなかった。
俺が知らないんですか?と聞いたら、名前は聞いたことがある気がするけど、って感じ。って返されて、
何も返せなかった。
彼といるのは楽しかった。
元々好きだったゲームを先輩とするのも楽しかったし、話すのも楽しかった。
卒業しても交流は続いた。
思い出にふけるのをやめにして急いで待ち合わせ場所のカフェに向かうと、客は俺たち以外にいない。
手を上げた彼の座っている席の反対に座ると、
「久しぶりだな、織人。いや、伊織かな?」
笑ってそういうのは、涼先輩。いや、、、。
「リーダーお久しぶりですね?」
彼は俺の高校生時代の先輩で小芝涼先輩。でDouzaineの創設者であり、リーダーのリョウ。
「でも、大きくなったよな。お前も。」としみじみとつぶやく、先輩。
「そちらこそ、、、、。お疲れ様です。」というと、
彼は「まあな。低迷中だからな、、、。」という。
「きょう呼んだ理由はなんですか?」
「、、、、。Douzaineのこれからについてお前がどう思うか聞きたかったから。」
「俺の居場所を作ってくれたこと、感謝しています。それに、今のDouzaineは俺の大切なもの。このメンバーでDouzaine、誰一人かけるのは許さない。」
「強固な姿勢だな。」
「先輩だってそうでしょ?」
「まあな、、、。女性嫌いは治ったか?」
「治っていませんよ、、、。双葉とNazunaはあったことそもそもないし、女子という女子ではないから。」
「ははは、、、、。そうだな。」
「どうせ、両親が選んだひとでしょうし。女性嫌ですけど。」
「Douzaineさ、メンバーの夢もかかっているからな。」
「そうですね。久遠や双葉などは特に、、、。」
「ていうか、いつかオフコラボしたいな。」
「ああ、興味はあるな。うーん。まだやりたいことはいっぱいある。」
「次は何がやりたいですかね?」
「動画、だすか。」
「ああ、、、、。でも偶にみんな出していますよね?」
「出してたっけ?今週?」
「見てないんですか?前回の配信Yo○tubeでもやったあと、配信のアーカイブを残したり、してますよね?」
「それじゃなくてさ。メンバーでの動画。」
「三十分ぐらいのですか?」
「そう。」
「、、、、、、。確かにあまり出してないですね。各メンバーがぼちぼち出しているぐらいで。」
「でもそういえば、配信には使えないっていう企画、ありますよね。」
「あ。ゲーム大会とかな!」
「双葉、みるが次みんなが思うかっこいいDouzaineメンバーは?とか質問募集してゲーム大会やりたいな〜。とか言ってた。」
「それ面白そうじゃん!採用しよう!」
「連絡しますか。」
「そういえば、HARUとか、近郊に住んでいるような発言をしてたんだよな。HARU、Chitoseはオフコラできるかも〜。」
「え?!そうなんですか!知らなかった。」
結局、話はそれてしまったが、楽しく話すことができた。
追記
リョウ伊織が昔から関係があったというのは、筆者が最初に書いたときから考えていました。
正反対に見える二人が仲いいってなんか良くないですか?
個人的になんだかんだ馬の合う先輩後輩コンビだと思っています。