表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

プロローグ

   

「起きなさい、優子(ゆうこ)。もうすぐ着くわよ」

 肩を揺すられて、私はハッと目を覚ます。

 東京から京都まで、新幹線で移動する最中(さいちゅう)だった。

 いつに間にか、居眠りしていたらしい。静岡のあたりで、白い雪を被った富士山の姿に感激した記憶はある。だから、私が眠ってしまったのは、その後だったのだろう。


「ありがとう、母さん。なんだか長い夢を見てたような気分だわ」

「あら、どんな夢?」

「わかんない、だって夢だもの。夢の内容なんて、起きたら忘れてしまうのが普通でしょう?」

 何気ない言葉を母と交わす。入学式が終われば彼女は帰ってしまうから、こんな時間を過ごせるのも、あと数日だけ。

 そう、数日後には入学式があり、いよいよ私の大学生活、つまり京都での一人暮らしが始まるのだ。

 厳密には「数日後」だが、今この瞬間、京都が迫っているせいだろうか。あるいは、ただ単純に、気持ちが(はや)っているせいだろうか。

 早くも「今日から私は大学生」という気分だった。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ