プロローグ8
ボス戦で許されないことが幾つかある。
・瞬間移動(予測不可)
・速い自動回復
・相手だけずっと空を飛んだ状態
・雑魚の無限沸き(しかも無駄に堅い)などである。他にも色々あるがひとまずこれらを上げたいと思う。
何故かって・・・・・・今、目の前でその光景が繰り広げられているからだ!情報を入手せず来たのがいけなかったとか、そういうことではない。生放送のコメントに「俺の知ってるボスじゃない」とあったからだ。恐らくレアかユニークであろうと結論が出ている。思えば最初からおかしかったのだ、コメントで「あれ?コイツ全体攻撃してきたっけ?」とあった時に気付くべきだった。ていうかエンドコンテンツのボスにレア?ユニーク?を入れるとか狂気を感じる。
闘い始めはところどころが錆びつき、昔のアニメの勇者王とギアスを足して割ったような機体だったのだ。火力と範囲が高いだけで特に苦労もしなかった。だが第二形態に移行?した瞬間それは変体し、弾けた。文字通り弾けた。
体を覆っていた錆びつきの装甲は輝かしい黄金色を纏って、先程まで翼の「つ」の字もなかったのに、現在は真っ白な4対の翼をはやし、弾けた装甲の一部はまるで人間のような体をしている。クールタイムはおそらく3秒と思われる瞬間移動を3~6秒ごとに使ってこちらの射線から逃れるAI、片腕を消し飛ばしても直ぐに元に戻る回復力、翼から落ちた羽から生まれる妙に堅い雑魚mobその全てが殺意に満ち溢れている。
父に紛争地帯などに連れていかされて人類の生き汚なさを見て、感覚がおかしくなった自分でさえ苛ついてしまう。修羅の国で、シリーズで今まで主人公を張っていたのに急にポット出の新キャラに場所を奪われてモブ扱いされるゲームだったり、バグでゲームが進まなくて2GB以上のパッチを充てても進まないゲームや、推理(推理してない)ゲーム、前作(内容は別)のセリフほぼコピーしたゲームなりでも苛つくことはなかった。
だが、現在自分は苛ついている。時間が刻一刻と過ぎていっているからかもしれない。
「オラァァァァァ!!さっさと墜ちろやぁぁぁ!」
敵が罠の範囲に入るように誘導する。お、入った。
罠の範囲に入った敵は空中でいきなりびくりと止まった。そこへ、左手を砲身へ変えたヤマトで撃つ。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
光の柱が貫いた。