プロローグ5
『≪古代の歴史を紐解きし者≫を獲得しました。』
『≪最古の技術を復元せし者≫を獲得しました。』
『≪最古の装置を起動せし者≫を獲得しました。』
『≪古代の歴史を紐解きし者≫・≪最古の技術を復元せし者≫・≪最古の装置を起動せし者≫により、≪神話機体操者の証≫を獲得しました。』
完成した動力機関を起動した瞬間、称号を一気に4つも獲得してしまった。今は愛機に取り付ける前に、異常は無いか試運転するところだったのだが、称号を得たということは問題ないと考えていいだろうから、早速愛機に取り付けることにする。
今まで開きっぱなしだった動力室に収めて起動する。起動しだした機関は光の玉をキューブへと吸いながら次第にキューブから青い粒子を辺りへ撒いて満たしていく、青い粒子は段々濃さと輝きを増しながら石板に吸い込まれていく、起動する前はポツポツと石板から出ていた玉はその数を少しずつ増やし、速くなっていく。
「これは・・・・・・まさか、永久機関・・・なのか。」
もしそうだとすれば、納得のいくことが一つある。装備を幾らでも出す能力を持つ機体だとしても、このゲームはとても設定が細かい、重力・物理抵抗力などが細かく設定されており、「まるで異世界のようだ。」とよく言われるものだ。PVで多くの人が謎に思ったものである、装備を現出させる・転移させるには膨大なエネルギーが必要になる。これだけの装備を一体どうやって出しているのだろうか?と。当初は使用エネルギーの大幅カットによるPVで観た回数くらいの装備を出す能力であろうと、だが実際は、永久機関による装備の・・・。
『神代の技術を用いた機体を起動しました。保管する武装を選択してください。また、この機体はアナタ様専用の機体となります。またこれによりこの機体の能力を所有者に開示いたします。』
アナウンスが来たので直ぐに確認する。そして能力を見て今まで勘違いをしていたと知る。つい先程まで登録した武装を無限のエネルギーで持って来ているのだと思っていた。実際は、装備をエネルギーに変換・保管し、保管した装備をそのままに、無限のエネルギーにより新たに保管した装備を造り出しているのだ。PVでは違う装備を次々に出していたから気付かなかったが、この機体の真の能力は装備保管が幾らでもできる。ただそれだけである。
だがそれだけで十分である。わざわざホームに戻って装備を換装する必要は無くなり、登録しておけば必要な時に幾らでも換装できるのだ。これ程素晴らしい能力があるだろうか。いや無い。あるはずが無い。実質いつでも準備が万端の状態なのだ。文句などあろうはずもない。
それから、ホームにある装備を片っ端から登録していく。2年半にも及ぶ愛機専用の装備である。登録するだけでもかなり時間を取ってしまったが、スッキリしてしまったホームを見て寂しさよりも満足感が出て来るのは、やはり愛機に全てを捧げることができたからだろう。そして我が愛機に今、名を付ける。
「ヤマト・皇、それがお前の名前だ!」