十四話
明日投稿すると言っておきながら、日を跨いでしまい、申し訳ありません。
「それにしても、どうやって家に入ろうか」
清野さんたちと別れた俺は自宅の前で立ちすくんでいた。
この風貌のまま家に入れば、何を言われるか分からない。
だからなるべく、帰ってきたことは知らせつつ顔を合わせないように明日まで過ごしたいのだ。
もしすれ違いそうになったらトイレに籠ろうかな……。
「というか家に帰るだけなのになんであんな奴らの所為で気を使わないといけないんだ!」
もういい、堂々としよう。何を言われても無視だ。
俺は玄関に入り、居間を覗いた。
そこにはポテチをむしゃむしゃと食べながらテレビを見ている義母と、風呂上がりでペタペタ足跡を付けながらジュースを飲んでいる義妹。
この様子だともしかしたら顔を合わせずに済むかもしれないな……。
俺は自室(物置)に向かいながら「ただいま」と一言だけ言う。
すると、居間の方から、
「あんた少し帰ってくるの遅くない? 洗い物溜まってるんだけど」
「クソ陰キャやっと帰って来たの? さっさと家事やってよ」
と忌々しい声がする。
イラつく気持ちを抑えて「ああ」とだけ答え、自室に辿り着いた。
何とかなったみたいだな。
取り敢えず今日は休んで明日に備えよう。
そう思い、風呂にも入らずその日は寝ることにした。
~真帆(義妹)side~
玄関から「ただいま」と声が聞こえた。
やっと帰って来たのかクソ陰キャ。あいつ掃除も洗濯もサボってこんな遅い時間に帰ってきやがって、マジで迷惑かけることしか能が無い人間じゃん。
お風呂で火照った身体をジュースで冷やしながら、母親に聞いてみた。
「お母さん、どうしてあのクソ陰キャに家出ていかせないわけ? ただのごく潰しじゃん」
「そりゃ私だって出ていかせたいに決まってるでしょ?」
「ならどうしてそうしないの。お母さんの知り合いのやばい人に頼んでさ、なんとかしてよ」
「そうねぇ、あなたが家事をしてくれるなら構わないわよ」
「げっ」
「ほら、絶対やらないじゃない。まだあの子には利用価値があるのよ。でも、少しくらい痛い目に遭わせてもいいかもね。私たちに逆らえない様にするために……」
「痛い目?」
「私の今の彼氏がね? ちょっとそっち系の人なのよ。だからその人に頼んで――」
「ボコしてもらうってこと?」
お母さんは食べ終わったポテチの袋を適当にゴミ箱の方に投げた。
「そう。それにその人、どうやら鬼とも知り合いらしいから……」
「え、鬼ってあの鬼!? お母さんその人絶対やばいって! 鬼が関わってるなら別れた方が!」
「でも筋肉が素敵なのよ、それに性格も結構真っ直ぐだし。あのバカ息子に襲われたとか言っておけば意外と素直に行動してくれるんじゃないかしら」
「でも鬼の知り合いなんでしょ? 私恐いよ」
「ふふ、真帆もまだ子供なのね。鬼でも男なら篭絡して手籠めにするくらいの気概を持ちなさい。それに鬼との知り合いって言うのも多分嘘だわ」
「むー、それならいいんだけど……」
「ええ、来週にでも会いにいこうかしら」
お母さんは不敵な笑みを浮かべ、スマホを弄り始めた。
恐らく彼氏と連絡を取っているのだろう。
それにしても鬼はヤバイ。いくらお母さんの彼氏の知り合いだとしても私は絶対に会いたくないな。
でもあのクソ陰キャをボコボコにするところなら少し見たいかも。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
そして今一度投稿が遅れてしまったことを謝罪いたします。
申し訳ありません。
なんか某幕末の志士みたいなことをやってしまっている……。