始まりの説明
俺は、そろそろ寝たいと思っていた。
今日は休みだったが、明日からは仕事だ。
仕事はそれなりにキツいが、ブラックという程でもない。
寝る前の準備にはいる。
俺は最近、寝る前にヒーリング系のつまり心が落ち着く為の音楽を流している。
そういった動画で、音楽を流しているところがある。
決まったものを聞くのも悪くないが、色々選ぶのもいいと思っている。
ハープ、バイオリン、ピアノ何か楽器で選ぶこともあれば、和風、洋風、中華風何かで選ぶこともあればファンタジー風なイメージで選ぶ事もできる。
今日は何にしようか選んでいた。
そして、こんなチャンネルを見つける。
異世界転○専用曲
何か中途半端なと思いながら、スライドしていくとコメントにはブーイングの嵐だった。
当然である。
曲を聞いただけで、異世界へ行けるわけでもない。
考えなくてもわかることだと思う。
しかし、曲と書いてあるならば今日はこれを聞いて寝ようと思う。
曲は意外と穏やかであるので、そのままスヤスヤと気持ちい気持ちになり、布団の中で寝た。はずだった。
「おいっ・・・おいっ・・・おいってば」
声に気づきうっすらと目を開く。
靄の中、霧の中、雲の中、いや白闇の中だと思う。
「ウム、目を開けよ」
そこには、白い髭を蓄えた、いかにもという仙人のようなおじいさんがいた。
すっかり目が覚めて、起き上がり座りこむ。
何もないのに、布団の上にいるような、座布団に座っているような心地だ。
「よく着たのう」いや、着たのうって言われてもなと思ったら、「いや、着てもらったんだっけ」という。
こうなってはもがいても仕方ないことを、色々な小説から学んでいる。
なので、要点に入ってもらおうと思う。
「わしはの、4つの世界の神を束ねているものじゃ。と言っても傍観者じゃがのー。で、お主の世界が一番栄えているの。次に栄えてる世界には転生者を送ったぞ。その次に栄えてる世界には転移者を送ったぞ。残る一番栄えていない世界には、お主を送ることにしたんじゃ。」
「わかりました。で、元の世界の自分は、どうなるんですか?」
「早まるな。最後まで聞いてくれ」うん。上から目線。
「では、一番いい条件でお願いします。一番いい条件です。大事なことです」
「大事・・・わかった。お主の、こういう事態がおきた時こうしようと考えたことがあるの?」
「少なくとも中二病ですからね」
「その代わりこちらのクエストにも、答えてもらうぞ」
「仕方ありませんね。只より高いものはとも言いますし、良いですよ」
「ウム、ではお主の行く異世界の説明するぞ」
「要りません。待遇が良いなら自分で攻略してみます」
「良いじゃろ。中二病なら、問題無いじゃろ。ただ、後で聞いてないよってなるなよ」
「待遇についての説明ぐらいは聞かせてくださいね」
「大事なことだからの、否が応でも聞かせるよ。まず、お主は転移者なのだが、あっちの世界つまり異世界とこっちの世界つまり自分のいた世界、この場合自世界としようかの、その両方の世界を渡り歩くことが可能だ。転送者と名付けちゃってもいいかの。ただの、いつでもどこでもと行くわけにはいかないのだ。転送までの準備期間と転送時間を考慮しないといけない」
「準備期間と転送時間を考慮」
「そうじゃ、準備期間を間違えると異世界転送が出来なくなるからの」
「大事なのはわかった。出来たら流れで教えてほしい」
「まずは、お主が異世界に行く。そこで、1カ月以上3カ月未満過ごしてもらう。この期間が準備期間となる。転送の準備に1カ月かかり、効力が2カ月あるという感じじゃ。準備期間だからと言って特別何かしなくてもいいのじゃ。ただ、普通に生活すればいいのじゃ。そして、2カ月の間に自分のいた世界つまり、自世界に戻る。そしたらまた1カ月以上3カ月未満生活して異世界に転送すればいい。Okかの?」
「準備期間はわかった。2カ月おきに転送すれば問題ないのかな」
「そうじゃな」
「で、転送時間は?」
「転送時間は片道2.5時間じゃ」
「となると、2カ月で転送するとして、2カ月と5時間は片方寝ていることになるけど、これ優遇されてる?」
「ウム、安心しろ。転送時間はどうしてももらうがの、準備期間はいない方の世界に影響でないようにした。お主が2カ月で転送するとして、他人からみれば2カ月に1度5時間は何をしても起きないと言う状況になるにすぎない。もっとも、転送したその日は感を取り戻せずに何も出来ない日になってしまうかもな」
「突っ込みどころ満載だが、わかった。もし、準備期間を無視して3カ月以上過ごしたら?」
「転送出来なくなるだけじゃ。そして、自世界で期間が過ぎてしまったら準備期間に使えてた能力が使えなくなるだけじゃ。いい待遇じゃろ。他に何か欲しいか?」
「じゃ、護身用に三種の神器ください」
「そ、それは無理じゃ。それにお主には使えない」
「使えるのください」
「三種の神器をコピーして、お主に使えるようにすることならできる」
「良いですね。普段は何も持ってないのに必要なときだけ出てくるみたいな感じはどうです」
「わかった。お主の好きにさせよう。説明は以上だ。聞きたいことは?」
「あとは自分でやってみる」
「わかった。後はお主の異世界の肉体だけだ。どんなのがいいか想像しながら眠るがいい。目が覚めればそこが異世界だ。クエストはちゃんと受けろよ。客は神様だからな。ワシも準備があるでなこれでな」
準備、準備と。
まずは、あやつの廻りにテレビカメラといっても、透明で物に当たらない気づかれないもの設置して、こっちのサイトとやらに繋げる。
リアル映像だと、色々な所でキモイしグロイからアニメ風に、あー中二病心の無い面白くない奴には、漫画風に見せてっと。
アニメ風に見える奴には、特典もつけてやろうかの、おーチャンネル登録を利用するかの。
いい出来じゃ、後はここを繋げればいいかの。
次は、三種の神器じゃな。
どうしようかの、取り合えず使うときだけ取り出せるようにし、普段は体の中にいれとけばいいか。
まずは、武器じゃな。
剣だけど、あやつは刀を使えるのだっけな。
両刃の剣より扱いやすいじゃろ。
大きさは、自由に使えるようにしてやろう。
といっても、限度はほしいからの、3cmから300cmと、ペーパーナイフから超大豪刀じゃな。
斬れんものなどマー無い代物なんじゃが、いいかの。
次に、勾玉か。
どうしようかの。
近くのものをなおすで、いいよな。治すでも直すでもの。
後は、あやつの仕様次第じゃの。
鏡の、銅鏡だから、豪華な銅板、そうじゃの。
鏡と言う見方より板と言う見方をすると、鑑定より、良くするなら真実を教えてくれる板、これでどうじゃ。
「鏡よ鏡よ、鏡さん。ワシはかっこ良いかの。イケメンじゃろ」
〈ハゲ〉
バキッ
あっ
勾玉を近づける。
直ったな。
よし、この3つを送ってと。
これで準備完了じゃ、じゃ始めるぞ。
「異世界ライフ ライブ中継 スタートじゃ」
ポチっとな。