異世界 1ー11
小麦一覧の一部変更しています。
俺は、まず頭の中で想像した。
その前に確認したいことは、この世界のインク。
炭と油を練り込んで作ってあると聞いた。
でも貴重で、普通は炭をそのまま使っているようだ。
紙は洋紙以外なく、貴重とのこと。
メモれるものがないのは、厳しいことだ。
勉強もできないだろうから、基礎学習も出来ないのだろう。
俺が想像していたには、鉛筆だ。
炭を押し固めて新を作り木で覆う。
出来ない、何かが足りない。
何が?芯を柔らかくする何か、思い出せ、油ではない、鉛は使われていなかったはず、土と言うか粘土だったような。
「粘土って売ってたりする?」
「あー粘土、有りますね」
「粘土、何であるの?」
「以前、焼き物を作る店の借金か何かで、引き取った覚えが、潰れてしまいましたけどね」
「お前の親父が潰したのだろ」
「土のお皿って何か必要です?重いし壊れやすいし」
「そういう感覚か、だから木の器が多いのだな。まーいいか、粘土いくら」
「置いといても売れないし、どうぞ」
「じゃ、遠慮なく」
そう言って粘土をもらう。
次こそ、杉材でいい、杉材寸法適当に小さいのと、炭と粘土7:3でポン。
バシャーッと出てきた鉛筆が100本。
「これは何ですか?」
「鉛筆だな」
「えんぴ・・・つですか?」
「そうだ、こうやって削って・・・こう使う。ほれ使ってみ」
「こ、これは滑らかだ」
おい、鉛筆をグー握りするな、と言うかここから教えんとか。
「わ・・・私にも貸してもらえないだろうか」
「ん?あっまだいたの、ギルド長ひ・・・」
「そのネタはもういいです」
流石はギルド長、ペンを使いこなしてるだけあって、綺麗な持ち方だ。
「商人がペン1つ持てないとか、お笑い草だぞ」
「おっ教えてください」
「いいよー。そのつもりでここを作ったわけだし、隣うるさいけどね。店の方は?」
「店は、私が居なくても、父が居なくても大丈夫です。おじいさんの代からやってますから。ただ、父が雇った3人はどうしましょう」
「君が指示すればいい、このドラノ商店店主テトラが」
「アドバイスを」
「はっ?お金渡して、解雇でも良いし、テトラのお供として雇ってもいいんじゃね」
「ジュンさんのお供というのは?」
「要らないよ。俺の問題じゃねーし。それより、テトラ文字覚えろ、書けねえだろ。どうなんだ」
「覚えたい。けどどうやって?」
「そんなの、親父にでも教えてもらえ」
「「はー」」
「親子だろう?と言っても、ドラン、ここから2年は出れないと思えよ。で、何で息子に何も教えん?」
この、座敷牢を出るのを諦めたかのようで、ドランは話始めた。
話をまとめるとこうだった。
ドランの父親は、ものすごくスパルタで、文字を覚える程度まではよかったが、計算は、問題だすばっかで、答えが結局わからない有り様であったようだ。
孫ができた頃には、まるくなっていたが、店も忙しく相手などされないまま死んだので、俺が店を引き継いでやってやってるんだと。
なぜ最後偉そう?、というのはいいとして、文字を知ってても、教え方がわからないパターンですね。
で、子供の接し方がわからず、それでもなんとかここまできた的な。
ありがちな話である。
「で、息子に文字を教える気はある?」
「やり方が」
「やり方は、1文字ずつ、自分が書き、真似させて書かせ、ゆっくり教えるだけだ、怒鳴るの禁止で」
「んー」
板数枚と鉛筆を渡す。
鉛筆の使い心地を確認しているときに、テトラに、俺は鉛筆の持ち方を教えた。
文字は何故か、自世界と一緒なので、平仮名から教える。
あ・い・う・え・お の5文字、まずは自分で書きなぞらせる。
次になぞった文字の横に書かせてみる。
残りの粘土をもらい「今日は帰るぞ」と言って店を出た。
「あっお金もらい損ねた。まーいいか」
クエストアイテム
粘土 粘りのある土 100g 100円
鉛筆 黒の文字等が書ける木製のペン 1本 10円
増えた。
ここのとこ、クエストが無くて助かる。
さて、もう午後もいい時間だ。
何となくブラブラしているのだが、何故かギルド長も着いてくる。
せっかくなので、スキルについて聞いてみた。
「ねースキルって何」
「何とは」
「ほら、よく攻撃スキルとか生産スキルとか言うじゃん。そんなんでいいのかなと思って、よく知らないから」
「知らないって知らないで使ってるのか」
「だな」
「どこから話せばいい?」
「最初から」
「スキルは主に3つに分けられてる。1つは知識系、1つは行動系と攻撃系という人もいるが、行動系だな、そして生産系」
「へー」
「生まれつき持っている人もいれば、後でつく事もある。人それぞれだ。ほら、あそこで商売している人はこの辺でも有名で、小麦を小麦粉にして売ってる」
見ると、器を持った客がいて、小麦を持った亭主と思われる人が、数束重ねて一瞬で小麦粉にして、お客の持った器に入れ、代金をもらっていた。
ゲーム何かで、違和感無い光景も、実物見れば不思議に思う。
「あのさ、麦藁はどこいった?麦糠もどこいった?」
「はい?そんなの、必要ないしゴミなんだから、小麦粉を作るとき、魔素に変えちゃえばいいんだよ」
「ゴミを魔素に変える?誰でも出来るの?」
「それだけはできる、よりゴミを魔素に変えると、ご褒美として自分のMpを増やしてもらえるんだ」
「じゃ、あの亭主は凄いMpの所持者となるわけだ」
「それがね、あまり上がらないそうなのだ。Mpは使いきると若干上がるから、その部分は上がっているのだそうだが、他は全くと聞いたことがある」
「まーそうだろうな」
「どういうこと?」
「麦藁や麦糠と言う言葉があるように、使い道のあるものを使わずに捨てても、ご褒美はもらえないと言うことになると言うことなんじゃないか?」
「あるわけ無いと思うが」
「ホントにそう思うか?」
そういうと俺は、小麦粉を売っている主人に声をかけた。
「麦を売ってくれないか?」
「今日はもう力がでないから、終わりだ」
「小麦粉ではなく、麦そのものを売ってくれないか」
「あーそういうことなら良いよ。いくつだ」
「っと、銀貨1枚だとどれくらいうってもらえる」
「ん。1万本だな。持てるか?」
「それは、問題ない」
そう言って買ってきた。
冒険ギルド
解体場所に来る。
ハンスは、これから忙しくなると頃なので、ちょっと一服しているところだった。
「なんだなんだ騒々しい」
「まだ何も騒がしくしてないけど?」
「お前さんが来ると、騒がしくなりそうなんだよ。そうだ、頼まれてた件ちゃんとやっぞ、それとあの箱、ありがとな。重宝している。」
「それはよかった。時にここに麦がある。小麦粉以外の使い方を知らないか?」
「んー知らん。小麦粉以外ゴミだろ」
「例えば家畜とかの餌とか?」
「家畜?ってなんだ」
そこからだった。
「籾殻を畑に撒くとか」
「意味無いだろ」
「藁を編んで、帽子にするとか」
「防具にはならんだろ」
「身も蓋もないな。じゃ、取って置きのを作ってやるよ。上手くいくかわからないけど」
麦藁100本分を取り出すと、イメージした。
順序はわからんが、まず何らかの薬品とか使い漂白するのが普通だが、ここに今その薬品を用意できるはずがないから、用意できたとしても扱う自信はない。
とにかく、色を少しでもなくすイメージする。
次に、繊維を残しつつ、柔らかく細かくするイメージし、水に溶かすようにドロドロにするイメージをする。
それを、A3位の型で、すきあげて押し固めて、乾かす。
完璧だと思う、はい出来ました藁紙。
「ふー出来た。藁で出来た紙、わらがみかなー。鑑定してみて」
そう言って、出来た紙をみんなに配る。
「ツルツルはしてないな。色も残るよね。藁だけにしては色が薄いと思うが、メモ帳っくらいならいけるな。どう藁の使い道、あったでしょ」
・・・ ・・・ ・・・10秒経過・・・ ・・・ ・・・20秒経過1・2・3じゃなくて、「沈黙なげーよ」
後さ、増えなくていいのに。
クエストアイテム
小麦 小麦を収穫し乾燥させたもの 1kg 30円
小麦の籾 小麦から、藁を取り外したもの 1kg 50円
小麦の実 小麦の籾から籾殻を取り外したもの。
小麦全粒粉 小麦の実を製粉にしたもの 1kg 100円
小麦の剥き実 小麦の実から、小麦糠を取り除いたもの 1kg 130円
小麦粉 小麦全粒粉から、籾殻を取り除いたもの 1kg 300円
小麦籾殻 小麦の籾殻 1kg 10円
小麦藁 小麦の藁 1kg 10円
小麦糠 小麦の糠 1Kg 10円
藁紙 藁を原料とした紙 1枚 1円
グルテン 小麦粉のタンパク質 1kg 50円
薄力粉とか強力粉とかはどうなってるかって。
そこは、異世界だそうです。




