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戻って来たぞよ

三人を乗せて、光を全面で表現する宇宙船「TB-Sα」 


 まだしてない施設案内を端的にすることとする。


 まずレトロカフェはロビーから右に曲がってすぐのところ。

 どっしりと構えているので、迷子になってもとりあえずそこにはたどり着ける。

 マスターがキュキュっとコップを拭く音が聞こえるであろう。世界観はそこで一変し、一気にそのカフェの世界へ引きずり込まれる。


 広場......というかリビングは二階に上がってのところ。そこは三階まで広々とした吹き抜けになっていたりもする。

 そして五角形に敷き詰められたこつこつとなる床がぎっしりと......。


 そしてこの宇宙船最大の魅力と言ってもいい程、最新技術だから作り出すことができた物がある。


 


 二階から三階のコントロールホールを結ぶ巨大な一枚ガラス。

 


 どれくらいの大きさかというと、体育館の5分の4くらいの広さ。


 

 そんなもんわかるわけねえだろ!!!!と思った人は正常だ。


 


 正直に言うと表現しづらいです......はい。

 

 

 とりあえず超巨大な強化ガラス、これなら観測も自由に行える。

 もちろん見晴らしもいいのでもしかしたら地球が見えたりすることも......ある。


 




 簡単な説明はこれくらいで、深いところはまた後程。

 



 

 




 そして先ほど説明をしている間にも、宇宙船はタイタンを旅立とうとしていた。 


 

 ずさあああとみるみる地面から離れていき、タイタンの大気圏も抜けて帰りは超遅い宇宙船だ。

 

 


 ............いや、行きも遅かった。




「星が離れていくわね......」


 ルーカスはまだ余韻に浸っているのか少し悲しそうな声を窓の方に伝える。




 その裏側では、マーシェルがあることを楽しみにしていた。


「おっかし~おかし~いっとおかし~」


 ルーカスが彼女にプレゼントする、と約束したお菓子のことだ。

 彼女がその「お菓子」で釣られるほどの年齢だったかは知らないが(二回目)宇宙船で渡されるそのプレゼントを、ずっと楽しみにしていたのである。



「なんか上機嫌だな、マーシェル」


「そりゃあ、嬉しいよ」



 ファットの不毛な声とすぐ後に嬉しみを表現する彼女。白いもわふわと言ったソファに寝転ぶようにしてただお菓子お菓子と連呼する、それはただ単純な人でした。



 ルーカスは2人の話を全くと言っていいほど聞いていなく、窓をずっと眺めている。


 そんなルーカスのもとへやっと立ち近づいたマーシェルは、あまりのお菓子の欲しさに我慢できず、催促するようにして話しかける。



「ねえ、ルーカス!もうお菓子ある?」



「え?お菓子なんてあるわけないじゃない」



「......はっ?」


 ルーカスは考え事の途中でいきなり彼女に話しかけられて適当に返事をした。

 なにも返事について意識がなかったルーカスは、お菓子なんてないことを自らの首を絞めるようにしてばらしたのだ。




 

 数秒フリーズしたマーシェルは、やっと意味が分かったらしく




「今度はここから落としてやろう、即ち宇宙ゴミになりなさい」



 

 いきなりの笑顔を見せて、彼女はファットが宇宙ゴミになることを威圧で勧める。

 


 これは、お菓子が欲しいかわいい少女(?)から、れっきとしたスペースサイコパス(適当)に転身した瞬間であった。


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