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衛星探索Ⅱ~discover~

「うわぁ……」


 大きな環を持つ土星を見つけたマーシェルは、少し怖がる素振りを見せた。

 するとじっと後ろを向いたまま足を前へ動かしてしまい、2メートルぐらいの小さな崖から落ちてしまう。




「う............痛い」


 服が異常な衝撃を検知したため、他の2人にも彼女が落ちたという連絡が入った。



 さすがは同じ宇宙船の仲間。遠い距離にいた二人は、あまりにも心配して走って来たそう。


「おいマーシェル!!落ちたって聞いたが大丈夫か!」


 ルーカスも心配そうにファットの言葉を繰り返すが


「なんとか、大丈夫!氷だったしすべり台みたいになっていたから!」


 マーシェルはどうやら、落ちる際にそこに尻もちをついてしまいそのまま滑って降りたそう。



「尻もちついたところが痛いけど......!あの土星怖くない?」



「ああ、なんていうかそうだな、まあ後ろを見ながら歩いてしまうのはしょうが.....」



「マーシェル。怖くなるのは分かるけど、きっちり前を向いて歩きなさい」



 ルーカスは彼女のケガが大変でないことを知ると、ファットの話を遮りわざと、厳しい言葉を投げかけた。



 これももしかすると、彼女自身が体験したことなのかもしれない。だからこそ人に教えることができる。



 ルーカスは厳しい言葉を浴びせながらもそっと彼女の前に手を差し出した。



「それにしても、本当に広いなこの星は......」


「そうですね、だから色々な可能性を考えた方が良いと」




 そう、この衛星「タイタン」はなんと惑星である水星よりも大きいことがすでに2000年頃確認されていた。


 それは太陽系の衛星で「ガニメデ」に次ぐ二番目の大きさであり、地球の四分の一の大きさ。


 順位で分かるだろうが、なんと地球の衛星である月よりもこの星は大きいのである。


 大きい上に水もあるからこそ、この星に生物が存在してもおかしくはない。


 そして初めてこの衛星に降り立った「ホイヘンス」は、この近くでなにかしらの影を捉えた。だからわざわざこのポイントエリアに降り立った訳だ。




 ルーカスの手を支えにしてゆっくりと上がったマーシェル。

 少し足も痛めたのか、そっと下を見る。


「なに?この足跡みたいなものは......」


 そこには明らかに人間ではない、何か生物の鳥のような小さい足跡がぽつりぽつりと......。

 氷にじんわり焼き付くようにして向こう側の霧までずっとずっと続いていた。


 それを見つけたファットはまた感情を表にむき出すように喜んだ。


「よーーーっし!!!大事な手掛かりが見つかったな!ありがとうマーシェル!そこへコケてくれて」


 ファットは少し悪いと思いながらも冗談に見かけた失言をすると咄嗟に、マーシェルが彼をクレバスのような深い裂け目に彼をゴンッと勢い良く突き落とした。



「あら、ちょっとやりすぎじゃないの?」



 ルーカスはどう思っているのか、男の悲鳴のあと、マーシェルに平然と喋りかけた。


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