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学校って行くまではタルいけど行ったら楽しいよね


胸がある、Bくらいだと思う。


髪はサラサラでケツが隠れる位長い。


身長は150センチ位か。


顔は小さくて可愛くて、街を歩けばすれ違った奴全員が振り向いてガン見してしまうだろう。




っとまぁ、今の俺はこんな感じなのだ。元々男の俺は朝起きたら美少女になっていた。


で、今日は女の姿で初登校してきたんだけど、みんな北村 瑞希(男の俺)がブラジル行って北村 瑞希(女の俺)が転入してきたことに何の疑問も持っていない様子。何かちょっと寂しい。

でも今はそれどころじゃない…


「助けてくれぇぇぇぇえ!!」


休み時間に入るなり俺はクラス全員(千早以外)に囲まれて彼氏いるの?だのなんか色々聞かれまくっている。

誰でもいい、助けてくれ!

千早は隣の席でニヤニヤしながらこっち見てるだけだし、頼む!だれかお助けぇぇ!


「ほらみんな!北村さん困ってるじゃない!その辺にしといたら?」


みんながその声にしぶしぶといった感じで自分の席に戻っていく。ありがとう!えっと確か、中野 百合絵さん!だっけ?


「ありがとう。助かった」


「いいえー、私は中野 百合絵、よろしくね」


「オ…アタシの方こそよろしく」


あっぶねー俺って言う所だったよ。つーか、俺が男の時は限られた奴としか話すことなかったからな…これを機に色んな奴と仲良くなってみるか。




んで、今は昼休み。

千早と祐希と俺は屋上で昼飯を食べていた。屋上には三人だけ。ちょっと寒い。


俺は自信をなくしていた。

ひっきりなしに話しかけてくるクラスメイト達に愛想よく振る舞うのはすっごくしんどい…しまいにはクラスの違う奴らや学年の違う奴らまでくるし、もう無理。

溜め息をつきながら千早に聞いてみる。


「なんでみんな話しかけてくんだろ?」


「食欲の秋。つまりはそう言う事だ」


「なるほど」


コイツはたまに意味分からん事を言う。ホント意味分からん。だいたい今は12月、冬だしね。


「祐希はどう思う?」


「そりゃ姉ちゃんがずば抜けて可愛いからだろ」


「男の時はずば抜けて格好良かったが誰も話しかけてこなかったぞ?」


「いや…知らないよ」


「……」「で?姉ちゃん、新しく友達は出来た?」


「中野 百合絵って奴とは仲良くなれそうな気がする」


「そうか、まぁ頑張れよ。お姉ちゃん?」


「わかったよ、弟君」


俺は昼飯である購買のメロンパンを食べ終わり、自販で買ったパックのいちごミルクを飲む。うまい。

両隣では早々に食べ終わった二人がタバコを吸っている。

俺も一服するかね…あれ?煙草ないしっ!? どっかで落としたかなぁ?まぁいいや


「祐希、煙草ちょーだい!」


「ん?あぁ、はい」


「いや待て!俺は煙草吸う女は嫌だぞ!」


なんか千早が言い出したが無視して祐希に貰った煙草に火をつける。


「瑞希、煙草はやめなさい」


「だったらお前がまずやめろ」


横でスパスパ吸ってる千早に言われたくない


「馬鹿め、俺はもう百回以上禁煙に成功している」


「「駄目じゃんっ!!」」


俺と祐希がハモる。千早はやっぱり馬鹿だった。

そんな下らない会話を続けているうちに昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

俺たちは『チャイムが鳴っちゃいむ』などとわけわからん事を言っている千早をシカトしながらも教室へ向かう。

一年の祐希とは途中で別れて今は千早と二人、自分達の教室へ移動中。やたらと自分たちに向いてる視線が多い気がするが…ま、気のせいだろ。


教室に戻ると中野 百合絵が駆け寄ってきた。なんか心配そうな顔だ。


「どうかしたの?」


「昼休みは森下君といっしょだったの?」


「え?千早?うん、いっしょだったよ」


「何かされたりしてない!?」


「は?いや、何もないけど…?」


「そう、よかった…あの人達とはあんまり関わんないほうがいいわよ」


「?」


「顔はカッコ良いんだけどね、とんでもない不良なのよ。他校に普通に乗り込むし、喧嘩した相手は絶対病院送りだって聞くし、北村さんがくる前に問題になってたんだけど校長室にロケット花火撃ち込んだのも森下君達だって話よ?」


「…………」


「今はブラジル行っちゃったけどいつもいっしょに行動してた北村 瑞希って人も同じ位とんでもない不……って、そう言えば名前一緒ね」


「へ、へぇ!凄い偶然だね!わかった!気をつけるよ!」嫌な汗が出まくりである。千早はともかく俺もそんな風に思われてたのか…


「ほんと、凄い偶然ね」


「そ、そうだね」


……………。









学校が終わり、帰り道の途中でその事を千早と祐希に話すと


「ほぼ事実だからどうしようもないよな」


という祐希の何気ない発言で俺と千早は精神に大ダメージを負った。


「千早、お前なんか目から汁出てんぞ」


「瑞希、お前も目から汁出てんぞ」



「千早!」


「瑞希!」


ガシッ


俺達は抱きあって友情を確認した。







「画になってるから困る…」



当の二人はそんな祐希の呟きも、周囲からの生暖かい視線にも気付いていなかった。

マヨラです。先の事をを考えてないにも程があります。どうしたらいいんですかね?

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