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神々の遊び〜

 場所はクナト様の神社。

 儀式とか行う為のお部屋にて。

 色々な器具が所狭しと並んでおり、神社特有の独特な雰囲気を醸し出している。


「・・・・・・」

「・・・・・・」


 何故か左頬が腫れているクナト様と、その隣に座る物凄い威圧感のあるおとりちゃん。

 二人に向かい合って座る私とタケミ様。うぅ、空気がピリピリして重い。


「さて、改まって今日はどんな御用でしょうか?」


 まず、おとりちゃんがタケミ様に向かって口を開いた。


「うっ、お、お義父さん、お義母さん!・・・お宅の娘さんを私にください!!!」


 うんうん、打台本通り。タケミ様、ちゃんと言えた。ここについた時におとりちゃんから台本を渡されたんだよね。因みに私は終始セリフは無く、切なそうにやりとりを見守る、とだけ書いてありました。


「ぅお前に、ぅぉお義父さんなどと呼ばれる筋合いは無いっ!!」


 わぁ、クナト様迫真の演技ー。セリフに凄い力がこもっている。


「うちのいぶきを傷物にしといて、良くここに来れたわねぇ?」


 笑顔なのに目が笑っていないおとりちゃん。映画の、『極道のお嫁様方』を彷彿とさせる凄みがある。・・・こりゃぁ将来バケるでぇ!!


「せっ、責任を取らせて頂きたいっ!絶対に幸せにしまひゅっイテッ」


 惜しいっ!!タケミ様、言いなれない口調に舌を噛んでしまったみたい。


「何を、生意気な青二才め!どこの、馬の骨ともわからんやつに・・・わからんやつに・・・何だっけ?」


 こっちも惜しい!クナト様痛恨のセリフ忘れ。・・・っていうか、散々私も審査員よろしく批評なんぞをやっておりましたが、、、


「あのー・・・、この茶番って必要ですか?」

「何言ってるの、いぶき!けじめはちゃんと必要なのよ!?」


 おとりちゃんがすごい剣幕でこの茶番の必要性を語る。

 あぁ、これはおとりちゃん作のシナリオ(台本)でしたか。

 

「あぁ、いぶき。せっかく可愛い妹が出来たというのに、もうお嫁に行ってしまうなんて・・・っ」

「おとりちゃんっ・・・ぐすっ。私やっぱり結婚するのやめ・・・」

「ぅおぃぃっ!!待て待て待て待て!!!」


 ひしっと抱き合う私とおとりちゃんを必死に引き剥がすタケミ様。


「ふふ、冗談ですよ。ね、おとりちゃ・・・んっ!?」


 おとりちゃんを見るとおとりちゃんが物凄い形相でタケミ様を睨んでいる。


「・・・いぶきを・・・いぶきを泣かせたら承知しないからぁァ・・・」

「はっ・・・はいっ!それはそれは神に誓って大事にしますっ!」


 “神に誓って”ってお前も神やないんかーい!?って若干ツッコミを入れたくなりましたが、それどころじゃなさそうなので静観しときます。

 蛇の時もそうだったけど、もしかしてタケミ様はおとりちゃん苦手なのかな?


「それは、そうと。クナト様はほっぺたどうなさったんです?」

「えっ!こ、これはね・・・」


 クナト様が人差し指と人差し指を合わせてモジモジしながらおとりちゃんを見る。


「全部白状させたのよ。全部ね」


 おとりちゃんがキッとクナト様を睨む。


「全部って・・・」

「全部、よ!この人が勘違いしたせいで、あなたに多大な迷惑をかけてしまった事も」

「えぇっ!?」

「ごめんなさいね、いぶき。この人私が絡むとてんでダメになるから・・・。嘘で固められた、私に都合のいい世界なんて、ちっとも嬉しくないわ」

「おとりちゃん、でもクナト様は本当におとりちゃんの為に」

「わかっているわ。わかっているからこそ、腹が立ったのよ。最初こそ、私が犠牲になる事で村が救われたんだと思っていたから我慢できた。でも、私はここで暮らすうちにちゃんとクナトを好きになったのよ」

「おとりちゃん・・・」


 おとりちゃん、可愛い。おとりちゃんだって私と同じで、残してきた家族があったんだよね。違うのは、   

家族が知っているかどうか。


「いぶきがこちらに来た夜に仲間はずれにされたって知って悲しかった。本当の事知っても私はクナトから離れたりなんかしないのに・・・って思ったら思わず手が出てたわ(てへぺろ)」


 てへぺろって。いや超絶可愛いけど。しかし、おとりちゃん結構力が強いんだね。クナト様のほっぺた、かなり腫れてるもん。


「おぉ、そうだった。そうだった。おとりの話聞いて思い出したぜ」


 タケミ様がボソッと呟いてゆらりとクナト様の前に立った。タケミ様・・・?


「・・・・・・?」


 クナト様がえ?え?なになに?みたいな顔をしている。


「クナトォ、歯ァ喰いしばりやがれっ!!!」


 タケミ様が強烈な右ストレートを繰り出した!拳が当たった瞬間、バキィィィィッと凄まじい音を立ててクナト様が凄い勢いで吹っ飛んだ。

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