俺様タケミ様
クレナイの屋敷に落ちた雷は炎となり、屋敷を燃やし始めた。
「わ、ワタクシの屋敷が・・・っ」
クレナイが屋敷の惨状を見て腰が抜けた様に、ヘナヘナと地面に座り込む。
た、タケミ様の力・・・ハンパない・・・。あまりの凄さに呆気に取られていたが、いやいやいや、危ないでしょ。
「タケミ様、もうその辺で・・・」
「あ?お前に酷い事したんだ、まだまだやり足んねぇくらいだぞ」
尚も里に雷を落とそうとするタケミ様を必死に説得しようとする私。
「タケミ様ってば!」
私はタケミ様の元へ走り寄り、思い切り抱き着いた。
「なっ・・・?いぶき?」
「もう、これ以上は流石にやり過ぎですから!私はっ、タケミ様が戻ってきてくれれば、それでいいんです」
タケミ様の胸元からタケミ様を見上げる。
「・・・・・・クソッ。堪んねぇな」
タケミ様は顔を赤くして、そう呟くと身体に込めていた力を抜いた。雷雲は消え去り、サァーッと晴れ間が出てきた。
私は燃え盛るクレナイの屋敷の炎を竜巻で鎮火した。
「今回はいぶきに免じて許してやるけど、2度目はねぇからな?」
タケミ様が、そうクレナイに凄むと、流石に怖かったのかコクコクと頷いた。
「じゃぁ、帰るか。いぶき」
「あ、ちょっと待ってください。大天狗様に招待状を届けたいのですが。昨日はタケミ様が攫われてしまってそれどころじゃなかったもので・・・」
するとタケミ様は私の手から招待状を奪い取ると、クレナイの前に放り投げた。
「わりぃな。コレ、大天狗のじぃさんに届けといて?」
「は、はぃぃ!!承知しましたぁ!」
クレナイはすっかり毒気を抜かれたようで、タケミ様の要求に素直に応じた。
タケミ様の相変わらずの俺様っぷりに懐かしさを感じた。
「よっしゃ、これでもう用はねぇよな?」
「は、はい。後は帰るだけです」
「じゃー、とっとと帰るぜ」
「きゃっ・・・!」
タケミ様は私をお姫様抱っこすると、さっさと天狗様の山を後にした。
帰るって・・・やっぱりここなんだね。
はーい、こちらタケミ様の屋敷と中継が繋がってまーす♪・・・じゃなくて。
タケミ様は屋敷に着くなり群がってくるもふもふ達を千切っては投げ、千切っては投げー。
二人きりになる為に、部屋に狢避けの結界まで貼る始末。
さらに、私がおとりちゃん達に無事だという報告をしたいと言ったら、遣いをクナト様の神社まで派遣する徹底ぶりでした。
「いぶき、ほら。風呂入るぞ」
「えっ!?」
「しょーがないだろ。汚れてるんだから」
ハタ、と着物を見ると確かにススとかの汚れがついていた。ガーン。せっかく、おとりちゃんとおめかしをしてきたのに。・・・ていうか、一緒に入る流れなんですけどー?
「言ったろ?もう離れねぇって」
「た、確かに言いましたがっ!」
「なら、問題ねぇよな」
「ふぁっ!?」
再びタケミ様にお姫様だっこをされて、部屋の奥にある露天風呂まで連れて来られてしまった。
わぁー!!山の頂上だから、景色が凄い美しい。
私を下に降ろすと、タケミ様はワイルドにお召し物をお脱ぎになって、洗い場の方へ向かわれましたでございますですます。うぅ・・・動揺が隠せない。
「いぶき、覚悟決めたら来い。来なけりゃ俺様が脱がす!制限時間は俺様が身体を洗い終わるまで、だ」
う、嘘ウソうそ!?えっ?えっ?自分から行くか、迎えに来てもらうかって2択しかないんですか?そうですか!!か、覚悟って・・・。ゴクリ。
おとりちゃんの髪飾りを手に取り、握りしめる。おとりちゃん、オラ・・・じゃない、私に力を分けてくれ!!
きっと私の今の心拍数なら軽くあの測定器を壊せる自信があるよ!
「おい、いぶき!まだかよ?」
はっ!?もう、時間切れ??脳内で摩訶不思議なアドベンチャーをしてる間にタケミ様が身体を洗い終わってしまった様だ。
タケミ様がじれったそうに叫ぶ。
「3つ数える内に来なかったらこっちから行くからな?いーち」
いや、カウント3つは早いだろ!!うーん!私は必死に帯紐を解こうとするが、焦れば焦るほど解けない。
「にーーーい」
いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!待って、待って!
「なんだ、まだ脱いでないのか」
「ひっ!!!」
直ぐ後ろからタケミ様の声がする。
えっ?何で?カウントの3は?いや、3をカウントした所で状況は変わらないけどっ!
「いい加減、焦らすんじゃねぇよ・・・」
そう言うとタケミ様は私の帯をシュルシュルと解き始めた。
「た、タケミ様っ!?」
「もう、待てねぇよ。どんだけ待ったと思ってんだよ」
「・・・・・・っ」
「・・・俺様はっ。お前が側に居ないとダメなんだよっ・・・」
タケミ様が私の背中に頭をトン、と付けた。・・・タケミ様。
・・・タケミ様が帯を解いてくれたので後は早い。私はギュッと目を瞑って着物をハラリと脱いで、裸になった。




