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それは、反則です

 至近距離のイケメンに耐えきれず、思わず目を瞑ってしまった私。そして、唇に柔らかい感触を感じた。・・・嘘!?キス、されてる?

 唇に軽く触れたそれは、次第に深くチュッと音を立てて私の唇を吸った。


「ふっ・・・っん!」


 わっ!変な声が出ちゃった!わ、私のファーストキス・・・。


「いぶき・・・」


 吐息混じりで名前呼ぶのは反則です!!


「いぶき、俺の名前を呼べ」

「あ・・・タケ・・・ミ・・・様」


 タケミ様がぐいっと私の足を開かせようとした。あ、それはダメ!!まだ早いし!!心の準備があるし!!恥ずかしいし!!怖いし!!!怖いし!!!!!(泣)


「タケミ様っ!」

「クソっ!良いところで時間切れだっ」


 私が全力で抵抗したその時、タケミ様が蛇の姿に戻った。ほっ。わー、違う意味でのぼせてしまうとこだった。

 でも、お風呂での、のぼせは治まったみたい。私は急いで脱衣所に行き着物を羽織った。いや、まだ自分じゃ着れないからね。


 それにしても、まだ心臓がドッキンドッキンしてる。それに、タケミ様の唇の感触・・・。お父さん、お母さん、息吹は大人の階段をのぼってしまったよ・・・。

 タケミ様と・・・してしまうかもしれなかったのはすっごく怖かったけど、タケミ様とのキスは嫌じゃなかった・・・嫌じゃなかった!!!

 私、エッチな子なのかな?ふみゅぅ・・・。


 あっ、そうだよ!さらっと流していたけど、タケミ様人型に戻れたよね!また蛇に戻っちゃったけど。良かった。本当に良かった。元に戻れるって希望があるもの。


 私はおとりちゃんに着物を着せてもらうべく、おとりちゃんを呼んだ。


「おとりちゃーん、着物を着せて〜」

「今行くわー」


 パタパタとおとりちゃんが私の部屋に来てくれた。

 タケミ様は乙女のの着替えに殿方が居るのはおかしいと、おとりちゃんによって部屋の外に出されている。おとりちゃんの方がよっぽど低層観念がしっかりしている。それなら、私が一緒にお風呂に入るって言った時も止めてほしかった・・・なんて、責任転嫁したらダメだ。蛇の姿なら問題ないと、異性を意識していなかった私の自業自得だもんね。


「わっ、いぶき顔すっっごい真っ赤だけど、大丈夫?」

「う、うん。大丈夫。ちょっとのぼせちゃったみたいで」

「ちょっと待ってなさい」


 そう言っておとりちゃんは来た方向に戻っていった。


「おまたせ、いぶき。はい、これ顔に当てなさい」


 いぶきちゃんに手渡されたのは冷たいてぬぐいだった。


「ひんやりしていて気持ちいぃ〜〜」

「そ、良かった。気を付けてよね。いぶきがお風呂で倒れても助けに行けるのがクナトしか居ないんだから」

「あっ、タケミ様が・・・」


 あれ、“タケミ様が居る“って言った所で助けられるのは恥ずかしい事には変わりないぞ?気を付けるにこしたことはないと思った。


「タケミ様がどうしたの?」

「えっと、じつは・・・」


 私は先程タケミ様とキスをしてしまった事とか恥ずかしい部分はは省いてタケミ様が人型になった事実をおとりちゃんに説明した。


「へぇ、で、人型のタケミ様を見ていぶきは赤くなってたと」

「ち、ちがっ」

「ふふ、冗談よ。穢れは無くなったんだし、焦らなくても良いんじゃない?」


 あんまり違わなくもないけど、おとりちゃんにからかわれて咄嗟に否定してしまった。おとりちゃんはそんな私を見て、うふふと笑った。


「おとりちゃん、相談があるの」

「なぁに?いぶき」


 私は本題の「私は誰なの?氣吹戸主なの?何なの?」という葛藤についての相談を切り出した。 

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