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異世界クエスト!  作者: ゲツネコ
1/1

全ての始まり

この世界は二人の魔王に脅かされている。


一人は自ら村や町を消滅させ

もう一人はモンスターを生み出し、人間を襲わせていた。


その魔王の力は強大で今まで数多くの勇者が討伐に行ったが、誰一人としてその成果を上げることができなかった。


そして今、また魔王に挑む勇者がいた。


「魔王よ、お前らが奪ってきたたくさんの人の命は計り知れない。その罪を今、死んで償うがいい!」

勇者は魔王に対し、剣を向けそう言った。

しかし、それと裏腹に魔王はヘラヘラと笑いながら、勇者に告げる。

–––––無理だ。と。

「そんなもの、やってみないとわからないだろう。私はこの聖剣でお前を倒してやる!」

勇者は目にも止まらぬ速さで魔王に斬りかかった。しかし、魔王には当たらない。何度も何度も斬りかかっても、魔王には当たらない。

「何故だ!何故当たらないのだ!」

「その聖剣は〜特別な力を秘めているから〜期待してたんだけど〜やっぱり〜。」

–––––君、ツマラナイヨ。


次の瞬間、勇者の足が、二本ともなくなっていた。

「ぐあーーーっ!」

悲鳴を上げ勇者は崩れ落ち、必死にもがく。

魔王はそれをみてゲラゲラと笑いだす。

「多分…このままだと死ぬな。せ、せめてこの剣だけでも…。」

勇者は自らの剣を地に突き刺した。そして、

–––––転送‼︎

地に突き刺した剣が光り始め、そして消えた。

「君〜、何をしたの〜?」

「なーに、お前の討伐を次の世代に任せただれけさ。次の世代にな。」

「ほ〜う、それは〜期待して〜良さそうだなぁ。まぁ〜次の世代の奴が〜剣の〜秘密に〜気づけたらですけど〜。」

魔王楽しげにそう言った。

「さ〜て、こっちも片付けちゃお〜?な〜んだ、もう死んでた♪」

勇者はもう、息をしていなかった。

しかし、その顔はとても満足気だった。

一人の男が命を落とした時、新たな命がその小さな体で大きな産声を上げた。




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