またね!
今週も5日連続投稿予定です!
「んー…」
夜温めればすぐ食べれるようにと夕飯のカレーを作った後
自分のステータス画面を見てうなる。
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天使蒼汰
年齢:18歳
職業:旅人
スキル
【創造】[158,750P]
【鑑定Ⅹ】【魔力操作Ⅹ】【次元鞄Ⅹ】
魔法
【マス・フアッブⅩ】
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増えてない。
同じ人を喜ばしても意味が無いのか…?
それともインターバルが必要なのか。
「まぁ仕方ないか」
「お兄ちゃん?」
「ん、ああごめん。ポイント上がらなかったなーって思ってな」
いつまでもここに居るわけには行かないか。
結構居心地がよかったんだけど、仕方ない。
簡単にポイントを集められるなんて最初から思ってなかったし、曰く付きっていうくらいだ、これからどんな事が起こるかも分からない。ここを出て、旅に出ますか!
「そっか。それじゃ…そろそろ移動するの?」
妹もなんとなく察したのか、そう聞いてくる。
「そうするかな。せっかく友達出来たのにすぐ別れることになって悪いけど…」
「んーん、大丈夫。また会えるよ!」
「そうだな、落ち着いたらまた会いにこよう」
えーっとジェレンさんは…居た居た
「ジェレンさん。…とガインさんとシエラも一緒か。丁度いい。」
「ン?どうしタ?」
「いえ、リベルタス?も去ったみたいなのでそろそろ旅に出ようかと思いまして」
「な、なに!?料理長はここで暮らすんじゃなかったのか!?」「えっもう行っちゃうの!?」
ガインの中では…っていうかみんなの中ではもう既にここの料理長ポジションで落ち着いてしまったのか。悪くないんだけどね。
「まぁ俺らにも目的があるのでね。」
「そ、そうか…なら仕方ねえか。」
「も、もう少しここに居てもいいんじゃないの?ほ、ほらあたしまだ魔力操作上手くいってないし、もう少し教わりたいなって…」
「シエラなら大丈夫さ、かなり筋がいいみたいだしもう少しやれば自分で出来るようになるよ。明日には出来てそうだ。」
「う、うん…でも…」
「ずいぶん懐いちゃっテ。可愛い顔するようになったのウ?シエラ?」
「っ!ばあちゃん!ち、違うわよ!と、友達と!結衣と離れるのが寂しくて!」
「はいはイ。…蒼汰。達者でノ。ここを自分家だと思っていつでも帰ってくるとよいゾ」
「ジェレンさん…ありがとうございます。」
異世界、どんなところだろうと思ってたけどいい人達だった。
最初にこの人達と出会えてよかったなぁ
「おーーーーーーーーーい!料理長が旅立つとよーーーーー!!!」
うおっガインさん声でかっ
見送りとか別にいいのに。
「なに!?」「い、行っちまうのか!?」「も、もうあの料理は食えないのか…」「そんな…」
う…なんか申し訳ない
「ご、ごめん。夕飯は作ったの置いておくから温めて食べてね」
「「「「ありがとうございます!!!」」」」
洞窟の出口まで皆で歩いて行く。
歩きながら近くに街があるか聞いてみると
洞窟を出たらすぐ右へ2km程歩けば森を抜ける事が出来て、山が見える方に暫く歩いて行けば街につくようだ。エド族だけでは街には入れないらしく、どんな所かは知らないそうだ。
しかし…外に出るとなるとこのままじゃ魔物の餌になるだけだろう。【アスフ・アッブ】も結構疲れるしなぁ。他の人達はどんなスキルを持っているのか歩きながらでも1人1人チェックしてみるか。
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名前:ガインリッヒ
年齢:48歳
種族:エド
スキル
【身体強化Ⅲ】
【槍術Ⅲ】
┗槍の扱いが上手くなる。
魔法
【大地裂傷Ⅰ】
┗土魔法。対象の地面にヒビを入れ、そこから岩を突き出す。
【風魔乱舞Ⅰ】
┗風魔法。無数の風を呼び、対象を切り裂く。
【炎を纏う槍Ⅱ】
┗槍に炎を纏う。
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名前:デリル
年齢:35歳
種族:エド
スキル
【身体強化Ⅰ】【槍術Ⅱ】
魔法
【風圧爆散Ⅱ】
┗風魔法。風の爆弾。爆発させるとそこを中心に突風が広がる。
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名前:ムアイ
年齢:35歳
種族:エド
スキル
【身体強化Ⅱ】【槍術Ⅰ】
魔法
【大地裂傷Ⅰ】
【落とし穴Ⅰ】
┗対象の下に穴を作る。
【魔力装衣Ⅱ】
┗魔力の衣。一定のダメージを肩代わりする。
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名前:ジェレン
年齢:89歳
種族:エド
スキル
【身体強化Ⅰ】【魔力ブーストⅢ】
魔法
【風魔乱舞Ⅱ】【大地裂傷Ⅱ】【風圧爆散Ⅱ】
【魔力装衣Ⅴ】
【風の加護Ⅳ】
┗対象に風を纏わせ、身を守る。速度も上がる。他の防御魔法と併用は出来ない
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ふむ…スキルや魔法はレベルⅠ~Ⅲぐらいが普通なのだろうか。
最初会った3人とジェレンさんが結構強めな感じかな?他はあまりパッとしない。
こう見るとシエラって結構努力してるんだな…それとも才能か。両方かもな。今では規格外のスキルレベルになってしまってるみたいだが…やっぱり俺のせいなのかね?あの神コニラからスキルを受け取って俺の体に異変でも起きてるのか、さっぱりだがこんな世界だしありがたい。
ジェレンさんの【風の加護】とやらは味方にかけられる防御魔法みたいな感じなのだろうか。妹に敵の攻撃が届いてしまった時防いでくれる魔法も【創造】しておきたい所だ。
【身体強化】がその人の基本的な体の強さみたいだな、みんなついてるし。レベルとかあれば分かりやすいんだけど。もしかして【身体強化】を持ってない俺が攻撃を受けたらどんな魔物でも大ダメージなんじゃ…これは早急に覚えよう。街に魔法の一覧が載ってるような本があればいいんだけどなぁ
っと出口が見えてきたな…おお、日差しが眩しい。
1日洞窟の中に居ただけで久しぶりの日光って感じがするなぁ皆も眩しいのか目を細めている。
「それじゃ皆さん、短い間でしたけどお世話になりました」
「いやいヤ、世話になったのはこっちの方じゃわイ」
「ちげぇねえな!飯美味かった!いつでも作りに来てくれ!」
ガっはっはと笑うと続いて皆笑いだした。
「それでは…。シエラも、またな」
「ばいばいシエラ!またね!」
「あっ…うん…ばいばいっ」
俺と結衣は手を繋ぎ、教わった通り歩いて行く。
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「・・・」
「シエラ」
「・・・・・・」
「シエラ!!」
こつんト子気味のいい音と共に頭に軽い痛みが加わる。
「あいたっ、あ、なにジェレン婆ちゃん…杖で叩かないでよぅ」
「全く…このまま見送るだけでいいのかイ?」
「…どういうこと?」
「旅に出るチャンスなんじゃないかって言ってるのサ夢だったんだろ?外の世界を回るのガ」
「っ!で、でも!あたしが居たら、エド族が居たら迷惑かも…だし…」
混ざり者がいる。それだけで街へ入るのも、宿に泊まるのも、物を買うときだって何を言われるか分からない。ここはそんな世界だ。あたしが居たら迷惑にしかならない。
「蒼汰」
「っ!?え、な、なに、ソウタがどうしたの?」
「分かりやすいのウ好きなんじゃろウ?」
「な、なななななにいってるのよ!べ、べつに、そんな、べつに…」
「あやつは優しイ。それに何か不思議な人ダ。あんないい人中々会えないゾ?」
「んぐぐ……いいのかな、ついて行っても。」
「実は言うともしかしたらシエラから付いて行きたいと言うと思ってじゃナ?事前にシエラが行きたいっていったらどうか連れてってくれと話しておいたんじゃがのッホッホッホ」
「え!?そんな勝手に…そ、それでなんて言ってたの?」
「ところで蒼汰達はもう見えなくなってしまったナ」
「っ!?あっど、どうしよ………おばあちゃん、あの!」
「ああ…行っておいデ。」
「!うん、うん!行ってきます!」
「おみやげよろしク~」
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森を歩いて行く。
木漏れ日が眩しい。葉と葉の隙間から見える空を見ると、雲が一つも見当たらない。台風一過というやつだろうか?そういえば子供の頃は台風一過を台風一家と勘違いしていて、夏に何回も来る台風達の事を言ってるのかと思っていたな…。あ、こっちではデナイアル一家?
「まぁ~ってえ~」
「シエラちゃ…シエラの声がするよお兄ちゃん!」
今シエラちゃんって…心の中ではちゃん付けなのかな?
「お、来たか」
にやっとする。結衣もうれしそうだ。
少し待つとシエラが俺たちに追いつく。
「あ、あたしも一緒に連れてって下さい!エド族なので一緒にいるだけで嫌なこともあ「いいよ、一緒に行こうか。」」
「よろしくね!シエラ!」
一瞬きょとんとするも「うん、よろしく!」といい笑顔になる。
こうして人数を3人に増やしエド族の住処を後にした。
3人と1匹か。
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「ヴィルちゃんが…私のヴィルちゃんがぁ…」
オーイオイオイオイ。
そこは白い空間。周りは壁があるのかないのかわからないぐらい広く、一面真っ白である。そこにポツンと置かれた机と椅子に顔を伏せ1日泣いている女性がいる。
紫髪に病気なのではないかというぐらい白い肌の長身で人が見たら十中八九巨乳だと思われるモノをもつ女性が。
「いつまで泣いてるのよ駄目姉貴。あんな獣ぐらいで…」
イライラを隠さず貧乏揺すりをしながら姉に当たる者。
ピンク色の肩までの髪で鋭い目をした背が低い貧相な体の女性。
先ほど言った言葉から分かるよう姉妹だ。
先日突然あの世界に現れた黒い髪の2人。
最近めっきり見なくなったと思った"旅行者"かと思いたまたま近くに居た姉のペットの猪の王ヴィルトシュヴァイン(通称ヴィルちゃん)を勝手に向かわせた所、瞬殺されたのである。
おかしい。ありえない。
こんな所に勇者でも誤召喚されたのか?と思い神眼で情報を読み取った。
それはもう驚いた。
第一級保護対象の惑星『地球』その世界の住人だった。しかもスキルには見慣れた【創造】が。
あの糞妹…まさか禁忌を破ってまで自分の世界を救うために…いやでもあの妹の事だから何も考えちゃいないか。
そう、この姉妹は蒼汰たち兄妹を異世界と送り込んだコニラの姉達である。
「まさか地球人を呼んでしまうなんて、やってくれるわねえ…」
地球人の若者は呼べさえすればほとんどが勇者クラスの力を発揮するという凄まじい力があるという。そんな地球人は地球に居る限り無害なので、地球には絶対接触してはいけないという決まり事になっていて、接触は禁忌指定されている。
【創造】というユニークスキルをあの妹が持っていた時は嫉妬もしたが、結局は宝の持ち腐れだった。妹は何でも創れるとは言うが、本人にその適正が無いとそこまで自由に出せないものだ。「あれーおかしいなー」とよく言ってたが全く気付いていない。
そのスキルが今あの地球人にある。既にさっきの黒い炎…妹の世界にはないが別の世界では存在している。おそらく【死炎弾】であろう。このまま放っておいたら私達の計画に支障をきたしそうだ。
「あいつらは次はどこに向かってるんだ…?視てみるか。」
フッと右手を振ると目の前に映像が浮かんでくる。
「おやおや最初より1人多くなってるじゃない。…まぁ現地の人なんて大したことないしいいわ。この方角は…パランルーナ…ね。」
ニヤリと思わず笑みが漏れる。
「異世界人には異世界人…この前丁度いい子を拾ったのよね。試しに当ててみようかしら?うふふふふ」