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妹と旅する曰く付き異世界  作者: 智慧じゃこ
30/33

魔物か人か


「Aランク冒険者様はまだか!?」「今大人しいからっていつ暴れるか分からないぞ!」「その先は魔物が居るから近づくな!」


3人で図書館から出てそろそろ昼飯作らないとなと思いながら歩いていると何やら騒がしい。


「魔物?冒険者ギルドの方だな。何かあったのかな?行ってみよう」


「わかった。」「はい」


人がこちら側に逃げてくると思ったが、思いのほか逃げてる者は少ない。冒険者ギルドの方だからだれか対処したのだろうか。そう考えてるうちに冒険者ギルドの前に辿り着く。野次馬が多いな



「くらえ化け物!【クロススラッシュ】!」


「これはどうだ。【影牙(えいが)天昇てんしょう】!」


「『力の源たる輝きし炎よ、敵を穿ち焼き尽くせ!【ファイアーアロー】』!」


数人の冒険者がスキルや魔法を放ち、犬の10倍ぐらい大きい青い狼と戦っていた。いや、それは戦いではなかった。その狼は魔法やスキルで攻撃されてもやり返さずその場で耐えている。どれだけの時間攻撃され続けたのか分からないが傷だらけだ。


何かを守っているのか…?その狼の下を見るとそこには大量の銅貨が転がっていた。お金を守るだけで攻撃もしてこない。何のために街に入って来たんだろうか。どこか壊された様子もない。


「魔物、なんだよな…?」


「そう、だね…まさかとは思うけどこの魔物…」


「何か知ってるのか?」


「…本で見たことがあるだけだけど、多分フェンリル…だと思う。伝説の魔物と言われてて人が入れるような場所には滅多に出てこないの。最後に目撃されたのも何百年も前で今じゃ本当に存在してるのか疑われてるくらい。」


試しに鑑定してみる


--------------------------

ラルシェルク

年齢:10

種族:;:,人@,族g,

ギルド:無所属

スキル

【身体強化Ⅷ】【危険察知Ⅵ】【気配察知Ⅵ】【疾走Ⅸ】【空歩(クウホ)】【闇属性操作Ⅶ】

魔法

重力操作グラビティコントロールⅧ】


状態異常:【魔物化】【人魔合成(劣)】


--------------------------


人族…?表示がバグってるのが気になる。状態異常に【魔物化】と【人魔合成(劣)】というものがある。まさかニナちゃんと同じ…ではなさそうだ。あの時は合成された魔物の情報とダブって見えたからな。また違う方法なのか?


魔物化はしているが攻撃してこない所を見ると自我はあるんだろう。制御出来ないのだろうか。なんらかの理由で暴走してしまい街中で魔物化してこの状況って所か。


「クォーーーーーーーーーーーーーーーン」


ドスンと音を立てながらフェンリル?は倒れ、魔物が倒された時に出る光の粒子となる…と男の子の姿になった。


騒ぎは起こさない方がいいか。「【煌めく光(ライト)】!」


「よっしゃ倒しウワ眩し!」


咄嗟に【煌めく光(ライト)】を発動させ目晦ましをする。全員魔物を注視していた為漏れなく直視してくれた。うん、後で合流した時にセーラとシャロに文句言われたよね。しょうがない


【疾走】を全力で使い、一瞬で先ほどの魔物と同じ青色の髪の男の子を抱えてその場を後にした。


―――

――


「どうだ?」


「は、はい。え、ええと1日2日安静にしていれば、そ、その、大丈夫、だと思います…た、多分」


魔物の姿から普通の子供の姿に戻った少年を店の2階に寝かせ、治癒魔法が使えるイーヤに診てもらっている。あんだけあった傷が残っていないのを見ると治癒術は割と得意なのかもしれないな。


「人が魔物に…また…ですか。」


暗い顔でセーラが呟く。どうやら初めての事ではないらしいな


「またって、よくある事なのか?」


「そうですね…昔は結構頻繁にあったらしいですが、最近は1年に1回くらいあります。いつもは暴れまわるし、普通の魔物よりも強いので加減出来ずに殺すことになってしまってました。…大人しくしてたのは初めての事ですね」


「昔は頻繁にあったか…・・・ん?その昔っていうのはもしかして異世界に旅行が出来てた頃だったり?」


「そうです、良く分かりましたね。私が産まれた頃にはもうとっくに異世界に渡る術は無くなってましたので異世界って言われてもピンと来ないですが、酷かったみたいですよ」


これもまた嫌がらせの一つとしてやっていたのだろうな。大方この世界に謎の菌が蔓延して人が魔物になる病が流行っているとかそんなんだろう。それをまだ悪用している者が居るという事かだろうか。まぁそう気めつけるのも良くないがなんとなく当たってる気がする。


「とりあえずこの子が起きるまで待つか。」


「そうですね。」


「イーヤもありがとうな」

 

「い、いえ……ご主人様が、その、言う事です、から。え、えっと。では、下へ戻らせて頂きますね」


相変わらず話すのが苦手みたいだけど、イーヤが居てくれてよかった。なぜか俺は治癒魔法とれないんだよな…吸血鬼(ヴァンピール)姉妹に血を吸われて目が覚めた時、治癒魔法はあったほうがいいなと思い【創造】しようと思ったがうんともすんとも言わなかった。分からない事が多いなほんと…


「おーーーーーーーい、アマツカソウタは居るかーーーー?」


外から自分を呼ぶ声が聞こえてくる。この声はミミさんか。窓を開いて下を見るとやはりそこには軽装の赤い鎧を着たミミさんが周りの事なぞ気にせず手を振っていた。

シャロとセーラも一緒にひょいっと顔を出したがすぐひっこめてしまった。まぁ分かる、俺も隠れたい…うちに並んでるお客さんが全員こっち向いてるんだもんな…。


「模擬戦しよーぜ!」


下に降りて外に出た途端にこれだ。模擬戦か…


「今は…あれだ、店が忙しくてな?」


チラっと店をミミが確認する。


「大丈夫そうじゃね?」


「え、あー…そうだな」


めっちゃテキパキお客を捌いてる。

うん…もう3人に任せても大丈夫そうだな。


「しょうがない、少しなら…」


「よっしゃ!んじゃ行こうぜー」


「ワタシも付いてこうかな」


「私も付いて行かないと!私という守る存在が居て初めてお兄ちゃんは力を発揮できるからねっ!」


結衣が変な設定を作り始めたが触れずにおこう…


「私も…って思ったけど、あの子見てる人お必要よね…残って見ておくね」


「ああ、ありがとうセーラ。すぐ戻るよ」



という事で結衣とシャロを連れミミに案内されながら冒険者ギルドに着いた。なんで冒険者ギルドなんだろうと思ったが、ギルドの後ろに訓練場があるみたいだ。冒険者同士のいざこざが多々ありその度にギルドで暴れられても困るので作ったらしい。


「よし、ルールを決めるぜ!スキルや魔法はなしだ。【剣術】のみで勝負、ブツはこの木剣だ。それでいいか?いいよな!」


「あ、ああ。分かった。」


「そんじゃ、そこの吸血鬼(ヴァンピール)、審判よろしくなー」


「え、ワタシ?ま、まぁいいけど…」


二人が訓練場で距離を少しとり構える。

結構大きい訓練場で、冒険者ギルドが4つ入る程の大きさがある。今の時間が昼終わりなので、昼食べた後依頼を受けに来た人達が野次馬としてかなり集まってきている。


「騎士団長様と甘味神(かんみかみ)の模擬戦か…大丈夫か?」

「大丈夫かねえ、騎士団長様」

「は?心配する方は甘味神(かんみかみ)のほうじゃないのか?」

「知らないのか?あの人の強さを。っていうか甘味神(かんみかみ)ってなんだよ」

「いや、うちの嫁が甘未の神様よ!甘味神(かんみかみ)様よ!って言うもんだからつい…」

「そうなのか、うちの嫁さんもアレを食べてる間は大人しくて助かってるぜ。喧嘩した時もアレを差し出せば一発仲直りよ。」

甘未神(かんみかみ)様様だな!」

「「がっはっはっは」」


男2人が何やら話してるのが聞こえてくる。なんだ甘味神(かんみかみ)って…いいけどさ。


「それでは両者、初めて下さい。」


ざわざわと騒がしかった周りもシャロが静かな声で言ったにも関わらずピタッと音が無くなったのかと錯覚するくらい静かになる。


野次馬の大体は冒険者だが、巡回中、または休暇だった騎士も一瞬も見逃すまいと凝視している。2人の技を見て技術を盗んでやろうって魂胆だ。特に騎士団は団長はあまり教える事が得意ではない為見て盗めと良く言われている。だがその団長が本気で戦う事は中々に無い為、来られる騎士は全員集まって来た。やると言ってから30分も経ってないのに耳に入るのが早いのは騎士団の特殊な連絡方法があるからだ。


「んじゃ、オレから行くぜ!」


まずは小手調べなのか上段から思い切り剣を叩きつけてくる。斬るというよりは自分の剣の重さを相手に伝える行為だ。そこからの鍔迫り合い。力量を見誤り、無理に攻めると押し返され、バランスを崩される。


その状況にミミを追いやったと思いきや、どうやらわざとだったらしく、崩されたように見せ、足に力を入れくるっと回転し、勢いをつけ剣を横に斬りつけてくる。


当然蒼汰はすぐ察知し体を最小限に動かし躱した後、相手に視える速度(・・・・・)で上段から木剣を右手で振り下ろす。相手が気付き刀で防御の体制を取ったところで刀の軌道を変え横腹で寸止めをする。


「一本!天使蒼汰!」


シャロが声を上げ、二人で刀を降ろす。


「やっぱりつえぇ…、体真っ二つになったかと思ったぜ…」


ミミの【剣術】レベルは6だ。こちらは10なので当然の結果だがかなりセンスがいいのが分かる。同じぐらいの力量の相手が居なくてレベルが6止まりなんだろう。訓練も基本1人か同じ騎士団の仲間と100人組手をやってるだとかここまでくる途中に話された。


「テンション上がって来た!どんどんやろうぜ!」


「はい、はい。」


―――

――


3時間が経過した。そんな長い間模擬戦をしていたのに野次馬は誰一人途中退場する事なく、むしろ人数は増えて行き、訓練場は満員だ。シャロも途中から「ワタシあまり必要ないような…」と言い残し客席で結衣と談笑している。


「ハァ、ハァ…かーっ!負けたあああ!完敗だ!この感じいつぶりか…やっぱり強い奴と打ち合うのは楽しいわ。」


「お疲れ。最後のフェイントは危なかったよ、俺が使ったフェイントと同じ事してくるとは思わなかった。」


「はっ、軽々防いでた癖によくいうぜ…」


「そこはまぁ、まるまる同じだったからな。そこから更に自分流に変えていけばもしかしたら当てられてたかもな?」


「いや…無理だな。当てられるビジョンが浮かばねえ…つかなんで息すら切らしてないんだよ、おかしいだろ…」


「ハッハッハ、さて、そろそろ戻るかな」


【身体強化】が10レべなんでとは言えないよな…こんな歳で10なんてありえないらしいし。色々聞かれるのも面倒だしとっとと帰ろう。


「…なぁ」


「ん?」


「オレの…なんつうか…師に、なってくれよ。」


「……と言われても、俺等はそろそろこの街出て行くからなぁ」


「ああ、姫さんに聞いたよ。だけどそこを何とか頼む!ただ師で居てくれるだけでいいんだ!またこの街に戻ってきた時にでも稽古を付けてくれる程度で!スキルレベルとか何も聞かねえからさ!」


んーそれなら何も問題ないか…が、師匠か…そんな柄じゃないんだけどまぁ言わせたいように言わせればいいか。しかし師匠になって何もしないのもな…稽古…稽古……あ、もしかすると…


「よし分かった。ここには残れないけど稽古は出来るようにするよ。多分出来ると思う」


「まじか!それじゃこれからは師匠って呼ぶぜ!って、え?稽古が出来るってどういうことだ?」


冒険者ギルドを後にして、騎士団が専用で使っているという場所に移動する。セーラの屋敷の裏か。建物の中に入ると入り口には木剣が何本も立てかけられていて見栄えを良くするためか棚に花が飾られている。


中は地面が続いていて靴でそのまま入る場所のようだ。訓練している騎士団が中に居るようで木剣同士がぶつかる音と掛け声が聞こえる。


「おいーっすお疲れー」


ザッ、ビシッ


「「「「「お疲れ様です!騎士団長様!」」」」」


「いいから続けててくれー」


「「「「「はっ!」」」」」


本当に騎士団長なんだな…それに結構慕われてるようだ。


「そんで?何するんだ?さっきの続きか?」


「いや、こうする。」


図書館で作った泥の人形を今回は人と同じ大きさぐらいで作る。外見は…太くなった棒人間みたいのでいいや。それに核として魔物から出るコアを埋め込む。今回埋め込むのはこの前倒した魔族2体のやつだ。いらねえっていうので貰っておいた。そして【錬金Ⅹ】を組み合わせる事により泥棒人間とコアが完全に混ざり、錬金時に魔力をコアに注いだだけ強くなるプログラムを組み込む。これで訓練用のゴーレムの完成だ。


【属性操作】を取った時になんとなく【錬金】と組み合わせればこういう事が出来そうだっていうのが頭に浮かんでいた。出来るかもとは思ってたけど本当に出来るもんだな。


「あんだこれ?弱そうな人形だなおい」


「試しに戦ってみるか?」


俺は人形に魔力を注ぐ。スキルは剣術のみでレベルを7程度になる魔力を注ぐ。そうすると名前の通り棒立ちだった棒人間が動きだす。


蒼汰はそれに木剣を渡すとすぐ様動き出した。ミミに向かって様々な剣技をランダムで放つ。目もないし呼吸もしないので動きを予想する材料も少なく。めちゃくちゃやりずらいゴーレムとなった。


「ま、まじか!こ、のやろう!」


カンッ!カカカカン!カッカッドスドカッカッカ!

と木剣同士がぶつかる音、時たま勢いあまりゴーレムの剣が土にぶつかったりするが中々隙にはならない。ミミより1レべ上げちゃったからな…同じぐらいにしたほうがよかったか?…ま強い方が伸びるだろ。


稼働時間を5分で設定していたため、時間になるとゴーレムはピタッと動きを止め元の直立状態に戻った。


「ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ容赦なさすぎだろ、まじで焦った…」


「今の剣術7設定にしてたんだがよく捌けたな。これでしばらく訓練してみな。コアがもう一つあるから一応予備でもう一体作っておくな。強さの調整方法も教えるよ」


「師匠半端ねえぜ…じゃなかった。ありがとうございます!」


いつのまにか騎士団の練習音が消え、茫然としている騎士団をこちらに呼び皆にも使い方を教えていった。

設定すれば簡単な魔法も使ってくれるので結構実践に近い形に出来る。いい訓練になるだろと蒼汰は思ったが、騎士団は全員顔が真っ青だった事に気付かず、自分の店に帰っていくのだった。



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