プロローグ
プロローグに書くことがない。
絶対的存在。絶対的王者。
それは実際に存在する。誰も横にたつことができない、同じ位に立つこともおこがましい。そんな風に感じる存在が、実際にいる。
その存在を前にすると、分かる。自分が怯えているのを。本能でこれには勝てないと知っている。分からないやつは、対外ろくな事にならない。どのくらいかかるかは分からないが、いずれどんなものも、自分が圧倒的に劣っているのを思い知らされる。
勝てない、歯が立たない、怖い。そんな事は誰だって感じる。でも、そもそも戦えない。自分が土俵に立つことも出来ないなんてことは、その存在の前でしか味わえない。
だから、多くはその存在を崇める。尊ぶ。神への供物として、その身を捧げる。そうすることでしか、生きられないからだ。その存在の元にいることでしか、安心できないからだ。
誰もみな、その存在には逆らえない。
しかし、中には変わったやつもいる。膝を震わせ、腰が抜けながらも、薄笑いを浮かべて挑む者が。負けを本能が認めていながらも、進む者が。
その存在を世の中は、『無礼者』と呼んだ。
本編は次から