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プロローグ

放課後の体育館……ふだんならば、部活動に勤しむ生徒に溢れるいるはずである。しかし、中間テスト前のこの時期となると全ての部活動は活動停止となり、訪れるものは誰もいない。

人の気配のしない長大な空間は、妙に静寂さを際立たせる。しかも、日中だというのに、なぜか、黒いカーテンで屋内がすっぽりと覆われており、夕暮れどきのように薄暗い。

そんな体育館のほぼ中央で、久堂飛鳥は、待ち人を待っている。彼が、担任代理のクロード教諭を丸め込んで体育館の鍵を借り、この場をセッティングして、そろそろ30分が経とうかとしていた。

流石にもう諦めて帰るか、と飛鳥が思い始めたときである。体育館の木製のドアが軋む音を立てた。

「来たか……」

飛鳥は、思わず独り言つ。あまりに長い30分だった。彼以外には決して理解できない長い長い時間だった。胃が軋み、緊張のあまり心臓が張り裂けそうにも感じられた時間であった。

「……私に何の用かしら、久堂くん?」

待ち人は、シルヴィア・フォン・ヴァイサリアスは、飛鳥に問う。この空虚な空間に響き渡るような凛とした声で。

それに対する飛鳥の答えはシンプルだ。この一言せんせんふこくのためだけに、この場にいると言っても過言ではなかった。


「待っていたぞ、忌まわしき吸血鬼め!……殺してやる!!!」

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