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町☆長

「どうも、じいさん。はつねとはどうだ?」

タナベは職人に語りかけた

職人は間髪入れず喋りだす、

「わしゃじいさんじゃない! むしろ気持ちはお前より若いぞ」


タナベは返す、

「なーにが若いだ、親父より歳とりやがって、ジジィだろ」


職人は自慢気に言い返す、

「ふんっ、わしゃ毎日はつねと初音みくちゃんについて語り合ってるんじゃぞ。あんな芸術品中々世にないぞ!!」


ジジィが、、気持ち悪りぃ。という感情を抑えながらタナベは職人の嬉しそうな姿に安堵した


……そのころ、駅に電車が止まると、一人の少年が再び(また)この町に降り立った



町役場では、

親父は俺を一番信用していなかった――。タナベは職人に言った、

「親父、俺に言ったんだ」


<回想>「お前が一番信用ならん、第一、金で何とか解決しようなどと、けしからん、だが、お前がこの町で暮らすと自分で決めたのなら、お前の責任を果たすことじゃ」


タナベはしんみりした様子で言った、

「俺を認めていなかった親父が、復興の指揮を俺に任せたのは何故だと思ってたんだ……、親父、自分の死期を悟ってたんだな、、だから、あんたにはつねを雇えと言った時、親父あんな(こと)



そのころ、少年は第一町人に尋ねていた


「え? やくばのばしょ? それならみ〜んな知ってるよ、ひとつしかないから。おにーさん、町長さんしらないの? だって、みぃ〜んな知ってるよ。りっこーほ者がひとりしかなくて(無とうひょうとうせん)でMHKにほーそうされたから」


少年は優しく話しかけた、

「そっか、ありがとう。それで、役場はどっちかな?」


「うん! やくばのばしょはあっち!」

そう言って小さい子は方角を指差した


「ありがとう」

そう言って少年はお礼を手渡した


「どーもー、おにーさん、おおさかのひと?」

小さい子はお辞儀をしながら飴玉を見つめそう言った。その子の頭を撫でると、少年は少しはにかみながら役場へ向かった



町役場では、

職人が答える、

「わしゃ、あいつの話(病)は知っとったぞ」

続けて言った、

「はっはっはっ、(信頼するのは)自分の息子より、(ふる)()、永住する町民じゃな」


職人の話を聞き、俺は、親父らしいと微笑んだ


職人は続けて話した、

「じゃが、お前さんも今では立派なここの町民じゃ、期待しとるぞ☆町・長」

そう言って、お茶を飲み干し去って行った


タナベは思った。スカした爺さんだぜ、だが頼りになる、ジジィだが――

<回想>俺は、最初を思い出していた

以前はYT企業に勤めていた、結構上の役職だったよ

信頼する仲間もいた、かわいい部下もいた、割と慕われてたんだぜ

()く金を湯水のように投資に使う、稼げるのが楽しかった

金が嫌いな奴はいないだろ? 次第に家族よりも会社、自分よりも会社、……会社が一番だったのかもな――

家庭でのコミュニケーション不全、離婚理由をつけるとすればそんなところか。ただ、俺は自分が思うよりは寂しがり屋だった


だから、何故かこの町に帰って来たんだろうな――。親父……

でももう一人(の身体)じゃない、俺には護るものがたくさんある――

タナベはそう思いながら書類に目を通し、じわじわと深い椅子に腰をかけながら町長としての責任(おもみ)を感じていた



[コンコンッガチャッ]

<役員>「失礼します」


扉が開き少年が町長室に通されると、町長は(さかのぼ)ったかのごとく優しい目をしたタナベに戻り、長い時間(とき)の埋め合わせをするように少年と会話をした


最後にエピローグみたいのを書こうと思います<(_ _)>

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