警告
「仲良くしてくれると嬉しいな♪」
お前と私が仲良く?
ありえない。ありえてはならない。
そんなの表面上だけ。イライラする。
髪いじるのやめてよ。食事に毛が入っちゃう。食欲うせる。
「ジル、お前の好きなアスパラガスとセロリのベーコンまきあるぞw」
「おー!」
「超庶民的wwお前一応資産家の一人娘だろw」
「アスパラガスとセロリなめてんの?ほら食べなさい健康にいいわよ!」
「もごっ・・・苦い」
「ww」
・・・・・・なんか楽しそう。ガイアが珍しくはしゃいでる。
気に入らない、気に入らない、気に入らない。
「おいしかったでしょ。アスパラガスとセロリは健康にいいのよ(キリッ」
「2回言ったしw」
「重要なことなので。」
「そんなにおいしいもの?」
私はジルではなく(ここ重要)ガイアにきいた。
ガイアはその『アスパラガスとセロリのベーコン巻き』を特別に作らせていた。
私の食べたことのない料理だったから、どうしてガイアがそれにこだわったのかわからない。
「おいしーわよ!」
お前にはきいてない。
「うーん・・・ メアリーの好みじゃないと思うよ」
「・・・そう」
「俺は好きだけどさ」
ガイアの口に合うものが、私がおいしいと思わないはずがないのに。
むかつく。勿論、ガイアじゃなくジルに。
あのドヤ顔、イライラする。
ガイアと自分がどれだけ仲いいかあぴってるつもり?
「なんで私にあわないと思うの?」
「・・・メアリー甘党だし」
「でもガイアの好きなものなら私だってすきn」
「ガイア」
私の言葉を、ジルがさえぎった。
「ガイアってこれ好きっしょ。私のとチキンかえてよ」
「・・・チキンたべかけだぞ」
「ん、いーよw」
ちょっとまて。
「た・・・たべかけ・・・?」
たべかけ?ガイアのたべかけ?は?
「ガイアの?」
「あ、ごめん。冗談きつかったかな?」
きついどころか、危うくお前が永久にそんなこと言えないようにするところだったよ。
冗談でもそんなこというなっての。
私が席をたつとあの忌まわしきジルも席をたって、
「メアリーさんに話あるんですけど」
といってきた。
廊下をまがったところでたちどまる。
「なんでしょう?」
ジルは顔をあげて私をみすえた。
「あの、メアリーさんとガイアってうまくいってますか?」
当然じゃない。なんでそんなこときくの?
・・・・・あ、そういうことか。
「ジルさん、ガイアのこと好きですよね?」
とたんに真っ赤になるジル。
「好き・・・なんだ」
「べ、別にそんなんじゃ!ていうかガイアなんて」
は?ナニイッテンノ?
私の耳がおかしくなければ、こいつ。ガイアなんて、って言った。
でも、照れを隠せてないね。
それも婚約者の私の前で。
私はジルの耳元で囁く。優しく、でも棘のある声で。
「あの人のそばにいていいのは私だけなの。
あの人のそばにいられるのは私だけ。他人が必要以上にあの人に近づくことは許されない。これは警告だから・・・」
唖然とするジルに背をむけ、私は席に戻った。
「どんな話、してたんだ?」
優しいガイアはきいてくれる。
「なんでもないよ~」
だから私は笑顔でこたえるの。