仮説と真実
ガイア視点→ジナ視点です。
アンマリーの運んできた料理も食べる気にはなれず、殆ど残してしまった。
どうにも、わだかまりが残っている。
・・・もしかしてメアリーは、一連の事件の犯人に脅されていたりするのだろうか。
犯罪の片棒を、無理矢理担がされているのだろうか?
それなら納得がいく。
メアリーにあった後に行方不明になったジル。
次いでいなくなったジナが家をでた時刻に、メアリーの姿はなかった。
そして裏庭から漂ってきた、あの、吐き気を催す血の匂い。
頭の中で仮説をたててみる。
メアリーが一連の事件の犯人に脅されていたとする。
ジルのことは流石に何もしていないだろう。メアリーにはあまりにも酷だ。
ジナをメアリーが誘き寄せ犯人が拉致した、とか。
さっきの裏庭の匂い。
遺体を、遺棄していた・・・?
誰の遺体を?
・・・矛盾があるとすれば、いつ脅されたか。
ジルが行方不明になった時・・・はメアリーは屋敷にいたはず。
ジナにあうまではずっと俺かアンマリーが近くに居たはず。
大体、メアリーは筋金入りのひきこもりだし。
「旦那様、書類整理の仕事が」
「・・・あ、わかった」
わだかまりが残ったまま、仕事にとりかかった。
「大分回復できたみたいね」
彼女は私のそばまでくると、まだ少しよろめいている私の体を支えてくれた。
「はい、杖があればもう1人でもなんとか歩けます」
「よかったわ」
彼女はうっすらと笑みを浮かべると、杖を握っていない腕に触れた。
こちらの腕は、皮がめくれているどころか肉までがグズグズになっていたらしく、切断しなければ大変なことになっていた為切断してもらった。
その代わりに、義手をしている。
彼女お手製の義手らしく、すごく精巧で、ぱっとみただけでは義手だなんてわからない。
私の体の中で唯一、包帯がまかれていない場所だ。
「・・・行きたいところはある?連れて行ってあげるわよ」
そう言われ、咄嗟に思い浮かんだのはガイアさんとメアリーさんだった。
「いいわよ。もとより、彼らにはあうつもりだった・・・手遅れになる前に」
彼女は意味深な言葉を発する。
そして、私に彼らのところへ連れて行ってくれると約束してくれた。
ガイアさんにあって、伝えなければ。
ガイアさんが傷つくだとか、もうそんな悠長なことを考えている余裕なんてないんだ。
他の皆も危ない・・・いつ殺されるかわからない。
私やお父様がメアリーさんを訴えても、私達が潰されるだけ。
でも、ガイアさんならメアリーさんを止められるかもしれない。国王陛下だって、あるいは。
だから、一刻も早く伝えなければならない。
メアリーさんの本性を暴き、殺戮をやめさせるんだ。
この悲劇を、おわらせなくちゃ。
自分でかいていて、はやく気づけよ、とか思ってしまう私です。
この世界、DNA鑑定もなければ防犯カメラもないですからね・・・。




