表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
病的依存デスガール  作者: レーゼ
凶悪な思想
45/75

現実逃避

めまぐるしく動いていく事態に、頭がおいついていかない。


壊れていく。


周囲の大事なモノが。

思い出が。

あっというまもなく。

気付いた時には、皆々なくなっている。


ジルが失踪した。

ジナも髪飾りを残して消えた。


そして今度は、ナルガまでがいなくなったらしい。



なにかが崩れる音が背後から聞こえる。


その音はゆっくりと、俺を追い越していった。









気がつくと、俺は書斎に居た。


 どんどん、と扉を叩く音がする。

開けてください、というリザの声がする。


時計をみたら、日付けがかわっていた。


書斎には鍵がかかっていて、密室状態だった。


「ガイア様、どうか扉をおあけください!

朝から何も召し上がっていらっしゃらないではありませんか!」


そういえば昨日から、ナルガがいなくなったというしらせをアンマリーから聞いてから何も食べてないなぁ、とぼんやり考える。

それにも関わらず、空腹感はなかった。


メアリーの声がきこえた。

「今はそっとしておいてあげて」


そんな言葉が耳に届いた。




俺はどうすればいいのだろう。


グリー卿のように、傭兵に彼らの捜索を依頼すればいいんだろうか?

たった1ヵ月やそこらで3人もの子息令嬢が立て続けに行方不明になるのはおかしい、何者かの陰謀ではないかと王宮にうったえ、騎士団出動の要請でもすればいいんだろうか?


そんなことをしてなんになる?

俺が傭兵を雇ってジル達が見つかるのならば、フィド率いる傭兵団がとっくに見つけているだろう。


陰謀だと訴えたところで王宮はとりあってはくれないのではないか。

ジルもジナも女性だし、ナルガは嫡男というわけでもない。つまり、代わりがきく。

豪商や下級貴族の令嬢や次男の為に、わざわざ騎士団は出動しないだろう。


次期公爵(おれ)公爵令嬢(メアリー)が行方不明になったわけでもない。

 燃えた小屋はグリー家の所持するもので、公爵家のものじゃない。

豪商の所持する小屋が何者かに燃やされた可能性があると言ったところで動いてくれはしない。

そもそも、騎士団が出動したところで解決するような問題なのか?


 俺は、何もできやしない。どうすることもできず、嘆いているだけだ。

 ウェネフィー領で起きた事件は、領主代行である俺に責任がある。

俺が責任もって事件を解決し、混乱を沈めなければならない。


陰謀なら俺が犯人を突き止め、王宮に突き出すなり処罰するなりしなければならない。

行方不明になっている彼らを見つけ出し、安否を確認しなければならない。


それなのに、彼らは見つからない。

どこを探しても見つからない。


 傭兵達が聞き込みをしているが、目撃証言も乏しい。

ジルの姿を最後に見たのは俺だ。

ジナが最後に目撃された場所はグリー家のジナの自室。

ナルガにいたっては、どこかにでかけたっきり行方不明で、馬車も御者も丸ごと失踪してしまったらしい。


悪い夢をみているようだ。

いっそのこと、夢だったら良かったのに。

全部夢で、目覚めたらいつもどおりの日常が続いていればよかったのに。



どうすればいいのかわからない。

これからどうなるのかがわからなくて、怖い。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ