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病的依存デスガール  作者: レーゼ
異常な嫉妬
36/75

奇跡は起きるものじゃない、起こすもの

『なろう』ブックマーク登録が2桁になりました!

読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

 ガイアさんがずぶぬれのジナちゃんを抱いて、私のいるボートへ乗り込んできたのをみて、ほっとした。

自然に、安堵の笑みがこぼれた。



ただ。



現実は、残酷で。



濡れた髪を肌にはりつかせたジナちゃんは、息をしていなかった。


「・・・なん・・・・で・・・?」



ねぇ、なんで?


まだ13歳なんだよ?

まだ、まだ生きられる命なのに。

人生の半分だって生きてない。まだまだ楽しいことたくさんあったはずなのに、どうして。


涙が頬を流れ落ちる。


ジルがいなくなって、ジナちゃんまで……。


「・・・まだだ」


え?


ガイアさんの言葉に、顔をあげる。


「諦めるにははやい」

「え・・・?」


「人工呼吸だ」

「じん・・・こう・・・・」



―――――――――人工呼吸。


 そんなことしても無駄だと思った。

やり方は知っているけれど、実際にやったことなんてないし。

でも、僅かでも。その希望にすがりつきたかったんだ。


「ガイアさん・・・・。私、やってみます!」


ジナちゃんの口元に、顔を近づける。

ガイアさんは男性だし、やれるのは私だけ。


ジナちゃんが助かってくれるようにと、人工呼吸を(ほどこ)す。


奇跡は起きるものじゃない・・・・・起こすものだよね。

私が、奇跡を起こすんだ。







 時間が過ぎるのが、とても長く感じられた。

実際には10分から、30分くらいのことだったんだろうけど、私には1時間よりももっと長く感じられた。



「・・・・・!!」


ガイアさんが、息を飲んだ。


つー・・・。


「・・・・・!!」


ジナちゃんの頬に、一粒の涙が流れた。


「ジ、ジナちゃんっ!!」

慌てて口を離す。耳を口元へもっていくと。


すー、すー・・・


「ジナちゃん、息してる・・・っ!!」


やったぁ・・・・!

ああ、また涙がでてきちゃった。


今度は悲しくて流す涙じゃなくて、嬉しくて流れた涙だ。


ジナちゃんの胸に手をあてると、確かに、どくん、どくんという心臓の音が聞こえる。


「やった・・・やったよ、ガイアさん!」

ガイアさんの方を振り返ると、優しい笑顔を浮かべていた。

その笑顔に、不覚にもドキッとしてしまった。


「やったな、レニー」

「・・・はい」

「お前が、奇跡をおこしたんだよ」


そう言って、ガイアさんは私の頭を撫でた。

嬉しくて、でもほんの少し照れくさかった。


「皆のところへ戻ろう。ジナを暖めてやらなくちゃな」

「そうですね・・・。でも、ガイアさんも暖まらなくちゃダメですよ!風邪ひいちゃいますからね」

「ああ、わかってるよ。心配してくれてありがとうな」


 ガイアさんは笑いながらオールを手に持った。

私もジナちゃんの頭を膝にのせたまま、オールをもつ。


ジナちゃんにあたらないようにしながら、私達はボートを漕いでいった。









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