奇跡は起きるものじゃない、起こすもの
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読んでくださっている皆様、ありがとうございます。
ガイアさんがずぶぬれのジナちゃんを抱いて、私のいるボートへ乗り込んできたのをみて、ほっとした。
自然に、安堵の笑みがこぼれた。
ただ。
現実は、残酷で。
濡れた髪を肌にはりつかせたジナちゃんは、息をしていなかった。
「・・・なん・・・・で・・・?」
ねぇ、なんで?
まだ13歳なんだよ?
まだ、まだ生きられる命なのに。
人生の半分だって生きてない。まだまだ楽しいことたくさんあったはずなのに、どうして。
涙が頬を流れ落ちる。
ジルがいなくなって、ジナちゃんまで……。
「・・・まだだ」
え?
ガイアさんの言葉に、顔をあげる。
「諦めるにははやい」
「え・・・?」
「人工呼吸だ」
「じん・・・こう・・・・」
―――――――――人工呼吸。
そんなことしても無駄だと思った。
やり方は知っているけれど、実際にやったことなんてないし。
でも、僅かでも。その希望にすがりつきたかったんだ。
「ガイアさん・・・・。私、やってみます!」
ジナちゃんの口元に、顔を近づける。
ガイアさんは男性だし、やれるのは私だけ。
ジナちゃんが助かってくれるようにと、人工呼吸を施す。
奇跡は起きるものじゃない・・・・・起こすものだよね。
私が、奇跡を起こすんだ。
時間が過ぎるのが、とても長く感じられた。
実際には10分から、30分くらいのことだったんだろうけど、私には1時間よりももっと長く感じられた。
「・・・・・!!」
ガイアさんが、息を飲んだ。
つー・・・。
「・・・・・!!」
ジナちゃんの頬に、一粒の涙が流れた。
「ジ、ジナちゃんっ!!」
慌てて口を離す。耳を口元へもっていくと。
すー、すー・・・
「ジナちゃん、息してる・・・っ!!」
やったぁ・・・・!
ああ、また涙がでてきちゃった。
今度は悲しくて流す涙じゃなくて、嬉しくて流れた涙だ。
ジナちゃんの胸に手をあてると、確かに、どくん、どくんという心臓の音が聞こえる。
「やった・・・やったよ、ガイアさん!」
ガイアさんの方を振り返ると、優しい笑顔を浮かべていた。
その笑顔に、不覚にもドキッとしてしまった。
「やったな、レニー」
「・・・はい」
「お前が、奇跡をおこしたんだよ」
そう言って、ガイアさんは私の頭を撫でた。
嬉しくて、でもほんの少し照れくさかった。
「皆のところへ戻ろう。ジナを暖めてやらなくちゃな」
「そうですね・・・。でも、ガイアさんも暖まらなくちゃダメですよ!風邪ひいちゃいますからね」
「ああ、わかってるよ。心配してくれてありがとうな」
ガイアさんは笑いながらオールを手に持った。
私もジナちゃんの頭を膝にのせたまま、オールをもつ。
ジナちゃんにあたらないようにしながら、私達はボートを漕いでいった。




